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売れるコマースサイトの条件

 
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買う人を魅了するECサイト構築
株式会社ロフトワーク 取締役 林千晶

7000名を超えるクリエイターネットワークを運営する制作会社ロフトワークの林からは、サイトの制作や運営の視点から見たECについて語られました。

まだまだ成長市場

B2Cの市場において、EC化されている割合はわずか2%。その数字と市場規模の伸び率からも「ECはまだまだこれから成長する市場。これからの参入では遅いということもありません」と語る林。また、市場規模の拡大にあわせて、ECブログやモバイルコマースも急成長を示していると、総務省調査を元に説明しました。

ますますクチコミ

こうした流れの中で、ますます重要度を増すと考えられるのが、消費者のクチコミ行動です。「購買の構造が変わりつつある中、情報を“シェア”するという消費者行動が注目を浴びています。この“シェア”を自らのコマースサイトにいかに取り込んでいくかが、今後のECにおけるポイントになっていくでしょう」

成功事例のひとつとして紹介したのが、ECとブログを融合させ、2006年にベストECショップ大賞を受賞した「和座本舗」のケース。この事例について林は、「決済方法など、システムに依存するところが大きかった従来のモールに対して、コンテンツそのものを重視したのが成功のポイントです」と分析。ブログを用いることで、表現力や更新のしやすさからコンテンツの質と訴求力が高まり、そこに高いクチコミ効果が加わったのです。

また、学研が展開中の「Valuenavi」も紹介。これは、クリエイティブ・コモンズのライセンスを付与した商品情報や写真を自由に引用できるようにして、ブロガーやアフィリエイターがクチコミに利用できるようにする取り組みです。ライセンス管理を明確にすることで、ますますクチコミも行いやすくなると考えられます。

こまごま気配り

制作の点から重要になってくるのが、各メディアに適したコミュニケーションを心がけることです。この点について林は、次のように説明します。「これまで Webは補足的なメディアと捉えられがちでした。そのため、雑誌広告をそのままWeb用に二次利用するケースも目立ちました。しかし、紙媒体用に最適化した情報が、そのままWebに適しているとは限りません。モバイルならばパーソナライズされた情報が好まれますし、Webではより詳細でリアルなコミュニケーションが効果的。消費者の共感を得るためには、言葉のトーンまでメディアごとに使い分けることが必要なのです」

「コマースサイトの真価は細部に宿る」と語る林は、ベネトンやマンハッタンレコードなど、ロフトワークが手がけたECブログの事例も紹介。あわせて、EC ブログの活用に効果が高いツールである「ECKit」にも言及。既存のECシステムはそのままに、ブログの更新性と表現力をECKitを紹介しました。

パネルディスカッション

パネルディスカッションではまず、ポイント付与の効果について林から質問があげられ、本日の講演内容に関する議論などで盛り上がりました。

ポイント付与の効果について

林:
「ポイント付与で売り上げ30倍というお話しにすごく惹かれたのですが、ポイント付与の効果について詳しく教えてください」

宇佐美氏:
「従来のポイント制度には、自社への囲い込みという目的がありました。しかしユーザーにとっては、そのお店でしか使えないポイントが少しずつ貯まっても、あまり意味がありません。もっと“貯められる”ポイントに価値を感じるんですね。ECナビポイントはキャッシュバックします。実際に毎月6000万〜 7000万円ほどのキャッシュバックが行われています。こういう点が貯める価値のあるポイントとしての認識につながり、実際の売り上げにもつながっているのではないでしょうか」

小幡氏:
「アフィリエイトの観点からもポイントバックは有効ですね。たとえば、セミナーへの参加や資料請求などの場合でも、“どの媒体から行うのか”という差別化ポイントになりますから」

ブログなどの個人メディアとクチコミの可能性について

宇佐美氏:
「アフィリエイトサービスがたくさんある中で、ショップに選んでもらえるアフィリエイトサービスというのは、どうやって提案していくものなのでしょうか」

小幡氏:
「確かに多くのアフィリエイトサービスがあり、どれを使うかはショップにとっても悩みどころでしょう。そこで我々としては、まずは広くあまねく使ってみることを提案しています。半年くらい実際に使ってみることで、取り扱う商品がどの媒体に向いているのかが見えてくるからです。アプローチの勝ちパターンが見えたら、その方向で広げていけば効果的ですからね」

宇佐美氏:
「また最近では、ブログやSNSといった個人の小規模なアフィリエイト媒体も増えています。こうなると、媒体の振り分けも難しそうですが」

小幡氏:
「ブログを経由して商品が売れるといった現象は、実際に大きなものになってきています。ブログという媒体を利用するかしないかはクライアントによって分かれ、たとえば化粧品関係などでは薬事法の問題からブログでのアフィリエイトを避ける方向にあります。一方で、積極的にブログに取り上げられたいというクライアントもいます。この場合、どういうジャンルのブログを対象とするかより、まずは広くブログに取り上げられやすいようなネタ作りなどを提案しています」

宇佐美氏:
「ネタ作りというと具体的にどんな方法でしょうか」

小幡氏:
「クチコミになりやすい情報を発信するということですが、基本的にはディテール情報やウンチク情報を積極的に発信することが効果的ではないでしょうか。商品の型番などよりも、開発のストーリーや技術的な裏話が好まれ、クチコミになりやすいといえるでしょう」

林:
「企業である以上、情報を発信するメリットとデメリットがあります。とくに、発信した情報に対して購入取りやめなどのネガティブな反応が起きる可能性もあるわけで、敏感になる企業も多いと思うのですが」

小幡氏:
「ネガティブなクチコミ情報はショップにとってもじつは有効なのです。クレームは最高のフィードバックとも言われますが、日本人の場合、不満を飲み込んでクレームにまで発展しないケースも多くあります。クチコミ情報は、こうした“クレームになる前のちょっとした不満”を把握するのに適しています。ショップ側が、ツールの中でカンタンにクチコミ情報をトレースできるような仕組みも提供したいですね」

宇佐美氏:
「クチコミに関しては、ECナビもこれからもっと力を入れていきたいと考えています。ユーザーの声にならない声を拾い上げて、それをショップに届けられるような仕組みを作りたいですね」

クロスメディア展開の収益モデルについて

林:
「紙媒体とのクロスメディア展開のお話しで、初期費用無料の成功報酬で雑誌広告を作る例がありましたが、これは実際にどのような収益モデルなのでしょうか」

小幡氏:
「印刷の実費をクライアントに負担していただくこともありますが、基本的には媒体誌への掲載と制作費は無料になります。かわりに、その媒体誌を通じて問い合わせなり購入なりが行われた場合、アフィリエイト報酬が発生する仕組みです。この報酬が十分にペイするものと見込めれば、媒体誌としても弊社としてもメリットがあります。収益構造としてはしっかり確立されていますね」

 
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