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世界30ケ所に広がるネットワークを持つ大手旅行会社の株式会社ミキ・ツーリストでは、個人向けヨーロッパ旅行の集客を目的とした案内サイトにCMSを導入し、頻繁な更新作業の大幅な効率化を図りました。一本の問合せ電話をきっかけに始まったロフトワークとのプロジェクトについて、ご担当者様に伺いました。
日本で海外旅行が自由化された3年後の1967年。ビートルズが活躍していた当時のロンドンで、ミキ・ツーリストは「日本人のために、日本人により、旅のお世話をする」ことを目的に創業されました。以来40年余、「安心して旅ができる」サポート体制と「新しい旅先づくり」を積極的に推進。魅力ある海外旅行商品を主に旅行業者向けに販売する、いわばB2Bの旅行会社として成長を続けてきました。
そんな同社が、個人旅行者を対象に新ブランド[みゅう]を立ち上げたのは1991年。国内外の[みゅう]インフォメーションセンターやウェブサイトを通して、個性豊かな個人旅行を提供して人気を集めています。「[みゅう]は、季節に応じた個人のヨーロッパ旅行商品をご紹介し、同時にお申込もしていただける海外旅行サイトです」と、[みゅう]の販売とサイト運用を担当している舛田加代子氏。
旅行商品は情報がめまぐるしく変わるため、非常に更新や修正が多いといいます。中でも、「一年中頻繁におこなわれる航空運賃やサーチャージ料金、ホテル代金などの変更は、即座に対応しないとそのまま売上げに影響するので、更新のタイムラグは大きなストレスでした」と舛田氏は語ります。それというのも、[みゅう]の制作は複数の外部業者任せになっており、ミキ・ツーリスト側から出された情報が、サイト上にコンテンツとして反映されるまで3~4週間もかかるのが通常でした。時間だけでなく、更新の度に発生する費用も大きな問題でした。
さらに、長年かけてツギハギするように広げてきたサイトは、ユーザビリティが悪いだけでなく、リンク切れも数多く発生。売上げへの影響が指摘されていました。「なんとかしたいという声はあったのですが、では具体的にリニューアルするという動きにはなかなかなりませんでした」と舛田氏は振り返ります。
株式会社 ミキ・ツーリスト 営業本部
櫻井 実様
そんなとき社内でブログ風の新サイトを立ち上げる計画が持ち上がり、櫻井氏がアサインされたのです。櫻井氏は、個人的にホームページやブログを作った経験から、そのサイトをCMSで構築しようと考えました。CMSなら更新も楽でスピーディーだと考えたのです。「社内にCMS導入を提案したところ、そんな便利なものがあるなら、この際会社のホームページと[みゅう]もすべて一気にCMSでリニューアルしようということになったのです」と思わぬところから、[みゅう]のリニューアルが一気に動き出しました。
CMSツール選定のため各種セミナーに参加した櫻井氏が興味を持ったのは、セミナーで知ったベネトンのウェブサイトでした。櫻井氏は詳細が知りたいと開発に携わったロフトワークに電話を入れたのです。「すぐに伺いますと、役員の方が飛んできてくれ、かなり時間をとって懇切丁寧に色々教えていただきました」と櫻井氏はいいます。
実は売り込みも含めて、何社かの提案を聞いたものの、いずれも旧サイトの枠を出ないものばかり。「その点、ロフトワークは違っていました。単なるウェブ制作の会社ではなく、プロジェクト案件ごとに最適なクリエーターを起用しプロジェクトを進めていく、プロジェクトマネジメントに秀でた会社であることが、パートナーとしてロフトワークを選んだ大きな理由です。」と櫻井氏はいいます。
2008年5月、[みゅう]のリニューアルプロジェクトがいよいよスタートしました。ミキ・ツーリストからロフトワークの担当者に伝えられた一番の要望事項は、更新タイムラグの解消と、運用コストの圧縮でした。お客様に伝えたい情報をできる限り早くサイト上に反映できること、しかもできるだけ費用を発生させないでということです。
CMSの導入は当初から決っていましたが、ツールを何にするかは未定でした。海外旅行サイトとして、今後もどんどんコンテンツが増えていくことや、その際の運用負荷をできる限り軽減することを考慮して、ロフトワークの担当ディレクターは、CMSにWebRelease2とphpの組み合わせを選択して提案しました。導入によって、下記のようなさまざまなメリットがあると考えたのが、その理由でした。
株式会社 ミキ・ツーリスト
[みゅう]インフォメーションセンター
舛田 加代子様
・ネットの知識が少ない担当者でもブログ感覚で簡単に更新できる
・テンプレートに制限がなく海外旅行サイトにふさわしい
デザインや見せ方が可能
・日常の運用負荷を最小限に抑えることができる
・手動更新では防ぎきれないリンク切れが解消できる
このように、WebRelease2とphpにより、リニューアル前の[みゅう]が抱えていた課題のほとんどが解消されるのです。
