Home > ロフトワークの強さ > キーワード・コラム > 顧客と企業をつなぐiPhoneアプリ開発 ~企画から申請まで~
生活から遊び、仕事まで、多様なシーンで活躍するiPhoneアプリ。最近のアプリの人気カテゴリは、男性「ビジネスツール」、女性は「SNS系アプリ」等だそうです。生活に密着した、なくてはならないツールになりつつあるようですね。
例えばお出かけ先で、小さいお子さまに少しおとなしくしていて欲しいとき、こんなiPhoneアプリはいかがでしょうか。
⇒iPhoneアプリ「えーすほーむずのワクワクぬりえタウン」
このアプリは、エースホーム株式会社様の「ちびっこ一級建築士」キャンペーン用にリリースした無料のぬりえアプリです。同様に、キャンペーンや製品紹介、特にお客様とのコミュニケーションツールとしてiPhoneアプリ活用を検討されている方も多いのではないでしょうか?
今回のコラムでは、この「えーすほーむずのワクワクぬりえタウン」を例に、アプリを開発する際の留意点をまとめました。これからiPhoneアプリでビジネスの展開を考えているという方に、企画から制作、申請迄の流れ等、技術的な部分以外でのiPhone制作のポイントとして参考にしていただければ幸いです。
エースホーム株式会社様は、関東圏を中心とした住宅フランチャイズ企業。
「子育てにやさしい住まい」(cミキハウス子育て総研)プランの認定を記念して、全国の加盟店で子供向けのキャンペーンを実施する事になっていました。
キャンペーンは、お子さまの「夢の家」を絵に描いてもらい、加盟店に絵を持ってきてもらうと、建築士体験やプレゼントなどの住宅メーカーならではの特典をもらえるというイベントです。
ロフトワークでは、コーポレートサイトのリニューアルにあわせ、この秋のイベントにより多くのお子さまに参加頂く仕組み作りをご提案できないか?と考え、以前クリエーターコラボカレンダーを共同で制作した、アプリヤ株式会社のOEMサービスをベースに、ぬりえのアプリをご提案しました。
制作にあたっては、「未就学児でも理解し、誤操作をせずに遊んでもらう」ことにポイントを置き、画面設計と機能実装を行っています。
・感覚的に理解できる画面設計
説明を読めなくても理解できるよう、難しい機能や動きを排除、感覚的に理解できる画面に
・徹底的に“遊んでみる”テスト
・設計を担当していないスタッフに操作を行ってもらい、間違えるところ、迷うところが無いかの確認
(テスト中は、担当ディレクターが昼休み中1時間かけて作った力作「ぬりえ」を他スタッフが誤操作で消すという悲しい事件などが発生していました…)
・検証と改修をくりかえし、誤操作が起こらないデザイン
誤操作が発生したところを検証、操作のうっかりミスをなくすデザインに調整
「えーすほーむずのワクワクぬりえタウン」直観的な操作が可能なデザイン
また、今回の制作で提案をしたアプリヤのOEMサービス、Multi Viewerでは、HTMLのサーバーアップで、コンテンツ部分の更新を行えます。キャンペーンが終了した後のコンテンツ編集もクライアント側で行って頂けるかたちになっています。
アプリヤのOEMサービス概要
Multi Viewerの仕組み
ここで、実制作でどのような作業が発生するのかを図解します。これからiPhoneアプリを作ろうと考えている方は、意外と見落としがちなタスクがありますので、ぜひ参考にしてください。
例:iPhoneアプリ開発スケジュール
作業には、大きく2つの流れがあり、今回は申請作業と制作作業に分けてスケジュールに落とし込んでいます。
1.デザイン、コーディング、ビルド
・企画内容と目的を詰める
・実際の機能と画面デザインの提案
・HTML開発
・HTMLデータをアプリヤに送付、ビルドデータの作成
・ビルドデータを受け取り、実機検証
・テスト、改修
2.Appleへの登録、申請
・iPhone Developer Programへの登録
・会社情報の申請
・Apple Developer Program購入
・ビルド用各種証明書データの用意
・申請作業
アプリ自体の企画や制作・開発面に気がいきがちですが、それ以外の部分で予想外に時間がかかるタスクや、見落としがちな項目が以下の3つです。
・事前に登録作業の時間をしっかり確認する
Appleの登録、申請作業は思いの他時間がかかり、外注する場合にも、自社で対応する場合にも、申請の時間の掛り方、また各登録等の時間がどの程度掛るのかをデベロッパーセンター、有識者に確認し行う必要があります。
(例えば、今回の場合ですと、当初調査していた会社登録の期間は1週間程でしたが、実際にAppleに問い合わせを行った際に、申請量が増加し、2010年9月度で3週間程掛っていました)
*こちらの連載に詳細な解説があります。大変お世話になりました。
⇒gihyo.jpの連載:目指せ!iPhoneアプリ開発エキスパート
・見落としがちな「サポートページ」の作成
Appleに申請を行う際に、いくつか必要項目として、用意する項目がありますが、その中で見落としがちなのが、サポートページの作成。こちらは、申請の必須項目となるので、開発後半~申請迄にWebページを用意する必要があります。
⇒例:ワクワクぬりえタウンのサポートページ
・実機検証のための準備は早めにすすめる
お客様がMac,iPhone,iPadをお持ちの場合でも、実機検証までには長い道のりがあります。
Macのバージョン確認(Mac OS X v10.5(Leopard)以降)、Xcode,SDKの入手と設定。実機検証の準備には時間が掛る場合がありますので、開発と並走して早めに開始いただく事をおすすめします。
どれも事前に理解していれば、スケジュールに盛り込んだり、準備ができる項目ですので、関係者と確認・調整することをおすすめします。
アプリがリリースされ、現在は実店舗でも、子供たちはお父さん、お母さんの手助けなくぬりえで遊んでくれているようです。ディレクターとして制作に携わった私自身も、実際に子供たちが遊んでいるブログの写真を見ると、目がしらに熱いものが…。
制作を手伝わせていただいて、iPhoneアプリは、アイデアとセンス次第で楽しい事を仕掛けていけるツールだという期待を、さらに抱くようになりました。そのために制作側も、新しい情報を貪欲に日々仕入れる必要がありますね。
新たなマーケティング手法として、数多くの記事や出版物で紹介されるiPhone,スマートフォンアプリですが、企画にマッチしたコンテンツを作成することで、ワクワクするビジネス展開を生み出すことも可能です!ぜひ、チャレンジしてみてください。
部署・役職 : クリエイティブディレクター
東京造形大学でグラフィックデザインを専攻し、卒業後、新卒でロフトワークに入社。持ち前のクリエイティビティを活かし、大手コミュニティサイトのコンテンツ制作から、美術館サイトをはじめとした中~大規模サイトのCMS導入、iPhoneアプリの企画制作まで幅広いジャンルのディレクションを手がける。
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