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アジア初のイベントの成功に向けて、幅広いターゲット層へのアプローチを強化。
| 導入サービス | 【 ロゴ制作 】 |
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| キーワード | 【 プロジェクトマネジメント 】 |
日本国内でも、クリエイティブ・コモンズの活動が各方面から注目され始めています。今回は、7月に控えたアジア初の国際会議「iSummit’08」に向けて、ロフトワークが担当したロゴおよび広告制作のプロジェクトについて、NPO法人であるクリエイティブ・コモンズ・ジャパンのご担当者にお話を伺いました。
インターネット上で誰もが自由に情報を発信したり、取得したりできる時代に、デジタルコンテンツの流通ルールが改めて見直され始めています。2002年、米国で発足したクリエイティブ・コモンズは、知的財産の保護を図りつつ、デジタルコンテンツの積極的な流通を促進することを目的に活動する非営利団体です。作品の提供者と利用者が互いにハッピーになれるようなルールづくりを進め、インターネットが普及した現状に即した、新しい著作権のあり方を追求する団体と言ってもよいでしょう。
実際、自分の作品を「もっと多くの人に自由に使ってもらいたい」、あるいは「できるだけ多くの人に知ってもらいたい」と考えるクリエイターは多いはず。一方、利用者からすれば、オリジナリティにあふれた魅力的な作品を、もっと自由に、かつ効果的に活用できれば・・・と考えるのは当然です。しかし、著作権法でがんじがらめにされた途端に、作品の流通範囲は自ずと狭まってしまいます。クリエイティブ・コモンズ(以下、CC)はこの点に着目し、より柔軟な著作権ルールを定義できるライセンスを提供することで、双方の思いに応えることを可能にしたのです。
今やCCは国際的組織へと発展し、その動きは世界中の注目を集めつつあります。日本でも2004年より、法律家が中心となって活動を開始。2007年7月には、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(以下、CCJP)として正式にNPO法人の認可を受けました。同団体の理事および事務局長を務める弁護士の野口祐子氏は、国内の現状を次のように語ります。
「インターネットに限らず衛星放送なども含めて、少しずつですが、デジタルコンテンツの著作権について関心が高まってきているようです。CCJPへの問い合わせも増えています。いかに上手に普及を図っていくかということが、いよいよ重要な課題になってきたなという印象ですね」。
そんな中、CCJPは、今夏に大規模なイベント「iSummit’08(アイサミット)」の開催を控えています。iSummitは、年に一度、CC関係者やオープンな情報流通を応援する人たちが一同に会する国際会議。200〜300名が世界各国から集まってきます。今年で3回目を迎えるこの iSummit’08が、2008年7月29日〜8月1日までの4日間、なんとアジアで初めて、しかも札幌市で開催されることになったのです。
2006年3月に「sapporo ideas city(創造都市さっぽろ)」宣言を行い、クリエイティブ・デザイン産業の振興に積極的に取り組んでいる札幌市にとっても、iSummit’08は一大イベントです。開催に向けては、札幌市も全面協力の体制で臨んでおり、現在、CCJPと連携しながら着々と準備が進められています。
「従来、我々の活動に興味を持ってくださっていたのは、もともと著作権に興味のある学者など、比較的専門家の方が多かったんですね。でも、最終的には、クリエイターや、コンテンツを利用してくれる一般の方々がピンとくるような説明をしていかないと、いつまで経っても我々の本来の使命を果たすことはできません。iSummit’08は、活動に深く関わっている人だけでなく、CCについて “今まで聞いたことがない”とか“考えたことがない”人たちにも参加してもらえる場にしたいと考えています」と野口氏。
難しいのは、いかに彼らの興味を喚起するかです。興味のない人たちを振り向かせるのは、決して容易なことではありません。また、どんなに熱意を持って説明しようと、なかなか伝わらないこともあります。つまり、企業が製品やサービスをアピールするのと同様に、より広い層にアプローチするためには、単純に“面白そう”とか“かわいい”というところで興味を持ってもらうことも大切だということです。
野口氏が「視覚的に訴えることの重要性についても考えるようになりました」と語るとおり、今回のiSummit’08のロゴや広告の制作を通じて、このことに気づかせてくれたのがロフトワークだったといいます。
ロゴマークは開催国が作成するのが慣例となっており、開催地となる札幌市が制作を担当。既に、アイヌの伝統的な文様をあしらったロゴマークが完成していました。しかし、ロゴマークと組み合わせるタイポグラフィーまではデザインされておらず、思い思いに文字を配置したものが、そのまま各方面へと露出し始めていたのです。
