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プロジェクト成功のために — RFPの重要性

2009/05/13 滝澤 耕平  キーワード : 【 Webサイト 】 【 プロジェクトマネジメント

0. はじめに

RFPとは?

みなさんは、「RFP」って聞いたことありますか?
このコラムでは、「RFP」について、以下の3つの視点でお伝えしたいと思います。

・RFPってなに?
・RFPを作成するメリット
・RFPを受け取ったらロフトワークはなにをする?

ではさっそく「RFPとはなんなのか」から見ていきましょう。

1. RFPってなに?

RFP = Request for Proposal

RFP。Web制作の現場で最近よく使われるようになってきたこの言葉。似たような単語がたくさんあって用語を覚えるだけでも一苦労ですが、この言葉は結構重要なので、覚えておいて損はありません。

RFPとは、"Request for Proposal" の略で、日本語ではよく「提案依頼書」と訳されます。

RFPはどんな形式でもかまいませんRFPはどんな形式でもかまいません

では「提案依頼書」とはなんでしょうか。

Webサイトの立ち上げやリニューアルを行おうとする際、成功の鍵を握っている大きな要素は「どの業者に委託するか」でしょう。

一般的に、業者を選定する場合には、何社かに声をかけ、「こういうことをやりたい」という要望を伝えて、企画書や見積もり、スケジュールなどを出してもらい、その中から最も適した業者を選定するという流れになると思います。

ただ、往々にして後々問題になってくるのが「こんなはずじゃなかった」という、クライアントと委託業者との間のお互いの認識のずれ。「サーバの設定もお願いしているつもりだった」とか「コンテンツの原稿は用意してもらえると思っていた」とか、認識のずれが発生する危険なポイントは、いたるところに潜んでいます。

そこで重要になってくるのが、RFP、すなわち「提案依頼書」です。

簡単に言ってしまえば、「提案要望書」とは、「私たちが今回のプロジェクトでやってほしいのはこういうこと」という事項をまとめた文書です。

RFPに記載する項目の例

・プロジェクトの名称
→関係者間で正確に情報を共有するためにも、名前を決めるのは意外と重要です。

・プロジェクトの概要
→今回のプロジェクトの目的や背景、解決したい課題などの概要を記載します。

・プロジェクトの目標
→最終的に達成したい目標、ゴールをなるべく具体的に記載します。

・発注作業の範囲
→成果物(納品物)の定義や、委託業者に依頼したい作業の内容をなるべく詳細に記載します。

・前提条件
→「必ずこの日までには公開しなければいけない」や「コンテンツはこれだけ移行しておかなければいけない」など、絶対に守らなければいけない条件を記載します。

・技術的な要件
→Webサイト制作の場合は、HTMLのバージョンやサーバのスペックなど、技術的な要件が決まっていればそれを記載します。

先ほど、業者の選定をする際には通常、何社かに『「こういうことをやりたい」という要望を伝えて』、見積もりなどを出してもらうというように書きましたが、まさにその「要望を伝える」というのがこのRFPの役割なのです。

2. RFP作成のメリット

とはいえ、要望ならRFPを作らなくてもちゃんと伝えているよ、という方も多いと思います。

実際に私たちも制作のご相談をいただく際に口頭やメールでご要望をいただくこともよくあります。ただ、RFPが重視されているのにはやはりきちんと理由があるのです。

文書化することの大切さ

RFPの一番のメリット、それは「文書化してきちんと残しておくこと」です。

口頭やメールでは、万が一委託業者との間で問題が起こったときに「言った」「言わない」の議論になってしまうこともありますが、要望をRFPとして文書化しておくことで、クライアントとしてはそれが確実な拠り所になるので、委託業者の「聞いていなかった」「知らなかった」は通用しなくなります。

プロジェクトメンバーに同じ方向を向かせる

また、私としては実はこのメリットの方が大きいのではないかと思うのですが、RFPの作成、すなわち「こういうことをやりたい」という内容を文書化することは、とりもなおさず社内でのコンセンサスをとるための非常に有効な手段なのです。

よくビジネス書などには、仕事をする際にアウトプットを意識しなさいと書いてありますが、まさにそれです。

RFPはメンバーの意識を同じ方向に向けるためにも有効

プロジェクト立ち上げの際、おそらく社内でまず「どういうWebサイトにしたいか」という打ち合わせを行うかと思うのですが、その際にただ漫然と意見を出し合うのではなく、「RFPという文書を作成する」という目的があるだけで、メンバーの意識も同じ方向に向き、打ち合わせの効率もぐんと上がるはずです。

そうしてまとまった文書は、委託業者との認識のずれを防ぐだけでなく、社内のメンバー間での認識をあわせるためにも必ず役に立つでしょう。

3. RFPを受け取ったらロフトワークはなにをする?

SOW(作業範囲記述書)の作成

ロフトワークでは、クライアントからいただいたRFPをもとに、通常「見積もり」「スケジュール」「SOW(Statement of Work:作業範囲記述書)」を作成しています。

特にSOW(また英語の略語ですね)は、RFPに対応する文書として、プロジェクトの立ち上げにあたって重要な文書になってきます。

RFPがクライアント側の「こういうことをしたい」だとすれば、SOWは委託業者側の「では、私たちは責任をもってここまでのことをします」に相当します(「こんなことやりましょうよ!」という企画書とはまた別です。SOWについてはまた別の機会に詳しくご説明します!)。

プロジェクト成功のために

どんな仕事でも、複数の人が関わる場合に、メンバー同士の認識をきちんとあわせて、1つのゴールに向かっていくのは簡単なことではありません。

しかし、そのための努力を惜しむと、結局後で苦労することになってしまいます。後になればなるほどその修正は大変になります。

プロジェクト成功のためには、社内外を問わず、最初の認識あわせ、土台作りがとっても大事だと、私は思っています。

滝澤 耕平

執筆者

部署・役職 : チーフディレクター

京都大学卒業後、大手出版社を経て2007年にロフトワーク入社。主に中規模から大規模のCMSサイト構築や、アバター制作をはじめとしたコンテンツ制作・運用も担当するなど幅広いジャンルのクリエイティブディレクションを担当。難易度の高いプロジェクトを手がける一方で、プロジェクトマネジメントや仕事術をテーマとした執筆・講演活動も精力的に行う。2011年、チーフディレクターに就任。ディレクション業務に加え、クリエイティブdiv.全体の牽引役として活躍中。
行政サービス情報の標準化・オープン化を目指す、Web関連13社合同OpenUMプロジェクト副事務局長。

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