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Webエンゲージメントを再考する 後編

2010/08/17 諏訪 光洋  キーワード : 【 CMS 】 【 Webサイト

 
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中長期的な視点でステークホルダーと対峙するためのプラットフォームを整備

中野:これからは「きずな」がカギになりそうですが、企業の担当者は何をすればよい?どうやって「きずな」を作ればいい?というところで明確な答えはあるのでしょうか。

増井: 強制的に忠誠心を誓わせるようなやり方をすれば、一時的に効果が上がっても、お客様はすぐに離脱するでしょう。「きずな」は自然な意識の中で醸成されていくものです。

接点はいろいろありますが、お客さまが企業と「きずな」を結びたいと思う段階って、必ずあるんです。だから、購入に至るまでのストーリーをすべて独占しようなどと考えず、企業がニュートラルにお客様に合わせていくことが大事だと思います。

諏訪: あともう一つ。「エンゲージメント」=「Twitter」と考える人もまだまだ多いようですが、本当はもっとたくさんのパスがあります。

Twitter以外に、リアルなネットでの言葉も、古典的なメルマガもそう。Webを通じた情報発信だって、かなり大きなエンゲージメントです。CMSを活用して各部門の方々が直接情報発信するのも重要な取り組みでしょう。

大事なのは、社員一人ひとりがステークホルダーと対話する機会を増やしてあげること。そのためのプラットフォームを整えることが、企業の中でコミュニケーションを司る人の役割だと思います。その際、短視眼的に目の前の成果に一喜一憂するのではなく、中長期的な視点で取り組むことです。できる範囲で少しずつでもいい。お客様の声に耳を傾け、それに応える形で新しい情報を出していく。そうやってきちんと対峙するための体制なり体系なりを整えていく必要があります。

中野:でも、実際には顧客と向き合うことを面倒くさいと思う担当者も多いのでは?

増井: 確かに会話することを嫌がるというか、恐れる部署が多すぎます。しかし、お客様が声を発してくれなければ何も生まれないわけで、問い合わせもクレームも言ってみれば「きずな」のログ。メルマガにしろWebにしろ、会話を始めるトリガーにするならいいのですが、単なる情報発信で終わるなら意味がありません。

山本: お客様とのコミュニケーションを通じて製品の購入につながる、あるいは購入にはつながらなくても満足度の高いサポートができたという時に、きちんと社内で評価される仕組みも必要ですね。とはいえ、特に営業の現場では、成果に関してドライな見方をされるのも事実。そこに至るまでのプロセスを可視化し、評価に結び付ける仕組みをどう作るのか。企業側がここを意識していかないと難しいですね。

エンゲージメントの最適なWebの特性を最大限に活用して一歩ずつ前進

中野:企業はステークホルダーと対峙していくためのプラットフォームを検討する必要がありそうですが、エンゲージメントへの取り組みを支えるインフラについて、何か具体的なアイデアはお持ちですか。

諏訪: NECビッグローブは、エンゲージメントの実現に必要なコミュニケーションツールをフルセットで持たれている珍しい会社です。トータルでプラットフォームを提供できる会社があるなら、まずは一緒に情報発信していきましょうよということで、これから5回シリーズで開催する「Webエンゲージメントセミナー」を企画したわけです。

もちろん、プラットフォームをトータルで契約すればエンゲージメントが実現できてしまうような簡単な話ではありません。体制を整えたり、経営層の理解を得たり、現場のモチベーションを高めたりといった中で、どんどん広がりが出てくると思います。最終的には、エンゲージメントの実現を通じて、日本の企業や社会を元気にできたらいいですね。

山本: 今言われたとおり、当社はWebマーケティングをトータルで支援する「WebEngine」というソリューションを展開しています。導入したからすぐ何かが出来るわけではありませんが、我々が積み重ねてきたノウハウや強みを活かしながら、企業におけるエンゲージメントを全力で支援していこうと考えています。

増井: 顧客接点の先にどんな作用を生み出したいか。企業はそこまで意識して、社内のシステムから従業員教育に至るまで、いろんな施策を考えていくべきです。中でもWebは、直接お客様にコンタクトできるツール。効果測定が出来て、多様な仕掛けも作れる。そういう意味ではWebが一番エンゲージメントに向いていると言えるでしょう。

ただ一方でエンゲージメントは、モノが売れたとか、会員数が増えたとか、簡単に指標が取れるものではない。これからは、効果測定の仕組みをどう実現するかが課題になりそうです。

中野:まずは、自社がやっていることをエンゲージメントの観点から見直してみても良さそうですね。効果が今ひとつ見えないという時にも、もしかしたら「指標で測れないだけ。もうちょっと待ってみよう」という判断ができるかもしれません。本日はありがとうございました。セミナーにも期待しています。

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諏訪 光洋

執筆者

部署・役職 : 代表取締役社長

ロフトワークの共同創業者、代表取締役社長。2000年、クリエイティブの新しい形の流通を目指しクリエイターコミュニティ「loftwork.com」をスタートし、株式会社ロフトワークを設立。自身もクリエイティブディレクターとして活躍してきた経験を活かし、「loftwork.com」を日本最大級のクリエイターコミュニティに成長させる。近年は、Webプラットフォームの有効活用をテーマとしたセミナー・講演、執筆活動を精力的に行い、企業経営とWebのシナジーを高める提案を積極的に行っている。

1971年米国サンディエゴ生まれ。
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。

Twitter:@suwaws

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