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広報活動は計測できる?広報が考えるべきアクセス解析の指標 [後編] 施策と共有

2011/09/07 中田 一会  キーワード : 【 オウンドメディア 】 【 アクセス解析

広報活動は計測できる?広報が考えるべきアクセス解析の指標 [前編]KGI、KPI

広報担当者の皆さん、Webサイトのアクセス解析、活かせていますか?

さらに知りたい! 「広報が考えるべきアクセス解析」

広報担当者は、自社サイトのアクセス解析をどう活用するべきなのでしょうか? 公的研究機関で、広報を務めるNIMS(物質・材料研究機構)荻野氏にお話を伺いました。前回は公式サイトのKGI・KPI等の設定についてお話いただきましたが、今回のテーマはは施策と社内共有です。

荻野寛さん

お話いただいた方:荻野 寛さん

独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS) 企画部門広報室。
もとはデザイナーという、広報としては異色の経歴を持つ荻野さん。NIMSでは、研究機関という独特の立ち位置で、幅広いステークホルダーに向け、主にWebで情報発信を行う役割。アクセス解析セミナーでも論理的なWeb広報の考え方を発表されていました。

聞き手:ロフトワーク中田 一会

聞き手:中田 一会

株式会社ロフトワーク パブリックリレーションズ担当。
ロフトワークのコーポレートサイトにおける、ブランディングや見せ方の部分を担当。全体的な運用(解析/改善)はマーケティング部門のWebマスターが担当しているものの、広報的視点で、KGI・KPIを設計し、施策に落としていくことが最近の課題。

時事ネタもつぶやくツイッター リリースはWeb用サマリーを用意

中田一会(以下、中田):KGI、KPI設定とセットになるのが、達成のための施策になると思います。NIMSでは、どんな施策を行っていますか?

荻野寛(以下、荻野):まず、ひとりでも多くの方にNIMSの名前を知っていただけるように、露出数を増やすことから始めています。といっても、先の震災による影響で、今年度は広報予算が厳しいので、大がかりなものは手掛けられません。

そこで、ツイッターやFacebookなどで広報室の公式アカウントをトライアルとして開設し、プレスリリース情報やニュース、イベント情報などを発信しています。また、ツイッターについては、事務的な情報を発信するだけでは親近感がわかないので、時事の出来事についても、たまにですがつぶやいています。これらの活用による情報の伝播によって、まだNIMSをご存じない方に、NIMSを知っていただくきっかけを作ることができればと考えています。

NIMSの公式Twitterアカウント(@NIMS_PR)

また、NIMSの成果をより多くの方に知っていただくには、従来であれば新聞やテレビ放映などのマスコミ対応をしっかり機能させているだけでも十分だったのですが、最近は記者クラブなどを通さず、公式Webサイトに記載された記事を読んで記事にされているニュース系のサイトが増えてきたような気がします。そこで、Webサイトでのプレスリリースやニュース記事の見せ方についても、従来はプレス資料と同じ形式で、タイトルと記事という構成だったのに対して、新たに120文字前後のリード文を加えて、タイトルとリード文だけを読めばどのような事が書かれているのかを一読して把握できるようにしました

NIMSのリリースには必ずサマリー(黄色背景部)が用意されている

プレス資料は、一段落目をよく読めば何が書かれているのかが分かるようになっているのですが、研究者名はともかく、組織名や所属名、責任者名までが全て入っているため、斜め読みするには結構冗長なんですね。そこで、ざっくりと簡略化したものを提供して、できるだけ読んでもらえるようにしてみたというわけです。もちろん、研究成果の内容が一番影響するのですが、ちょっとした施策でそれなりに成果を得られる可能性がある部分だと思っています。

ニュースのインパクトをアクセス解析で知る

中田:Webサイトの責任者は荻野さんとのことですが、組織内へのレポ—ティングはどのような体制、内容で行っていますか?

荻野:アクセス解析は毎月おこなっていますが、レポーティングについては、PV数に大きな動きがあった時のみ、その原因を推察して私から室長に報告するようにしています。一般の方にも馴染みのある事を扱ったプレス記事がWebニュース等で取り上げられたり、テレビでNIMSに関係することが放映されたりした後に、PV数がグッと増えることが多いですね。
例えば、実現すれば消費電力が従来の100万分の1になり、演算や記憶も行なうという「アトムトランジスタ」をリリースした時には、一時的にWebサーバにアクセスが集中し、接続しにくくなった事もありました。あと、Webサイトをリニューアルした1年後に、その効果について部長クラスの会議にもPVやUUと、前年比の数値などを報告事項として上げています

中田:発信した情報に関するリアクションがいち早くわかるのがWebの利点ですし、広報活動の成果もある程度定量的に見えてくるのは嬉しいですよね。

数値目標設定が、広報のあるべき姿を考える機会に

中田:最後に、参加いただいた「アクセス解析研究会」でどんな気づきがありましたか? また今後挑戦したいことは?

荻野:参加前は、NIMS公式サイトが公的機関の広報サイトという、企業サイトとも異なる性質のサイトのため、また、経営層から広報に課せられている明確な使命が特になかったため、なんとなくPVやUUを集計して数字を眺めているだけでしたが、参加後は、広報本来のあるべき姿である一般との関係構築について改めて考えると同時に、研究成果の社会への還元を目的とした企業との関係構築についても考える機会が生まれ、そのためには何をすべきかを考えるようになりました

今後は、やはり一般の方や企業とNIMSを繋いで認知度を向上させるのが広報室の役割だと思っていますので、それらに適うコンテンツを提供していきたいと思っています。今年度は、先の震災の影響による予算の都合上、どのようにして実施するかを内部で議論する必要はありますが、一般の方を対象にした特設Webサイトを複数開設して、公式サイトからの流入数や利用状況を観察したり、企業連携まわりの情報を充実させてアクセス状況を観察して、それらの結果を部長クラスの会議に報告し、次の施策に結びつけていきたいですね。

中田:どんな特設サイトになるのか、そしてどんな成果につながるのか、非常に楽しみです。今回は、大変勉強になりました。ありがとうございました!

▲「アクセス解析セミナー」荻野さん発表資料

関連リンク・サイト

荻野さんが登壇したセミナーレポートも是非ご覧ください

中田 一会

執筆者

部署・役職 : パブリックリレーションズ

武蔵野美術大学卒業後、IT関連出版社に入社。IR(投資家向け広報)を経て、ケータイ世代向けのメディア事業に参加。モバイルサイト運用や、電子書籍/紙書籍の企画編集を手がける。2010年にロフトワーク入社。オウンドメディア/ ソーシャルメディアコンテンツの企画編集、コラボレーション企画、スタッフ・ブランディング等、ロフトワーク全体のメディア化とコミュニケーションを担当している。

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