ミキ・ツーリスト内には特定のウェブ担当者はおらず、こうした大掛かりな企業サイト構築に携わるのは初めてのこと。そこで担当ディレクターは、お客様の目線に合わせた綿密なコミュニケーションを心がけました。何かあれば、直接膝を突き合わせて話を進めていったのです。
同時に、社内の啓蒙も重要な仕事のひとつでした。CMSの経済的効果をいち早く高く評価した経営陣を除けば、その時点では「CMSって何?」というのが、社内の一般的な反応だったからです。今後自分たちで更新作業を行っていくことを含め、社員のみなさんのCMSへの理解を得ることは、初期段階で重要な課題だったのです。リニューアルの作業を進める一方で、社内説明会を何度も開き、CMSへの理解を深めていきました。
▲ロフトワークが作成を徹底した仕様書
5月にスタートして8月中には完成という限られたスケジュールの中で、まずは徹底した仕様書作りに充分な時間が充てられました。「プロジェクトを進める中で、いかに仕様書が重要なものか理解できました」と櫻井氏は振り返ります。当初は、こんなことになぜこんなに時間を割くのか理解できませんでしたが、仕様書で徹底的に詰めておけば、後の作業がスムースであることがわかり、ロフトワークのプロジェクトマネジメントの良さがわかったといいます。
開発の過程でミキ・ツーリスト側から、CMSで簡単に更新できる料金表を実現してほしいとの要望が出されました。「料金表は年に何度も変更される上、一日も早く、しかも正確に更新しないと、売上げに即座に影響するため、我々にはもっとも重要なものです」と舛田氏が訴えました。それも、従来からの業務フローを変えないために、料金表のデータをそのまま流し込めるようにしてほしいというものでした。
▲CMSにより実現した表組み
実は、これはCMSでは実現難易度の非常に高い要望でした。担当ディレクターは、一度は不可能ですと答えたものの、なんとか解決できないかと密かにチャレンジ。その結果、テキストデータを流し込むだけで料金表ができあがる表現が実現したのです。「あれはほんとうに助かりました」と舛田氏はいいます。
さらに担当ディレクターは、同じテンプレートを使って、サイトをいかに違うトーンに見せるかという工夫にもチャレンジしました。同じテンプレートで生成したページで、画像やメニュー項目、ベースカラーなどを自由に変えられるようにしたのです。これによって、これまでのようにウェブデザイナーに頼らなくても、社員の方がページの内容に応じたバラエティ豊かなサイトデザインを生成できるようになったのです。
お客様の立場に立って、何を求めていらっしゃるか、何を実現すれば喜んでいただけるか、そうした要望を最新の技術とこれまでの経験を活かして実現に導くことで、ロフトワークはお客様が望んでいる「自分たちで、思うときに、思うように更新できるウェブサイト」を実現したのです。
▲完成した[みゅう]個人旅行で行くヨーロッパのサイト
9月1日、リニューアルした[みゅう]サイトが公開されました。[みゅう]ブランドの旅行商品を販売する舛田氏の部下11人が自分たちでコンテンツを作りあげたサイトです。ヨーロッパの写真をふんだんに取り入れたおしゃれなデザインは、プロのデザイナーが作ったかのような見事な出来栄えです。
「一カ月過ぎてなんとか慣れてきました。最初はバナーも思うようにできなかったのが、少しずつ上達してきて」と舛田氏は微笑みます。とにかく今は軌道に乗せるのに精一杯。売りたいものはいくらでもあるので、それをどうやって出していくかだと、今後に期待を寄せます。
櫻井氏は、プロジェクトマネジメントに特化したロフトワークのやり方がよかったと、プロジェクト全体を振り返ります。「こうしたプロジェクトは遅れるのが当たり前などとよく聞きますが、スケジュール管理ですとか、やっていいことと悪いことがはっきりジャッジできて、プロの目から我々にわかる説明をしていただけたというのがすごく大きかった。非常に分かりやすかったですね」。
さらに櫻井氏が期待しているのは、今回のリニューアルに際して導入したアクセス解析ツールによる成果だといいます。「アクセス解析を参考に、見たいもの、売りたいものを自由に動かして掲載するといったことが、今後はできるようになります」と抱負を語ります。それができるのも、今回CMSでリニューアルして、かつアクセス解析ツールを導入した大きな効果。ロフトワークは、満足いただけるサイトリニューアルをお手伝いすることができました。

専門的なことはわからないので、ロフトワークさんにはずいぶん無理なこともお願いしたと思いますが、とくに最重要ポイントだった料金表など、いずれも叶えていただけて、運用面でほんとうに助かりました。更新のタイムラグも解消し、経費面でも大いに下がってCMS導入の効果を実感しています。

ロフトワークのプロジェクトマネジメントに特化したやり方は、スケジュールも予算もたいへんわかりやすく安心できました。CMSツール選定に際しての提案も的確でしたし、すべてを懇切丁寧に詳しく教えていただき、サイトに関して総合的に見ていただけて非常に助かりました。
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