Home > ロフトワークの強さ > キーワード・コラム > ツイ担・吉澤のセミナー覗き穴 「ルグラン×WebEXPセミナー」に行ってみた
去る9月28日、ロフトワークセミナールームを会場に、株式会社ルグラン×WebEXPセミナー「コンバージョンアップを狙う方法とは?~ネット先進国アメリカの参考事例に学ぶ~」が開催されました。
今回は全3回シリーズの2回目。当日はECサイトの運用担当者、BtoB企業のWeb担当者、マーケティングご担当者など様々な立場の方々総勢20名が参加しました。初回に続き今回も盛況だったこのセミナーを、私・吉澤がレポートしたいと思います!
前半は、株式会社ルグラン代表取締役・泉浩人氏によるワークショップ「コンバージョンアップを狙う方法とは~ネット先進国アメリカの事例を参考に学ぶ~」です。
第1回のセミナーではデータの重要性について話されていた泉氏。はじめに、「データを入手することはゴールではない。Webサイトの運用の仕方やマーケティングで行き詰まった際、どこにテコ入れが必要か?迷った時点に立ち返り、改善すべき場所を指し示してくれる羅針盤こそがデータである」と前回のメッセージを改めて強調しました。
冒頭のお話を受けて、早速ワークショップのスタートです。お題は、「あなたはあるECサイトの担当者で、売上UPのために日々奮闘しています。手元に配られたデータを読み解き、(1)最近の傾向 (2)今後懸念すべき点 を挙げてください」というもの。参加者は6~7名×3グループに分かれて話し合います。
実は各グループには、広告運用、アクセス解析、売上、それぞれ違った種類の半年分のデータが渡っており、他グループの持っているデータは見ることができません。ロフトワークのWebマスターであり後半のセッションを担当する山口はいち早く全グループのデータを入手し、楽しそうにブツブツと一人で呟いていました…天性のWebマスターだと思います(笑)
Aグループに渡されたのはアクセス解析データ。来訪者数、流入元の割合、直帰率の推移が書かれていました。検索流入数が増加し、新規セッション数が増加。と同時に直帰率も増加していました。
一方、Bグループに渡されたのは売上データです。売上数、注文件数と広告費の関係性を見出す必要がありそうです。「広告費/売上の割合が増加している点は今後の懸念事項になりそう」という意見や「売上は増加しているのでリスティングの即効性はあったようだ」という意見が出ていました。
そしてCグループはリスティング広告費用とコンバージョン数、それに伴う獲得コストのデータです。一見、なかなか順調なデータのように見受けられましたが、最終月でCPAが増加していることから「次月以降には広告費を抑える必要がありそう」との指摘がありました。
どのグループも最初の自己紹介で緊張がほぐれたのか、白熱した議論が交わされていました!グループ発表の際には笑い声が起こる場面も。
全グループの発表が終わったところで、ここからは泉氏の解説コーナーに移ります。
アクセスデータだけを見ると、中盤で急激に直帰率が上昇している点が目につくものの、広告データと照らし合わせてみると、直帰率が上昇した時期はまさにリスティング広告のチューニングを行った時期と重なっていました。「単一のデータだけでは全体像は見えてこない」と泉氏は語ります。
3グループに渡されたデータはバラバラ。リスティング広告だけ、アクセス解析だけ、売上だけに目を向けていては見出せる方向性もバラバラになってしまいます。各データを統合し、多角的に方針・施策を考えることが大切なのですね。泉氏の解説に参加者の方々も改めてデータ統合の重要性を感じた参加者も多かったのではないでしょうか。
さて、後半はロフトワークのWebマスター・山口にバトンが渡りました。「間接効果を評価してコンバージョンアップ!」と題して、弊社コーポレートサイトの運用事例を取り上げた講演です。
ロフトワークのコーポレートサイト「loftwork.jp」の場合、コンバージョンは問い合わせ、見積依頼の獲得。月間25件の獲得を目標としています。リスティング広告で想定している主な導線はサービスページから問い合わせフォームへの遷移です。これまでの主な施策として、ブランドワードと制作系ワードの予算を別配分にする「キャンペーンの細分化」や、詳細ページを用意しきれていないキーワードをキャッチするためのページを追加する「専用ランディングページの作成」、「コンバージョンに繋がらないワードの出稿停止」などを行ってきました。
特に「コンバージョンに繋がらないワードの出稿停止」については、半年という長い期間をかけて見極め、抽出しました。出稿停止直後は他のキーワードに予算がまわり効果が出たものの、停止するキーワードを増やしていくことで広告自体からの流入数も徐々に減少してしまう事態に。「これはまずい!」と思った山口は「コンバージョンに繋がらなくても認知拡大に貢献しているキーワードがあったのでは?」という仮説のもと、広告効果測定ツール「アドエビス」を利用して間接効果のモニタリングを開始しました。
結果、直接効果よりも間接効果が上回っているキーワードを複数見つけることができました。中には直接効果はゼロでありながら間接効果が非常に高い「アシスト専門のキーワード」もあったそうです。
山口はセッションのまとめとして「間接効果の本当の価値は長期的にモニタリングしていくことで明らかになる」と解説。泉氏が「(データだけを)凝視しすぎないこと。ある程度の距離をおいて俯瞰することも大切」と補足する形で後半のセッションは幕を閉じました。
最後に泉氏より、先月アメリカで開催された「SES(=SearchEngineStrategies)サンフランシスコ」のレポートをご紹介いただきました。このSES、当初はその名のとおり検索エンジンを題材にしたカンファレンスでしたが、現在はソーシャルメディアなどWebマーケティング全般を網羅しており、言わばad:techのようなカンファレンスなのだそうです。
▲ ルグラン・泉氏。勉強させていただきました!
ここで泉氏は「on2off」という言葉をピックアップ。これは、オンラインのコンバージョンはオフラインのコンバージョンに繋がっている、ということ。「オンライン」つまりWebで商品の詳細情報やユーザーズレビューから情報収集を行った上で、「オフライン」つまり実店舗へ足を運んで買い求める、という行動パターンが増加している状況を表しています。うーん、確かに私も経験がありますねえ…。
「検索ユーザーはクチコミを求めている。検索エンジンはユーザーの求めているものを検索結果の上位に表示するので、クチコミがより多く集まるサイトが上位に上がってくることは自然な流れである」と、クチコミの影響力について触れた講演もあったようです。全世界的にソーシャルメディアの大きな流れを避けては通れない時代になってきた、と言えそうですね。
この後、参加者からの質問に対し泉氏が一つ一つ丁寧に回答・解説する場面が続き、約2時間ほどでセミナーは終了しました。
講演ではなくワークショップという形式だったのがとても面白かったです。具体的なお題に対して自分なりに考えてみることで理解がより一層深まったのではないでしょうか。また、参加者と同じ立場のWebマスターが話す事例レポートは、参加者の方々がそれぞれ自己投影して聞いてくださったようで質問が集中していたことが興味深かったです。
次回はいよいよ3回目、最終回です。開催時期は現在調整中ですので、またWebEXPをはじめロフトワークからも情報発信していきたいと思います。ご興味ある方はぜひご参加ください!
部署・役職 : マーケティング
千葉大学卒業後、ロフトワークに入社。モバイルサイト向けのコンテンツ制作を幅広く手掛ける。2009年からはマーケティングdiv.に合流、保守サポート窓口を担当しながら、自社ソーシャルメディア運用やプロジェクトのソーシャルメディア戦略に関わる。おっとりしているようで細部を見逃さない、校正の刺客。
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