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ブラウザについて考えない日はありません。私たちWebディレクターは、彼らに助けられ、ときに悩まされながら日々仕事をしています。
Windows標準のInternet Explorerがシェアを独占していた時代に比べ、現在ではユーザーが自分の好みにあったブラウザを「選択して使う」傾向が強くなっています。当然のことながらそれらのブラウザにはそれぞれの「個性」があり、私たちは多種多様なブラウザがそれぞれの個性をアピールしあっているブラウザ市場にある種の「人間模様」を見出してしまいます。
職業病かもしれません。
私、前田を中心としたクリエイティブチームは、そんな人間模様を学園モノのドラマに落とし込んでみました。
題して「私立!ブラウザ学園」。ストーリーもイラストもチームのみんなで協力して作成しました。
日々業務に追われるなかで、こんな生産性のないことに労力を費やすを私たちの情熱って一体どこからきているのでしょうか?
それは、ブラウザへの愛。
苦楽をともにしてきたブラウザたちへの愛情を感じていてだければ幸いです。
それでは「私立!ブラウザ学園」どうぞお楽しみください。
ここは私立ブラウザ学園。
山の中腹に位置し、澄んだ空気と緑豊かな環境に恵まれたこの学園で、ウェブの未来を担うべく5人の優秀な生徒たちが日夜勉強に励んでいる。
「えー、先月から言ってあることだが今日から教科書のバージョンが変わる。まず『マークアップ言語概論5』、そして副読書の『言語表現論3』だ。みんな予習はしてきただろうな。言っとくがこれからの世の中、これくらいのテキストを読みこなせないようじゃやっていけないからな。では、授業を始めるぞ。早速1 ページ目から、誰か訳せる者おるか?」
「はい!僕それわかります!今からアドオンインストールしますから!バッチリです☆」
元気よく答えたのは学級委員長の文字羅(もじら)。成績は常にトップクラス。明るく元気のよい目立ちたがり屋である。
その文字羅が黒板で問題を解いているの見て、それよりも早く答えをさらさらっと書いてしまうのは、学園一のイケメン紗波璃(さはり)。 それが終わると、手に持ったリンゴを一口だけかじり、物思いに耽りだす。
「紗波璃クンってさ、そうやっていつも何を考えているの?」
声をかけたのは隣の席の尾辺良(おぺら)。
勤勉で成績優秀、そして無遅刻無欠席の彼は、しかしながら他の生徒たちのような華やかさに欠ける。
「他人と違うこと、ですかね」
「…Think Different?」
「よくご存知で」
一番うしろの席でマンガを読んでいるのが、黒夢(くろむ)。
焼けた肌に派手な金髪、鼻ピ、腰パン。一見するといかにも問題児である。
「黒夢、何をやってるんだ!」
「うわっ!今フツーにビビったから。マジ勘弁してくださいよセンセー。どんだけッスか、どんだけブラクラっすか」
「何を言っておる、早く訳してみろ」
「あ、これ?あーはい、えっとCanvas要素でグラフを描きーの、Video要素はFlash要らず、と…はいこれでいいスか?」
即答である。
「みんな、それなりに勉強はしてきているようだな。じゃあ次のページを、誰かまだ訳していない者…」
先生が言うと、突然、教室の端っこから「アイタタタタタ」という声がする。
相井(あいい)だった。
「先生、おなか痛いんで、保健室行っていいですか?」
「また相井は腹痛か。心配だな。早く病院に行きなさ い」
「いや、そこまでの心配はいりません、大丈夫です…」
「そうか、まぁ無理はするな。じゃ代わりに尾辺良、解いてみろ」
「えっ、はい!っとスタイルシートが…」
先生以外の誰もが相井の仮病を知っていた。
他の生徒たちがすでに帰宅した放課後、尾辺良は図書室での自習を終え、西日の射す廊下を一人歩いていた。
放課後のグラウンドからは野球部のかけ声が聞こえる。
「いち、に、さん、しー、ダブリュー、さん、しー」
教室に戻ると、誰かがまだ残っているのに気付いた。
相井だった。
相井は教室の隅で背中を丸めながら一心不乱に何かを作っている。
「相井クンじゃないか。どうしたの?てっきりもう帰ったのかと…」
「うっさい、近寄るな!ばか!」
声をかけようと近寄った尾辺良を、顔を真っ赤にした相井の手が払いのけた。
その拍子に相井の机から、何かがカタリと音を立てて落ちた。
「これは…」
尾辺良が拾い上げたそれは、不器用にヤスリがけされた角丸だった。
「勝手に見んじゃねーよ」
それを乱暴に奪い取る相井。
「…練習、してたんだね」
「…しょうがねーだろ」
「授業、出ればいいのに」
「授業なんて、もう出ても分かんねーんだよ!!もう生まれつきなんだよ!!どーせいくら勉強したって、この世界にはついて行けねーんだよ、おれなんか!!」
パシン!
