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私たちの暮らしは、さまざまな物質からできた材料に支えられています。社会の発展は材料の進歩とともにあったと言っても過言ではありません。さらに現在は、地球規模で深刻化する環境問題の解決にも、材料が大きく貢献しようとしています。こうした次世代を革新する最先端の物質・材料研究を専門に行うのが、独立行政法人物質・材料研究機構(以下、NIMS)です。
「当機構は、単に物質・材料研究を推進するだけでなく、研究成果の普及と活用の促進、NIMSの施設や設備の共用、研究者・技術者の養成もミッションとしています。“使われてこそ材料”ですから、多くの人たちにNIMSの活動を知っていただくことが重要です。その意味で、Webサイトによる広報活動にも注力してきました」と語るのは、NIMS企画部 広報室 室長の兵藤知明氏です。
しかし、HTMLベースでの更新作業を続けてきたWebサイトは、運用面での限界を迎えつつありました。30以上もの研究ユニットからの掲載依頼に広報室の担当者2名で対応しており、情報発信力の強化や、デザイン的な統一感の維持、アクセシビリティやユーザビリティの改善といった課題を認識しつつも、着手する余裕などありませんでした。
公式Webサイトの企画・管理担当の荻野寛氏は、「国際的な機関を目指していながら、英語ページの更新に時間を割くこともできずにいました。課題を抱えたままの運営は機会の損失につながると考え、CMS導入を前提としたWebサイトのリニューアルを所内に提案しました」と説明します。
独立行政法人物質・材料研究機構
企画部 広報室 室長
兵藤 知明氏
CMSに着目したものの、所内には導入の経験者がいません。また、公開予定日が早まり、3ヵ月を切るタイトなスケジュールの中で、初めてのCMS導入プロジェクトを大過なく完遂する必要もありました。そこでNIMSは、公募により、複数の制作会社からCMS導入も含めた提案を受けたのです。
審査の結果、「費用対効果の観点から、比較的安価に導入できて追加コストがかからないCMS製品(WebRelease 2)を提案いただいたこと。その導入経験が質および量ともに十分であることなど、総合評価でロフトワークに決めました」と荻野氏。さらに兵藤氏が、「プレゼンテーションが非常にわかりやすく、当機構の業態や特徴などを事前に勉強し、よく理解した上で臨まれていることに感心しましたね」と付け加えます。
▲運用のしやすさにこだわったテンプレート仕様
CMSの管理対象となる既存サイトは1,000ページを超えるため、NIMSはまず、所内の関係者を集めた委員会を結成し、情報設計に関する要求事項を検討・整理。その決定内容を受けて、ロフトワークが仕様に落とし込んでいきました。両社が特にこだわったのは、誰でも簡単に操作でき、運用しやすいテンプレートです。入力要素を極力減らしたり、入力が必要なエリアをまとめて配置したり、入力欄に注釈を付けるなど、管理画面には細やかな配慮を施しました。
また、サイト内リンクの充実化を図ったり、プレスリリースなどの研究成果情報と研究ユニット情報を自動的に紐付け、研究成果情報の一部を各研究ユニットの概要ページに引用表示させたりと、情報を効果的に活用する仕組みを組み込んだ点もポイントです。
独立行政法人物質・材料研究機構
広報室 広報チーム
荻野 寛氏
国際化を目指すNIMSにとって、英語ページの拡充も課題でした。ロフトワークは、限られた期間内で英語ページにも対応するために日英双方のページで効率よく運用・管理できるテンプレートを開発。各ページに対応する英語ページがある場合はサイトのヘッダ部分に「English」と表示されるようになっています。さらに、複数の多言語サイトをCMSで構築してきたナレッジを生かして、既存サイトからのコンテンツ移行も他の作業と並行しながら効率的に進めていきました。
「テンプレートの仕様を詳細まで理解して頂けたことで、細かい認識のズレを防ぐことができ、非常に効率的に進行することができました。」とロフトワークのディレクター。
荻野氏は、「この手のプロジェクトでは、たった1つの判断ミスやクリティカルパスの遅延がプロジェクトの破たんにつながる可能性もあります。ロフトワークは我々の変更要求に対し、その実現性、想定されるリスクおよび効果を検討した上で選択肢を提示してくれるなど、厳しい制約の中でも柔軟に対応いただき非常に助かりました」と評価します。
リニューアル後、各研究ユニットによる更新作業は順調にスタート。業務の効率化と情報発信の即時性が実現し、アクセシビリティやユーザビリティについても、全ページで一定レベルのクオリティが担保されるようになりました。その成果を裏付けるように、PVは前年比で20~30%程度上昇、訪問者数の増加や回遊率の向上も顕著に見られています。
▲完成したサイト。日本語・英語サイトを同時に公開
一方、属人的なHTML制作作業が大幅に軽減されたことで、広報室では、本来の広報活動の強化に向けて、企画・戦略業務に注力する余裕が生まれました。Webサイトを活用し、イノベーションの担い手となる企業や学生をはじめ、研究成果に注目する世界中の人たちにNIMSをどうアピールしていくべきか。この点に集中できるようになったことは、長期的に見ても歓迎すべきことでしょう。
CMS導入によって“進化し続けるWebサイト”を手にした今、早くもその強みを実感しつつあるNIMS。「ロフトワークには、さらに我々を“わくわく”させてくれるようなインパクトのある提案を期待したいですね」とエールを送る兵藤氏の目も、一段と輝きを増しています。

プレゼンテーションが非常にわかりやすく、当機構の業態や特徴などを事前に勉強し、よく理解した上で臨まれていることに感心しました。今後はさらに、我々を“わくわく”させてくれるようなインパクトのある提案を期待したいですね。

この手のプロジェクトでは、たった1つの判断ミスやクリティカルパスの遅延がプロジェクトの破たんにつながる可能性もあります。ロフトワークは我々の変更要求に対し、その実現性、想定されるリスクおよび効果を検討した上で選択肢を提示してくれるなど、厳しい制約の中でも柔軟に対応いただき非常に助かりました。
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