Home > ロフトワークの強さ > キーワード・コラム > WebディレクターのためのオープンソースCMS導入Tips 後編
前回のコラムでは、オープンソースCMSはクライアントのどのようなニーズによって選択肢に上がってくるか、そして、提案フェーズにおけるポイントについてまとめました。後編の今回は導入が決定し、さぁ設計、開発!という時に気をつけるポイントを解説します。
さて、では実際に開発に入ったときの注意点を見ていきましょう。この段階で注意すべきは大きく分けると以下の3点です。
・スコープ定義
・機能設計とワークフロー設計
・エンジニアのコミュニケーションスキル
どのCMSの導入においても同様ですが、制作会社が開発に慣れていないCMSは注意が必要です。オープンソースCMSの場合、特に注意が必要なのがエクステンションの活用です。
オープンソースはエクステンションと呼ばれる追加プログラムでどんどん拡張が可能ですし、そもそもベースのプログラムすら変更が可能です。かといってプロジェクト設計時に「なんでも出来ますよ。」では、開発期間、コストともにかなり膨らんでしまいます。結果的に商用CMSのライセンス費用を大きく上回わるコストがかかってしまうことも実際に発生しがちです。
オープンソースを使っているにはそれなりに前提条件に制約があるはずです。要件定義の段階からその前提条件をしっかりと押さえたコミュニケーションを心がけスコープ設定していきましょう。
オープンソースはエクステンション(プラグイン)などの拡張機能が豊富に揃っているケースが多くあります。Joomla!やWordPress, Drupalなどはコミュニティがとても賑わっており、エクステンションの数もかなり膨大です。これがオープンソースを利用するメリットでもありますが、その反面どれが信用出来るものなのかという選定がとても難しくなってきます。
実際に構築しようとすると各エクステンションの制限や、連携問題、クセなどが分かってきてなかなか上手くマージ出来ないという問題も出てきます。UIにおいてもエクステンション毎にメニューの場所や使い方が異なるものもあるため、機能設計とワークフロー設計はある程度期間をとり、一つの機能に複数候補のエクステンションを用意しながら機能を検討し、設計段階である程度柔軟性と選択肢を持った設計をクライアント側・開発側両方で共有し進める必要があります。
ただ、私はオープンソースCMSだからこそ、モジュールの組み合わせを楽しむという姿勢を持ち、機能を取捨選択することが大事になってくると思います。つまり、エクステンションレベルでのカスタマイズは極力行わず基本的にデフォルト機能のまま利用し、それらをどのように組み合わせ使いやすい環境を構築するかに注力すべきだと思っています。このあたりの姿勢についてもクライアント・開発側双方で共有し、協力することがスムーズな開発には欠かせません。
先に述べたように、オープンソースCMSでは情報にムラがあり、責任者がいないため、実際に構築してみないと分からない点も多くあります。それらに対応していくにはエンジニアが如何にそれらのノウハウを取得していくかがポイントとなってきます。最近は随分と本などでも紹介されていますが、基本的にはWeb上のコミュニティやblogから情報を得ていくという方法が主流となります。しかしながら、海外で生まれたCMSであれば、情報のほとんどは英語になってきますし、開発者に直接問い合わせるといった方法も必要になってきます。これはエンジニアの探求心とコミュニケーションスキルが問われるポイントでもあります。
また、制作側・開発側とのコミュニケーションにおいても、ある程度クライアント自らが情報を集め、提案していき一緒に実現方法を考えるという姿勢でないと、多くの情報と選択肢と責任・品質のバランスに埋もれてしまうことになってしまいますので注意が必要です。
さて、オープンソースCMS利用にあたっての注意点をいろいろ書いてきましたが、ディレクターの皆さんの参考になりましたでしょうか?具体的な各ソフトの機能や特徴については、Web担当者フォーラムさんにいい記事がありますのでそちらをご覧ください。
企業で使えるオープンソースCMS一挙12種類解説
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/07/04/3283
オープンソースCMSは世界でも開発が盛んですし、日本でも島根県CMSなどが登場するなど盛り上がりを見せています。また最近ではほとんどの作業をフロントエンドから行えたり、Ajaxを取り入れて感覚的な操作を実現するなど面白いソフトが沢山出てきている楽しみな分野でもあります。ユーザビリティやUIの視点からもWebサービスと同様に注目しておくべきではないでしょうか。オープンソースCMSのほとんどが、オンラインデモが利用出来、実際に管理画面などを見て触れられるものが多いのもメリットです。Open Source CMS Awardなどをチェックしてみると、受賞は出来なかったものの面白いものが沢山ありますよ。
Open Source CMS Award http://www.packtpub.com/award
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