尾辺良の平手が相井の左頬を打った。
「そんなことないよ!」
「なんだよ急に!お前になにが分かるんだよ!」
「ボクには分かるよ、相井クンだってやれば出来るってこと!確かに今は不得意な科目も多いかもしれないけど、最近ではタブだって付けられるようになったし、新しい言語だって少しずつ理解してきてる。それに相井くんはまだ自分がどれだけ恵まれてるか分かってないんだよ!僕らがいくら一生懸命勉強して君のようなデファクト・スタンダードになろうとしてもそれは到底無理なことだよ!」
「どうしてそんなにおれに構うんだよ!」
「だって、相井クン。ボクにとっては相井クンかっこいいもん、羨ましいもん。ボクだって本当はキミみたいな人気者になりたいから」
目にうっすらと涙をためながら、尾辺良はつぶやいた。
「好かれりゃいいってもんじゃないよ」
「そんなことない!キミが変わればこの世界は変わるんだよ!がんばろ、今からがんばればすぐ角丸くらいできるよ!」
そこへ、今までのやり取りを陰から見ていた紗波璃と文字羅と黒夢が教室の中へ入ってきた。
「見てましたよ、素晴らしい友情ですね。はい、これ」
紗波璃が差し出したリンゴを相井は受け取った。
「相井、すねてないで俺たちと一緒にがんばろーぜぇー」
黒夢が励ます。続いて文字羅も
「応援してるよ!きみもアドオン入れたらいいんだよ」
「でも、お父様が許してくれっかな…」
「ははは!君らしいや」
紗波璃がカバンからノートを取り出した。
「これ、参考になるか分からないけど、今日の授業、僕ら三人で君用にハックしてみたよ」
紗波璃が差し出したノートを読む相井。冒頭には、<!--[if 相井]>の文字。
「おぉ…読める!読めるぞ!」
「良かったね!これで大丈夫だよ!みんなで一緒にがんばろう!」
文字羅が相井の肩を叩いた。
「あ、そうだ!大事なこと忘れてた!」
何を思い出したか、突然黒夢がカバンをゴソゴソと探り出した。
「あったあった、これこれ。ジャーン!!」
黒夢が取り出したのは何かのチケットのようだった。
「それ、何のチケット?」
相井が尋ねる。
「エイジャックス・ツイン。来日公演、5人分」
「え、でもそれすごい人気でなかなかチケット取れないって噂じゃ」
「カリフォルニアに住んでる俺の親父のコネで5枚だけゲットした。みんなで行こうぜぇー」
「すごい!俺も行っていいの!?」
「あたりまえっしょ♂フーワッ、フーワッ、フーワッ、フゥー!!!」
「なんだよそれ、ふーわ、ふーわ…」
「チゲーヨ!フーワッ、フーワッ、フーワッ、フゥー!!!ほら紗波璃もスカしてねーでやれよ!」
紗波璃は顔を真っ赤にして
「ふーわ、ふーわ、無理です、僕にはできません」
「ははははは、こいつマジ受ける!」
「ははははは」
相井の顔にも久々に笑顔が戻った瞬間だった。
ここは私立ブラウザ学園。 ウェブの未来を担うべく5人の優秀な生徒たちが日夜勉強に励んでいる。
個性豊かなブラウザたちのドラマを楽しんでいただいたところで、彼らの最近の動向を確認してみましょう。
Internet Explorer9のデモサイト
ここ最近、ブラウザ関係で最大のトピックといえばIE9の登場でしょう。
Web標準への対応という点で遅れをとっていたIE系ですが、ついにIE9でそのサポートを強化することが発表されました。また、新JavaScriptエンジンを採用したことにより表示速度も向上するようです。
まだ正式にはリリースされていませんが、仕様の一部をマイクロソフトのデモサイトで体験することができます。
ブラウザシェアを確認するにはNETMARKETSHAREのサイトが便利。ブラウザのバージョンごとの情報やトレンドなどもチェックできます。
NETMARKETSHAR発表のブラウザシェア(2010年4月)
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