Home > ロフトワークの強さ > キーワード・コラム > コンテンツ戦略:Content Strategyについて考える

コンテンツ戦略:Content Strategyについて考える

2011/04/05 井上 果林  キーワード : 【 オウンドメディア 】 【 Webサイト

情報設計やアクセス解析—進むWebサイト改善の取り組み

企業が自社サイトをはじめとするWeb媒体を情報発信の中心に置くようになってから何年も経ちました。Webサイトの新規立ち上げから始まって、集客のためのSEO・更新性改善のためのCMS導入・ユーザビリティ向上のための情報設計・アクセシビリティ配慮など、長年にわたりWebサイトの価値を高めるための段階的な改善が加えられてきています。

現在、上に挙げたような取り組みは、専門家の力を借りながら、時間やお金をかけて作り上げていくのが一般的です。たとえば、SEO対策に強いCMSを構築する、情報設計を見直し、ユーザーが行きたいページへの導線を作る、あるいはお問い合わせ獲得のコンバージョンを高めるための施策を行う…。Webの進化と共に様々な方法がとられてきました。

ユーザーが見るのは「Webサイト」でなく、「コンテンツ」

しかし、Webサイト自体の改善だけで良いWebサイトが完成するわけではありません。Webサイトを訪れたユーザーが最終的に見るのは、「Webサイト」ではなく、「コンテンツ」。本当に大切なのは、用意した枠組みを使って、価値あるコンテンツ(=テキスト、画像をはじめとしたWebサイトの「中身」)を作っていくことです。

コンテンツ更新と運用体制、意外に軽視されている?

ところが、振り返ってみてください。自社のWebサイトにおいて、製品の紹介文が、リニューアル時に移行したテキストや画像のままになっていないでしょうか。あるいは、印刷物のために用意したpdf原稿をそのままWebに流用していないでしょうか。せっかく手軽に更新できるCMSを導入したとしても、その機能が生かされていないWebサイトを見ることも少なからずあります。

もちろん、「コンテンツ改善なら日常的に行っているし、PVを増やすために日々頑張っているよ。」と答えられる方も多くいらっしゃると思います。しかし、その業務は運用担当者の力のみに委ねられていることも多く、担当者がいなくなったら誰も引き継げない…という体制である場合も多いのではないでしょうか。

このように、企業サイトなど長期的な運用を行うWebサイトにおいて、意外に「コンテンツ」に対しての設計と改善のための投資と業務設計が行われていないことが多いのです。

コンテンツが軽視されていませんか?
・ Webサイトリニューアル時に仮登録した原稿がそのまま公開されている
・ ニュースリリースなどのお知らせしか更新していない
・ 主力製品の紹介文が数年更新されていない
・ 記事の更新は、一人の運用担当者に方針がゆだねられている
・ 新たなコンテンツを掲載したいが、Webサイトの設計上実現が難しい
・ Webサイトリニューアル時、元々存在していたコンテンツを元に情報設計が行われ、
  コンテンツの追加や削除など再検討は行われなかった

「A List Apart 翻訳記事:『コンテンツ戦略』という専門分野」 のご紹介

私が「コンテンツに力を入れる必要がある」と考えるきっかけになったのは、制作パートナーであるAQ株式会社の佐々木朋美さんが翻訳された記事、「A List Apart 翻訳記事:『コンテンツ戦略』という専門分野」でした。

http://aqworks.com/2011/01/04/ala-content-strategy-ja/

記事によると、コンテンツ戦略は「有益かつ有効なコンテンツの制作・発信・管理に向けたプランニング」。コンテンツ戦略の専門知識は幅広く深いにも関わらず軽んじられており、改めてその成果に対して注目する必要があることが述べられています。

コンテンツ戦略実行のための専門分野とは?

重視しなければならないことは分かりました…。しかし具体的には何を行えばよいのでしょうか。記事によると、コンテンツ戦略を実行するための専門分野は以下のように挙げられています。

編集戦略:コンテンツの公開スケジュールを含めた運営全体のガイドラインを設計する分野
ウェブライティング:コピーライティングを含めたコンテンツ執筆のスキル分野(UXやIAの分野を理解しコンテンツを管理することも求められる)
メタデータ戦略:メタデータの種類と構造を定義する分野
SEO:検索エンジン最適化を行う分野
コンテンツ管理戦略:コンテンツを格納・保存するための技術分野(CMSやサーバなど)
コンテンツ配信チャンネル戦略:コンテンツが提供される方法と場所を定義する分野(メルマガや広告など)

何から手をつけていけばよいか

それでは、私たち自身が「コンテンツ戦略」を実践するには何を行っていけばいいのでしょうか。上の専門分野全てを実践するには知識領域が広く、一筋縄ではいかなさそうです。しかし、個別に見ていけばそれぞれイメージの湧くところが多い気がします。

そこで次回から、「コンテンツ戦略」という視点で何ができるか、複数回に渡って考えていきたいと思います。まずはWebサイトのリニューアル時に行うコンテンツ戦略について。更新性の向上や情報設計、SEO対策と併せて考えることのできるアプローチについて、ロフトワーク的な視点を交えつつ触れていく予定です。

井上 果林

執筆者

部署・役職 : クリエイティブディレクター

京都大学卒業後、ロフトワークに入社。NECビジネスポータルサイトのコンテンツ運用から、CMSサイト構築、会社案内ディレクション、モバイルのコンテンツ開発まで編集力・企画力を活かし、幅広く制作を手掛ける。最近のテーマは「コンテンツ戦略」。ユーザーにとって価値あるコンテンツをいかに設計し、ビジネス成果につなげるか、クリエイティブディレクターとしての戦略的なアプローチを追求中。

最近執筆した記事

blog comments powered by Disqus

関連キーワードのコラム

2010/08/17 代表取締役社長 諏訪 光洋

CMS 】 【 Webサイト

2010/06/02 マーケティング オウンドメディア推進チーム loftwork.jp Webマスター 山口 謙之介

Webサイト 】 【 CMS



Copyright© 2000-2012 Loftwork inc. ALL Rights Reserved.