メールのコミュニケーションをぐっと多彩にしてくれるデコメール。インターネット・サービスプロバイダー@niftyが運営する「@nifty デコゲット」は利用者数約80万人、デコメ素材総数約400万点を抱える日本最大級の無料デコメサイトです。
「@nifty デコゲット」内には「デコジマ」というサービスがあります。今回ロフトワークは、この「デコジマ」で栽培される種のFlash、通称“野菜Flash”の制作を担当しました。
ニフティ株式会社、モバイルビジネス部の井上真央氏は、デコジマのコンセプトをこう語ります。
「デコゲットのユーザーに最適なソーシャルゲームは何だろうと考えたときに、バトルや競争系のものは選択肢から外しました。やはり、20〜30代の女性というターゲット層からして、かわいいというのはひとつ大きなキーワードです。そして、アバターゲームの「デコペット」がすでに「デコゲット」内にあることや、他ソーシャルゲームなどのトレンドもふまえつつ、野菜の育成系がいいのでは、というアイデアからのスタートでした」(井上氏)
デコジマユーザーは、「島」と呼ばれる空に浮かぶ自分の土地で好きな作物を育て、収穫することができます。そして、作物を収穫するたびにポイントがたまり、経験値が上がっていきます。
同じくモバイルビジネス部で、今回の案件を井上氏とともにマネジメントしてきた新沼聖一氏は、一連のやりとりについてこう話します。
「今回は、もともとデコジマで遊んでいただいている方にもっと遊んでいただくための種づくりでした。ロフトワークのディレクターは、育ててみたくなるアニメーションのコツなど、クリエイティブのことをとてもよく理解してくださっていたので率直なコミュニケーションができました」(新沼氏)
ロフトワークが制作したデコジマに登場する種、そしてそのアニメーションは独特のユーモアセンスを持っています。それは個性的なかわいさや、シュールな笑いを誘うものなど実に様々です。自分だけの嬉しさを与えてくれたり、ユニークな笑いのツボを刺激すること、それが愛着であり、育ててみたい・集めたいと思わせる大切な要素なのです。制作サイドであるロフトワークにとっても、そのセンスの共有は最重要課題でした。
「たとえばゴーヤチャンプルーが土から生えてくる、というようなアニメーションを真面目に作るのは、難しいところがあると思うんです(笑)。でもそれがデコジマのテイストなので...。ロフトワークは、そういった部分への対応が素晴らしかったです。こちらがコンセプトをお伝えして、分からない場合はディレクターさんからイラストが送られてきて、確認しながら作業を進めていただきました」(井上氏)
こうしてロフトワークとの間でセンスやコンセプトが次々と共有され、多くの種が生まれていきました。その中でも、“ご当地種”では、抜群のコンビネーションが発揮されました。
「デコジマは”島”を移動させて日本中をどこでも旅することができます。なので、ご当地要素を入れていくと変化がついて飛びついてもらえる可能性も高まります。植物以上に成長過程が楽しみですし、収集したくもなります。最近だと、わんこそばは、けっこう人気がありました。三重の松阪牛にいたっては、まず牛が出てきて、それが切り身の肉になり、さらにそれが焼けるまでが成長過程になります。これはかなりシュールですよね(笑)互いにそういうテイストが好きでないと作れないと思います。お好み焼きでのやりとりにいたっては、“もうちょっと焦がしてください”、“ソースの量ももう少し多く”といった、かなりマニアックなのですが(笑)こうした細部への作り込みが何よりも大切です」(井上氏)
「デコジマ」の世界観はこうした、自分だけがクスっと笑えるようなシュールギャグが愛着を生む上で大きな要素となっているのです。とはいえ、最終的な可愛さを大切にしなければならない。人魚姫の種というものもビジュアルの良さで発案されましたが、バッドエンディングになってしまうので却下せざるを得なかった、などの試行錯誤もあったといいます。
「デコジマ」は携帯専用のコンテンツであることから、Flashの容量にも気を配る必要があります。いかにセンスのよいアニメーションがつくれても、それを小さなサイズに収める技術力がなくてはなりません。そうしたミニマムなクリエイティブを手がけたロフトワークについて、新沼氏はこう語ります。
「アニメーションなら2KB以内、静止画なら1.2KB以内ほどのミニマムサイズです。それゆえ、それが何の種なのかがパッと見てわかる特徴をそこに反映するのは、高い技術力が必要です。スイカのように大きなものならば難しくないのですが、ナスのように小さくて多く実るものは、それをナスに見せるのがなかなか難しいのです。ロフトワークとは、何度かやりとりをしてるうちにディレクターの方もかなりコツをつかんでいただいていたので、楽に進めることができましたし、完成度もどんどん上がっていったと思います」(新沼氏)
容量的に厳しいものについては、ロフトワークから代替案を提案しながら制作を進行することで、制作と企画がうまく同調してゆきました。デコジマは今後課金ベースで展開していくということもふまえ、クオリティーを上げていきたいというのは継続的な課題だそうです。今回のように、企画と制作が良好なパートナーシップを築けたことは、大きなアドバンテージだったといいます。
これからも引き続きアイテムの追加も検討中とのこと。人気アイテムなどユーザーからのフィードバックも盛り込みつつ、デコジマの世界観はどんどん拡大していきます。

デコジマは、プレイする側も、制作する側にも、独特なユーモアセンスを必要とします。そうした現場で、何度も期待に答えていただきました。ロフトワークにお願いできて、本当に良かったです。これからはどんどん、企画にも入ってきていただきたいと思っています。

ロフトワークのディレクターは、育ててみたくなるアニメーションのコツなど、クリエイティブのことをとてもよく理解してくださっていたので率直なコミュニケーションができました
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