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レポート掲載中

Loftwork COOOP

テキスト:くいしん(灯台もと暮らし)

長谷川さんへの取材後、実際に『Business Approach Compass』のワークショップに参加しました。新規事業の企画担当者や学生も集まり、3月22日・29日にわたる2回の講座で、一人ひとりが自分の中にある違和感と向き合いながら社会に問題提起をすることに挑戦する様子が伺えました。

第一回目の講座のテーマは「壊す」。スペキュラティブ・デザインを用いた作品を生み出してきたバイオアーティストの長谷川愛さんをお招きして、アーティストの視点をなぞりながら、自分の中の既成概念を壊し、社会に対して「問題提起」をしていくことに重点を置いたワークショップです。モデレーターを努めたのは、ロフトワークのクリエイティブディレクター佐々木星児さん。

今回の講座の進行はロフトワーク 佐々木 星児さんが担当

「vol.1『壊す』」のゴールは、「自分の中の既成概念を壊し発想のバリエーションを広げる」こと。自分の中で無意識のうちに「ありえない」と選択肢から弾いてしまっていることをあえて捨てず、実現性をいったん置いて考えることで発想のバリエーションを広げていきます。

ポイントとなるのは「自分ごとから発想する」ということ。アイディアを出していくうえで、私たちは実現していそうなテクノロジーや未来の状況、未来に影響しそうなトレンドなどから考えてしまいます。しかし、テクノロジーの進化も激しく現代人の生活様式も多様化していく社会の中で、未来を予想することはなかなか困難なこと。ただそれも、「自分」のことから発想すればより身近で考えやすくなります。

今回のワークでは個人的な「ペイン(痛み)」から発想をしました。ペインは、私たちが社会・家族生活を営む中で抱える、極めて個人的な悩みや耐え難い苦痛のこと。ペインから着想することは、長谷川さん自身が生み出してきた作品で使用した手法と同じです。

前半は事例を通じてスペキュラティブ・デザインの概念を共有

実際のワークは以下のように進めていきました。

STEP1:ペインを考える
生きている中で生じる面倒だけどやってしまっていること、やりたくないけどやっていることといった個人的な厄介な問題をきっかけに、実社会とは違うパラレルワールドを作り出し、実社会を改めて見直し、議論します。

STEP2:ペインが止めるための方法
ペインが起こる原因を考えます。ここでは現在の社会で常識となっていることを絞り出します。

STEP3:ペインが止められた世界
ここからはグループワークで、ありえない現実世界(パラレルワールド)を作り出すために自分の中の選択肢から無意識に弾いてしまっていることをあえて捨てず、強引にその「状態」を前提として、実現性というものを一回取っ払ってコンセプトに落とし込みます。

STEP4:ペインを止める具体的なもの
・コンセプト(その世界)を落とし込んだもの
・その世界を広めるために必要なもの
・その世界が成立した時にあるもの
・その世界を象徴するもの

チームに分かれ、2週目はリサーチ結果を具体的なプランに落とし込んでいきます

これらについてチームでひとつ考え、翌週の講座までに事例をリサーチしてさらにアイディアをブラッシュアップさせます。ありえない社会の状態について、リサーチを入念にすることでできるだけ解像度をあげることで、議論を生むことができるのです。

長谷川さんと参加者のディスカッションの様子

ワークの間のトークタイムで長谷川さんは、「スペキュラティブ・デザインにはこれと言った手法はありません。共通しているのは、未来図を提案すること」と語っています。課題解決ではなく問題提起を。これが新しい価値を生み出すために必要な私たちの課題であり、そのために常識を「壊す」態度を持っていきたいと今回のワークショップを通して感じました。

最後はアイデアを共有しながら参加者全員でディスカッション

各チームの発表の中で長谷川さんが「他人から見て、なんてことないことが、当人にとって非常に重要なことだったりする」と仰っていたのが印象的でした。人に何か相談されたときに「なんでそんなことで悩んでいるの?」と思ったことはありませんか? ある人にとって、大した問題でなくても、問題に直面している本人にとっては何にも変えられない痛みが、世の中には溢れています。そういった痛みについて知ることも、社会の多様性を高め、許容する精神を育むことにつながるのではないかと思います。

常識を疑うことは、言葉にするよりも実践することが難しい。それでも、小さなところから「そもそもこれは本当にこうなのか?」とあたりまえを疑うことが新しい価値観を受け入れ、そして自分自身がこれまでにない価値を想像するための第一歩に繋がるのではないでしょうか。

既存の課題解決を軸とした提案・企画等に限界を感じている方や、新たな突破口を見つけたい方は、ぜひ『Business Approach Compass』にお越しください。私たち一人ひとりが、未来に対していくつものコンパスを指し示せていけるような視座を掴んで欲しいと思います。

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