時間軸を大事にしたコミュニケーションが生み出す“未来に向けた安心”
-BtoCとBtoBでは当然ビジネスモデルが異なるわけですが、みなさんWebサイトに関してはどのように捉えられていますか?
奥谷孝司氏(以下、奥谷):1つ共通していると思うのは、お客様との時間を共有できるようなプラットフォームが必要だということ。単純に買ってもらえれば勝ち!ではないし、納品したら終わり!でもない。だから我々は、今この瞬間だけではなく、過去も見るし、未来も見ます。たとえば、買ってどうだったか?という話にも耳を傾けますし、お客様と一緒に未来を見てものづくりもします。
少なくとも我々は、ECサイトを立ち上げてから10年間、この考えを根底に持ち続けてきました。もちろん、軌道に乗るまでは時間もかかりました。でも、その間に何をしてきたかというと、時間軸を大事にしながらお客様とコミュニケーションしてきたわけです。今でこそソーシャルメディアの時代になってきましたけど、我々からすると、やっと来たかという印象ですね。
良品計画とフィレンツェの街並みに共通する「持続させるためのシナリオ」
-時間軸を大事にしたコミュニケーションを実践する上で、Web制作側で具体的に心がけていることなどありますか?
奥谷: 我々はお客様の声に耳を傾け、フィードバックを受けたら、それをどう還元できるかを考える。100聞いて100全部は出来ないけど、1つでも2つでも応えていこうという姿勢でやっています。買ってもらえれば勝ち!という考え方では進化はありません。これはWeb制作においても同じこと。お客様の求めているものも伴走型へと変化してきているわけですから、1つ終わると「はい、さようなら」「次、何しましょう?」という納品型ではなく、長いスパンで一緒に考えていける伴走型のパートナーと仕事をしたいと考えています。
これからのマーケティングに求められる新たな接点の創出
-最後に、今後のWebマーケティングについて、みなさんの展望をお聞かせください。
鹿島: インターネットでどこまでできるかは未知数ですが、究極のところ、三次元の世界が実現したら面白い。実際に触れたり、においがあったり、味があったり・・・。そこまで行くと、商品やサービスも劇的に変化するでしょうね。
奥谷: 我々の場合は、お店に行けば触れたり、感じたりすることができて、そこに新たな発見や非日常があります。会員になってメールを受けている人って、やっぱりお店に行くためにメールを見てくれているわけです。お店に来て、接客を受けて、「わかりました。じゃぁネットで買います」でもいい。ネットで購入することをお店が担保してくれているとしたら、どんどん店舗送客すべきだし、そこで意思決定しなくてもいいと思うんです。結局、これも時間という話になるんですが、お店に行く時間とネットをする時間の両方を行き来してもらうことが大切。お店があるがゆえの強みですね。
執筆者

代表取締役社長諏訪 光洋
1971年米国サンディエゴ生まれ。
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。
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