ケータイゲーム市場は活気に溢れ、日々数多くのゲームがリリースされています。株式会社CyberXは、そんなケータイゲーム市場に新風を送り込むべく、株式会社サイバーエージェントの100%出資のもと、2008年に設立されたアプリ開発企業です。次代を担うソーシャルアプリを生み出すことを目標に掲げる同社では、今回、女性向けゲームを開発することになりました。
ケータイゲームとしての「当たり」を輩出すべく、とにかく多数のタイトルをリリースするのがこの業界の基本と言われています。コンテンツプロデュースの担当者は、新たに女性をターゲットにしたゲームを制作するに際し、その世界観を”花街”に見出しました。
株式会社CyberX
ご担当者様
「接客ロールプレイングゲームが流行の兆しを見せていたことから、同じ系統を踏襲しつつ、新しいセグメントに訴求するゲームをつくろうと考えました。思い浮かんだのは、多くの女性が漠然とした憧れを抱く”舞妓”というモチーフです」(担当者)
そうして生まれることになった、『きらめき舞妓ガール』。プラットフォームは2,000万人(2010年10月現在)の会員を擁するDeNAの『モバゲータウン』です。ターゲットとなるのは、若年層・女性層。十分な会員数を抱えるモバゲータウンですが、”舞妓”というジャンルがニッチである点は不安材料ではありました。
「リアルの舞妓に馴染みのある人はそうそういません。女性向けという枠の中、当初の目標である『100万人が集まるゲーム』に育てていけるかどうか不安がありました。そこでゲーム進行の肝として、『きらめき舞妓ガール』にはアバターを導入することにしたのです」(担当者)
着物をはじめ、かんざし、扇子、三味線、置屋の背景……etc.
随所に投影される花街の艶やかな世界観は、それだけでアバターとして楽しめる要素が満載です。「着物や小物をしっかりデザインすれば、PCと比べて小さいモバイル画面でも、一般のアバターサービスと一線を画すことができる」と考え、アバター制作実績のあるロフトワークにデザインを発注することにしました。
『きらめき舞妓ガール』の進め方は、プレイヤーが舞妓になって三味線などのお稽古を重ね、接待スキルを高めていくというもの。お座敷でうまく接待していくと、お客さんが顔なじみになったり、大物客のひいきがついたりして、舞妓としてのレベルが上がっていきます。一般的な接客ゲームよりもアバターの重要度が高く、新しい服飾品やメイク(顔パーツ)、髪型などを身につけることで、お客さんの満足度が向上していく仕組みです。
「アバターデザインのテイストは、『女性誌の挿絵のようなイメージで』と依頼しました。女性に好まれ、かつ既存のアバターキャラクターに似ていないデザインがほしかったのです。
最初のリリースまでに大量のキャラクターイラストを作る必要があり、その制作を数名のデザイナーで分担してもらうことになりました。ただ、実際にデザイナーに描いてもらったところ、やはりそれぞれの作風・個性というものがあり、ひとつのゲームとして見た際に統一感が欠ける恐れを感じました。そこで、テイストを揃えるため、ひとりのデザイナーの作画を基準として、塗りなどのガイドラインを途中から設けてもらうことにしました」(担当者)
制作用ガイドラインで、制作仕様を細かく規定
「レイヤーや描き込み、表現の技術など、アバターの世界には独特のノウハウが存在します。サイバーエージェントはアバターコンテンツの成功事例を有していますが、当社はアイコンとしてのアバターしか制作経験がありませんでした。アバターがメインとなるゲームの開発において、これらのノウハウをロフトワークが提供してくれたこと。それが最大の安心材料になりました」(担当者)
リリースから2ヶ月。人気の高いアイテムは、”華やかな色のもの”。
『きらめき舞妓ガール』の中の舞妓は、プレイヤーが自分の理想を投影して着飾ることができます。日頃はなかなか着られない、好きな色のアイテム・個性的な和装に身を固めるチャンスということもあって、パーツは渋いものから思い切った派手なものまで、揃えるようにしています」(担当者)
完成した「きらめき舞妓ガール」アバターと男性イラスト
『モバゲータウン』は仮想空間の色が濃く、日常生活とは異なる世界で、純粋にゲームを楽しむことができます。個性のおもむくままにゲームを堪能できるのが、ユーザーにとって嬉しいところ。それだけに、ゲームも魅力的なら遊んでもらえますが、飽きられればすぐに忘れられてしまいます。
「アバターアプリにおいて、第1弾リリースのアバターは、ユーザーの期待値を左右する重要なファクターとなります。キャラクターの造型や服、小物などのデザインが魅力的でなければ、その後いかに挽回を図っても、ユーザー数は伸び悩みます。『きらめき舞妓ガール』では、そんな第1弾でのクオリティが素晴らしかったので、明るいスタートダッシュを切ることができました」(担当者)
『きらめき舞妓ガール』のユーザー数は、わずか2ヶ月で20万人を突破。モバゲータウンの人気アプリのランキングでは、常時20位以内の上位ランクインを保持しています。
「リリース当時(10月)の目標は、たしかに100万人規模のゲームでした。でも、当社はすでに他のタイトルでその目標を達成しており、これからはもっとたくさんのユーザーに遊んでもらえるタイトルを目指さなければなりません。メディアのプラットフォームをまたがずに100万人を超えるのは難しいことですが、『きらめき舞妓ガール』が業界を牽引するくらいのゲームに育つためには、さらなる創意工夫が必要です。とにかく、まずは100万人を目指したいですね」(担当者)
将来的には海外進出も果たしたいという『きらめき舞妓ガール』。世界に出る前に、日本でナンバーワンと認められるコンテンツに育てていきたいとのこと。たくさんの人に楽しんでもらえるようにするための課題は山積しています。
「今は、接客してお客さんを増やすというゲーム性はありますが、手塩にかけた舞妓アバターを自慢する機会がありません。また、男性ユーザーも楽しめる遊び方の企画など、より一層、多様な楽しみ方を提供するためにも、もっと色々なことを模索していきたいです。花街という舞台の上で、アバターだからこそできること。”舞妓ゲーム”の成功基盤を築き、利潤のシステム化を図るのが今の目標です」(担当者)
『きらめき舞妓ガール』の世界は、まだ始まったばかりです。

アバター制作のノウハウ、素晴らしいデザイン力、制作スピード。ロフトワークに依頼できて良かったです。『きらめき舞妓ガール』のアバタークオリティは、社内でもとても好評です。今後、新しいアバターコンテンツを作る際には、今回のデザインや仕様を目標値にしていくことになりそうです。
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