第二回ソーシャルエンゲージメント研究会~顧客アンケート編~
CMS学会、Webアクセス解析研究会、Webライティング研究会に次ぐロフトワークのユーザー会第4弾、ソーシャルエンゲージメント研究会。全3回のプログラムで構成される研究会の第2回が、2012年1月20日に開催されました。講師は前回に引き続き、株式会社良品計画/くらしの良品研究所コーディネーターの土谷氏。第1回で出された宿題を叩き台に、次のステップとなる新たな課題に取り組んだ第2回の様子をレポートします。
[参加企業(五十音順)]エースホーム、オムロンヘルスケア、Z会、ネクスウェイ、明治大学、ローランド ディー.ジー.、ロフトワーク
アンケートの一番の成果は「共感の仕組みづくり」
本研究会の大きなテーマは、自社のWebサイトの中に顧客とコミュニケーションを取るためのコンテンツを設け、そこでソーシャルエンゲージメントを築いていくこと。ロフトワークの吉澤瑠美は第1回の内容を振り返りつつ、「前回重要なポイントとして学んだのは、モノを売るところから離れる、大きなVision・大義を考える、新しい知の発見の場にする、以上の3つでした。
これらを踏まえて顧客とコミュニケーションを取っていくにあたり、今回はアンケートという手法に取り組んでみたいと思います。ただし、アンケートは1つの手法に過ぎません。たとえばアンケートだったらどんなやりとりができるのか、どういうスタンスで顧客と関わればいいのかを考えてみることが目的です」と説明しました。
アンケートづくりは自社のビジネスと真剣に向き合うチャンス
約30分間、土谷氏より提示された課題に取り組んだ各社は、その成果を順に発表。各社とも、アンケートづくりを通じて、改めて自社の目指すべき方向や企業価値を再確認したようでした。中でも特徴的だった2社について、その概要と土谷氏によるコメントを紹介します。
<明治大学>
●目的・テーマ
・在学生の大学への帰属意識を高めてもらう。
・卒業時に「いい大学だった」と思ってもらう。
「何をどうすると帰属意識が高まるのか?というと、場所への愛着を感じられること、夢中になれるものを見つけられること。この考え方に基づいてアンケートを設計しました。」(明治大学 白石光治氏)
[アンケート1回目]
知りたいこと:1日に構内にいる時間、その時間帯、その前後でしていること。
仮説:嫌いな場所に長時間いないはず。
アクション:いい友達、同じ趣味や思いをもった学生たちと出会う場所をもっと増やしてあげる。そういう情報にたどり着けるような導線、サービスを強化する。
[アンケート2回目]
知りたいこと:構内にあまり長くいない学生の行動、学外で一番多くの時間を過ごしている場所、そこでしていること。
仮説:キャンパスにいない学生は学外の居心地のよい自分の場所をもっている。または、仕方なくバイトしているケースも想定される。
アクション:学生会館などを中心に学生の集まる場所を居心地のよいものにしていく。バイトしないで済むように奨学金をさらに充実させる。
[アンケート3回目]
知りたいこと:所属学部での学び以外に自主的に勉強、活動していること。
仮説:学部の勉強以外に、社会とのつながりや資格取得を重視しているはず。
アクション:インターンシップ、ボランティア活動など、企業との関係、接点を増やす。
仮説は新しい発見を生むためにあり「裏切られるもの」と考える
各社が発表を終えたところで、土谷氏は改めて仮説の重要性を強調し、今回のワークショップのポイントを次のように総括しました。
「仮説は裏切られるものだと考えること。あるいは裏切ってもらえるようにアンケートを作ること。たとえば10個の仮説があって、10個すべてがそのとおりになるようなら何も面白くない。そもそも仮説の立て方が間違っていると考えるべきです。新しい発見を生むために仮説を作るわけで、ギリギリまで攻めていけば必ず裏切ってもらえるはず。コースアウトしたところにこそ新しい発見があるので、これは裏切られるかもしれないというところを敢えて入れ込むのがポイントです。」
いよいよ最終回となる本研究会の第3回(2012年3月16日)では、半年あるいは一年単位で、アンケートとひもづくコンテンツ計画を立てることになります。次回に向けて参加者に出された宿題は、今回考えた全3回のアンケートについて、それぞれ具体的な質問を考えてみること。第1回で考えたWebコミュニケーション戦略を軸に、第2回ではアンケートの作成から実施に至るまでの準備が整い、最終的にはコンテンツ展開へと活かしていくという本研究会の充実のプログラム構成は、来期に向けて各社のソーシャル施策を一気に加速させることになりそうです。