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大学WEB VOL.2 事例:立教大学「大学Webサイトの存在意義を問い直す」 イベントレポート(後篇)
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レポート掲載中

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大学WEB VOL.2 事例:立教大学「大学Webサイトの存在意義を問い直す」 イベントレポート(後篇)

最後に選ばれるのは、スペックではなく「原体験」

再定義したミッションに照らして改めて現状のWebサイトを見てみると、「直感的によいと思えない」「見ていてワクワクしない」「書いてあることが理解できない」「自分がそこで学ぶことをイメージできない」といった問題点が明らかに・・・。

そこでロフトワークは、「Why?●●学科」をテーマに、なぜそこで学ぶのか、なんとなく訪問してきてくれた高校生たちが「学ぶ理由」に出会える学科ページを、大学視点ではなく高校生視点で制作することを提案しました。

実際の完成Webは立教大学Webをご覧ください。
>リンク https://www.rikkyo.ac.jp/

こうして完成したWebサイトでは、興味を持ったものから学科にたどり着けるように、キーワードから「学科」を直接探せる機能を追加したほか、学部の枠を超えた関連分野の学びに誘導できるように設計。「理系・文系、または学部の枠を取り払うことで、思いもよらない選択が生まれてもいいと思うのです」と寺井。

今回のプロジェクトで最も重視したのは、よくあるスペックの提示ではなく、 “学んでみたい”と思えるきっかけをつくること。そうすることで、最終的に選ばれる大学になること。
この“学んでみたい”という知的好奇心のスイッチを入れるポイントに、寺井は次の4つを挙げ、「中でも、わかりやすすぎないバランス感が大事」と強調します。

“学んでみたい”という知的好奇心のスイッチをいれるポイント4つ
 ・伝える側の熱量
 ・自分との関連性
 ・直感的な交換
 ・わかりやすすぎないバランス感

小さな試作を積み重ねて、ミッションを達成できそうな情報のあり方を特定

また、今回のプロジェクトでは、ワイヤーフレーム制作設計の前にもう1つ重要なプロセスがありました。それが、「情報のプロトタイピング」です。

実際の記事をライターとともに書き起こし試作することで、どんな「テイスト」で伝えるとよいのか。それがターゲットにどんな印象を与えるか。どんな「コト」を伝えるとよいのかを考え、ミッションを達成できそうな情報のあり方を見つけ出すのが狙い。理詰めではなく、実際に手を動かし、小さな試作を繰り返すことで、最もフィットする形を探っていきました。

「全体を通して、説得しようとしないことを徹底したWebサイトです。ターゲットにどう役に立つのかを考え、実行する。それによって納得と共感を生んでいくこと大切してきました」と寺井。最後に、今回のプロジェクトで実践してきたポイントを次の3つにまとめました。

ミッションの再定義から始めるプロジェクトのポイント
・頭だけでなく身体でも理解する
・クライアントと一緒に考え一緒に作る
・理詰めではなく、プロトタイピングを通して思考する

もっとプロトタイピングからの体験設計に関心あるかたはこちらの記事へ

これからの大学サイトを探る、インタラクティブセッション

寺井によるセッション終了後は、立教大学の広報担当であり、今回のプロジェクトメンバーであった小嶋氏が登壇者に加わり、プロジェクトの裏側や、それぞれの立場からみる、これからの大学広報のあり方に関わる質疑応答が行われました。

右からロフトワーク 寺井、立教大学 小嶋氏、司会担当のロフトワーク 柏木

Q:Webの評価軸は誰とどう決めるべきか? 

寺井は、「定量的な評価軸は大事」としながらも、一年分の数値だけでどこまで評価できるかは難しく、また、大学の場合は広報物の一年のサイクルが決まってしまっている分、どういうPDCAをまわすかが難しい課題だと指摘。また、小嶋氏は「単純に受験者数が増えた、減ったというのではなく、質の変化をどうすれば測れるかは、これから一緒に見つけていく考えです」と語りました。

Q:どうやって学内の意思統一を図ったのか?

「9年前に行ったリニューアルでは、学内の合意形成に難航した経緯もあったため、今回のリニューアルは慎重に合意形成を行うようにしました」と小嶋氏。特に今回は、大学サイトから学内向けの事務連絡などの情報を別サイトに移すという決断があったため、関連部署には何度も足を運び、その意図を、時間をかけて丁寧に説明するようにしました。

Q:紙とWebの役割はどう分けるべきか?

紙で見たとき、Webサイトで見たときの情報の捉え方はまったく異なります。大学案内に掲載されている情報がすべて大学サイトに載っていればいいというわけではありません。
「紙媒体は信頼性や安心感を得ることに長けたメディア、一方Webは最初の興味を引くことに長けたメディア。それぞれの特性を生かして役割分担をすべき」と寺井。

Q:高校生にメッセージを届ける方法として、今後何が重要になってくるか?

「モバイルの比率が急速に高まっていることから、Webサイトがますます重要になるのは間違いない」(小嶋氏)ものの、「Webサイトは待ち受けているものであり、そこでやれることには限界もあるし、広告だけでも限界があります」と寺井。Webサイトに訪問させるきっかけとして、高校生を対象にした体験プログラムを提供するなど、実際の活動をベースに考えていく必要もありそうです。

大学広報は、若者の人生に岐路に関わる大切な活動であり、重要なタッチポイントの一つ。当然ながら、Web担当者はお知らせの更新だけがミッションではありません。目の前にある山積みの課題を一つひとつずつつぶしていく方法を考えるのではなく、ありたい姿に向けてやるべきことを考える。Webリニューアルを進めるなら、ぜひミッションの再定義から。立教大学の事例に多くを学んだ2時間でした。(ライター:佐々木みのり)

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