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既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法とは 開催レポート【後編】
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既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法とは 開催レポート【後編】

既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法【後編】

価値発見の可能性を上げるためには「問い、仮説、検証」の3ステップを

ロフトワーク プロデューサー 白江崇志

続いて登壇したのは、ロフトワークでプロデューサーを務める白江崇志は、「重視するべきは問い、仮説、検証の3ステップ」であると口火を切りました。

白江が今回の登壇で共有したのは次の2点。「仮説をどのように設定・検証するか」。そして、「どうすれば価値を発見する確率を上げられるか」です。

仮説設定のために最初にするべきは、「問い」を立てること。
たとえば、「既存技術や製品を広める」ことが課題であるならば、「その価値は何だと考えられるか?そのプロジェクトを通して自分たちはどうなりたいのか?誰にアプローチするのが正しいのか?」といったように、問いとは「そもそも」を考えることにあります。

次に、その問いを仮説に押し上げるために、5つのリサーチ手法例を紹介。
デスクトップリサーチ、ワークショップ、有識者インタビュー、ユーザーインタビュー、フィールドワーク。いずれも調査を通してテーマに深く触れ、メンバーの目線をそろえ、外からの視点も入れることで生まれたキーワードを言語化することが目的だといいます。
例えば、ロフトワークが過去に取り組んだ、オリンパスのカメラプロジェクトの場合、「何を実現したいか?」という視点から機能を見直し。7週間で7回実施したワークショップを通じて、「新しい撮影体験」や「ユーザーとの新しい関係性づくり」といった価値を発見してきました。

仮説の検証については「どのような価値を発見したいかを明確に整理すること」が大切だと白江は話します。たとえば、「ターゲットに与えたい体験」を基点に考え、検証プロセスの施策を打つ際に「この施策を行えば、仮説の該当部分が測れるので価値の判断ができる」と設計できるのです。


続いて白江は、「どうすれば価値を発見する確率を上げられるか」について6つの施策を紹介。

短期間に成果が出しやすい、参加者のモチベーションを高められるといったそれぞれのメリットを考慮しながら、イベント、ハッカソン・アイデアソン、ハンズオン(製品体験会)、アワード、ワーキンググループ、メディア運営といった施策を使い分けたり組み合わせるといいます。

例えば、メディア運営の場合、「実施してきたコミュニティの活動を記録、公開することでコミュニティの外にも活動を周知できます。そこへ共感した新しいメンバーの参加も望める」という期待を掲げます。また、ウェブ上にアーカイブされることで、追い求めるコンセプトが数年後に花開いた場合などに、Googleなどの検索サイト経由で知られ、その分野での先駆者になれる可能性もあると話しました。
価値を発見する確率も高めるには、いずれかの施策を継続的に実施し、仮説の設定・検証のサイクルを繰り返すことだと白江はまとめました。

「コミュニティの全てをコントロールすることは当然できません。しかし、まずは問いを立てて全体を見直し、できるだけ検証したいことを思い浮かべ、明確にすることです」

バイアスを外し、視点を得るためのワークショップ「カレーエクササイズ」

コミュニティでの共創プロセスの有用性を学んだ後は、ロフトワークの重松佑をホストに、チームに分かれて、新しい視点に気づくためにワークショップ「カレーエクササイズ」を体験。配布された模造紙を9ブロックに分け、中心に「カレーライス」と書き、残りの8マスには「どんな見た目?」「どんな食感?」といった設問を記入。その設問に対し、参加者の思うカレーライスのイメージに合わせて、答えを付箋に書き、貼っていきます。

ワークショップの狙いについて重松は「多様な視点が新しい価値観を見つけるのに必要な理由は、無意識のバイアスを越えるためです」と説明すると、まずは個人ワークで挑んだ参加者へ「みなさんは今、自然と“おいしいカレーライス”という前提で設問に答えていませんでしたか? それも『カレーライス=食べ物=おいしい』という無意識のバイアスです」と投げかけます。

ロフトワーク シニアディレクター 重松祐

そこで、次はチームごとに分かれ「美術館に展示されるような」「この世のものとは思えないほどかわいい」といったようにカレーライスの前提条件を変えて、再びワーク。チームでアイデアを出し合い、絵にして発表しあいました。「美術館に展示されるような」という課題に挑んだチームは「ルーの部分に映像を照射し、美術作品などを映しだすプロジェクトマッピングカレー」を考案。突飛なアイデアの数々に会場からは思わず笑いも。

重松はオープンコラボレーションやコ・クリーエションといった多様性を重視した考え方が求められている実状を踏まえ、「企業からは『アイデアが出ない』とよく言われます。しかし、その言葉の裏は『問いが定まっていない』からなのです。問いが定まり、前提条件を変えれば、アイデアは出てくる」とエールを贈りました。

特に既存技術・製品については、それまでの実績や経緯を知っている人が関わるほどに、バイアスが強くなってしまうからこそ、仮説の設定や検証にも偏りが生まれてしまうケースが多いようです。それを解消するためのコミュニティという手段も、形成さえすればアイデアが出る「魔法の杖」ではありません。

今回の学びはそれを改めて教えてくれると共に、心血を注いだ技術・製品の活かし方や遊び方はいくらでも見つけられるという、前向きな可能性を示唆してくれてもいるように感じました。(記事 長谷川賢人)

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