たまたまこれを目にしたのが、CCJPのアドバイザリー・ボードを務めるロフトワーク取締役の林でした。「イベントを盛り上げていくためにも、トータルのデザインとして完成されたイメージで統一を図りましょう」とのアドバイスがきっかけとなり、ロフトワークにタイポグラフィの制作を依頼。ロフトワークはロゴマークのコンセプトをはじめ、タイポグラフィに盛り込む要素、色などの要望をヒアリングした上で、ロゴマークとタイポグラフィの組み合わせを3案提出。 2週間という短期間でレギュレーションの作成までを担当しました。
iSummit’08には、主催者であるiCommonsをはじめ、札幌市、CCJPなど複数の関係者が関わっており、それぞれの立場で意見も要望も異なります。当然、すべてを反映するわけにはいきません。「ロフトワークには、いろんなアイデアを出していただきつつ、みんながハッピーになれる的確な落ち着きどころを探していただきました」と野口氏は振り返ります。さらにロフトワークは、プレスリリースやプレゼンテーションなどに使用する共通テンプレートの作成を提案。こうした提案は、手作業で活動してきたCCJPにとって貴重であり、新しい概念の普及を目指す上でも欠かせません。
「iSummitは国をまたがっての活動ですから、各自が自分の思いで進めてしまうとイメージの統一が図れません。提案を受け、ロゴをバランスよくはめ込んだテンプレートを作るだけでも統一感が生まれ、なるほど、見る人にもプロフェッショナル感が伝わるのだということを理解しました。そもそも我々はボランティアの集団です。PRの専門家がいるわけではありませんから、効果的な広報活動のあり方も含めて、経験のない私たちをサポートいただけるのが大きいですね」(野口氏)。
一方、「さっぽろ雪まつり」のチラシに入れる広告も、入稿まで1週間という短期間のプロジェクトでした。制作を担当したロフトワークのディレクターは次のように語ります。
「お客様から提示されたラフ画をもとに、最低限網羅すべき要素を抜き出してクリエイターに伝えました。また、クリエイターのオリジナリティを活かすために、できるだけ自由に描いてもらうように心がけました。とにかくスピード勝負でしたから、お客様からのヒアリングを徹底しつつ、クリエイターとは電話で密にやりとりをしたことで、スムーズに進行できたと思います」。
限られた時間の中で満足度の高い広告を実現できた理由について、野口氏はこう分析します。
「“できるだけでも奇跡”というタイミングでの依頼でしたが、私たちの活動やコンセプトをよく理解しているクリエイターに声をかけていただいたことで、安心してお任せできました。土壇場までいろいろな要望が上がってきて大変なクライアントだったと思いますが、手際よく対応していただき助かりました」。
完成した広告は、デジタルな世界を表現するコンピュータや、創作活動をイメージさせるキャンバス、さらには北海道を象徴するメロンやマリモなども登場し、見る人の心を温かくしてくれる楽しいものになっています。カメラを構える人の腕に「ART IS LIFE」のタトゥが入っているところなどは、まるで小さな発見に目を輝かせてくれる人を待っているようで、クリエイターの思いが伝わってきます。
今回の一連のプロジェクトを通じて、ロフトワークを高く評価する野口氏。そのポイントは、仕事の質だけではありません。他社にはない魅力を、野口氏は次のように説明します。
「常に、CCJPの活動や考え方をよく理解した上で、自分たちに何ができるかを考えてくださる。そして、何よりもクリエイターの層が厚い。しかも、クリエイターの特性を熟知した方がコーディネートしてくれます。次のステップで別のアプローチを考える際にも、問題なく対応していただけるという安心感があります。私たちのように、ターゲット層が広い場合にはありがたいですね」(野口氏)。
さらに、「ロフトワークとのパートナーシップには、仕事を超えた部分で新しい可能性を感じています」と野口氏。そもそもCCの活動の大きな目標は、世の中のクリエイターが楽しく、しかも高いモチベーションを維持しながら創作活動を続けられる環境を整えること。その意味でも、巨大なクリエイター集団を抱えるロフトワークとの情報交換を通じて、貴重なインスピレーションを得ることは多く、今後はクリエイターを集めてのワークショップの開催なども検討されています。
「今の法律が最終解ではないですし、CCの活動も発展途上であってパーフェクトな解ではありません。ロフトワークには、引き続きプロモーション活動をサポートしていただくだけでなく、インターネットにおけるクリエイティブの未来を一緒に考えていける存在として期待しています」(野口氏)。

“できるだけでも奇跡”というタイミングでの依頼でしたが、私たちの活動やコンセプトをよく理解しているクリエイターに声をかけていただいたことで、安心してお任せできました。
ロフトワークのCreative Commonsに関する取り組みはこちらをご覧ください。
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