「明日の神話」とパブリックアートPMI東京フォーラム2008 レポート

チャロー!インディア展 レポート

2008年11月22日から2009年3月15日まで、森美術館で開催される開館5周年記念展「チャロー!インディア」の内覧会に行ってきました。

チャロー!インディア展
バールティ・ケールさんの作品
▲バールティ・ケール《その皮膚は己の言語ではない言葉を語る》

足を踏み入れてまず感じたのが

  洗練されていてかっこいい!

という感覚でした。

インドという国の印象から、無意識に原始的で雑多な空間をイメージしていたのです。でも実際に私の目の前に現れたのは、黒を基調とした厳かな空間の中に、巨大で神秘的な円と、泣いているかのような宗教的な意味合いを感じさせる象と、そして鮮やかな色彩でつくり込まれた映像でした。

《スーパーノヴァ》
▲バールティ・ケール 《心因性記憶喪失》

《心因性記憶喪失》というこの作品は、インドの既婚女性が額につける「ビンディー」という装飾物でつくられています。今回の展示のために、真ん中から一枚、一枚貼りつけていったそうです。またこの作品のもつイメージを大切にするために「照明だけでなく、壁の色を緩やかに黒から白のグラデーションにし、作品が浮かびあがるように展示してある」と、森美術館に勤める建築家の友人が説明してくれました。

森美術館の企画展は、本当に「プロフェッショナル」です。

この企画展を開催するにあたり、森美術館館長の南條さんやキュレーターの三木さんが何度も現地に足を運び、ギャラリーやアトリエを訪問してひとつずつ作品を選んだそうです。そして「チャロー!インディア=行こうよ、インドへ」というメッセージに集約し、大きく変容しながら異彩なエネルギーを放っているインドへの関心を高める、この企画展をつくりあげていったのです。

作品選択だけでなく、展示する作品の順番、そして展示する壁の色一つとっても、アーティストと協議しながら最適な手法を選び、ひとつの確固たるメッセージを表現していく。

企画展は有名な作品を選んで、運んでくるだけじゃないんだなと、キュレーターという仕事の重みを改めて実感しました。

それ以外にも、素晴らしい作品がたくさんあったのでいくつかご紹介します。

[前編]私たちの姿が
[後編]こんな風に映ります
DSC_0712
これはシルバ・グプタの《無題(シャドウ3)》という、映像作品です。この作品空間に入ると(写真上)、自分のシルエットが映し出されます(写真中)。でもそこにはなぜか自分たちには関係ない不思議な物体のシルエットがくっついています。(左端の人の頭部分や真ん中の人の足元など)

他人のシルエットと接触すると物体はその人に移動してしまいます。こんなことを繰り返しているうちに、少しずつ謎の物体のシルエットが増えていき、私たち飲み込んでしまうのです(写真下)。

私たちが日常生活で物質のやりとりを繰り返し、いつしか物に溢れて身動きとれなくなるような感覚をおぼえました。

インド美術
スボード・グプタの作品もクールでした!ステンレス製お弁当箱をシャンデリアのように天井から吊るした《オーケー・ミリ》とその横に同じ輝きを放つバイク《弾丸》、そしてステンレス製食器を描いた絵画。驚くほどキレイでしょう?


インド美術の素晴らしさとあわせて、森美術館のプロフェッショナルなキュレーションを楽しめること、間違いなしです。もう一度見に行きたくなる、素晴らしい展示内容でした。

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