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2007年9月7日、株式会社ロフトワークはインターウォーブン・ジャパン株式会社と共同で、Webサイトの構築・運用の効率化と戦略的活用をテーマとしたセミナーを開催しました。 Webサイトのリニューアルを機にCMSの導入を検討する企業担当者を対象に、14時~17時の3時間、先進的な事例紹介を交えた充実のセッションを展開。前日からの台風の影響で交通機関の乱れも見られるなか、会場となる東京六本木の泉ガーデンコンファレンスセンターには、CMS構築に高い関心を寄せる70名以上もの参加者が集まりました。

セッション資料
制作現場から見た、失敗しないCMSサイトの作り方
CMSをうまく活用し、顧客がアクセスしたくなるような魅力的なWebサイトへ、いかに短期間でリニューアルするか。そのための実践的なヒントを提供するのが今回のセミナーの趣旨です。はじめに、「制作現場から見た、失敗しないCMSサイトの作り方」というテーマで登壇したのは、株式会社ロフトワーク 代表取締役の諏訪光洋。CMS導入において数多くの企業を支援してきた経験から、敢えて“CMS導入は難しい”との前提に立ち、失敗しないためのポイントをわかりやすく紹介しました。
最初に諏訪は、上場企業が目指すべきWebサイトについて言及。1つは、企業活動のすべてを掲載すること。もう1つは、訪問者が到達できる形できちんと情報を掲載し、しかも、きちんと管理されていること。この2つを実現していくためには、CMSが必須であることを強調しました。しかし一方で、「CMS導入が失敗しやすいのも事実」と諏訪。最初のつまずき、企画時のつまずき、構築時のつまずきを、どのように乗り越えるべきかについて、次のように説明しました。
検討段階では、「どのCMSを選べばよいか」「コストをどう考えればよいのか」で悩むことになります。まず50社以上の実績を持つCMSであること。さらに、機能とコストのバランスを十分に考慮する必要があります。制作会社が自社開発したものや、フルカスタマイズできるもの、企業ユースには適さないオープンソースなどはお勧めできません。導入費用は、超概算でとらえて、ページ×1~1.5万円を目安にするとよいでしょう。
企画段階では、しばしば「正解がわからない」「社内の政治的な壁がある」「コンテンツ量が膨大」といった困難に直面します。オリジナリティの追求は後回しにして、まずは企業活動の掲載にフォーカスすべきです。そして、スケジュールを最優先として、最低限やるべきこと、守らなければならないルールなどについてコンセンサスを得るようにします。また、膨大なコンテンツのすべてを一度に移行しようとするのではなく、新旧ページの連携方法などを考慮しながら、綿密な移行計画を立てます。外部スタッフなど、適切なリソースの確保もプロジェクトの成否を左右する重要な課題です。
構築段階では、プロジェクトを円滑化するための推進体制が肝になります。各部署や担当者に適切な権限を与え、プロジェクトの中に決定権のある人をうまく取り込みつつ、チーム一丸となって進行することが大切です。制作会社やベンダー任せは、もってのほかです。また、膨大なコンテンツのチェック体制なども確保しておかねばなりません。人的リソースの不足は、プロジェクトの遅延や、Webサイトの品質低下の原因となります。
中でもコンセンサスを得ることの重要性について、「そもそもなぜCMSが必要なのか、関係者の理解が深まらないうちに開始したことで、プロジェクトが長期化し、果ては空中分解してしまった例を知っています」と諏訪。さらに「CMS導入へのモチベーションを高めるためには、あまり欲を出さないこと。そのためには、経営陣を含めた高位の役職者を仲間に取り込むことや、最低限のルールを決めつつ、必要に応じて各部署の担当者に権限を与えていくことなどもポイントになります」と語りました。
欲張り始めるとキリがなく、プロジェクトは肥大化する一方で、リスクもコストも一気に膨れあがります。果ては破たんへ、といったケースも少なくありません。だからこそ、最低限必要な条件に絞り込む必要があるのです。「CMSへの夢は後回し。まずはきちんと更新していく仕組み、内部統制に基づいてきちんと管理できる仕組みを確立することが大切です」(諏訪)。
最後に諏訪は、ロフトワークが用意しているソリューション「CMS Corporate Site Base Structure(CCBS)」「CMS Corporate Site Advanced Structure(CCAS)」を紹介。豊富なナレッジをベースとした短期間でのCMS導入に、自信を覗かせました。

セッション資料
Webコンテンツ管理、配信管理ソリューション
続いて、インターウォーブン・ジャパン株式会社 営業部 シニア・セールスエンジニアの小口貴史氏が登壇。「コンテンツ制作者が使いやすいCMS」と題し、同社のCMS製品であるTeamSiteの紹介を行いました。グローバル企業である同社は、すでに全世界で3,800社以上もの先進企業への導入実績を誇り、日本国内でも業界トップのそうそうたる企業を中心に、100社以上のCMS導入を支援しています。
小口氏はまず、コンテンツ制作の現状についての調査結果を示しながら、「Webマスターにとって、運営管理やコンテンツ更新など、特に負荷の大きい業務をサポートできるのがCMSです」と説明。さらに、CMS導入における課題として、部門間での調整の難しさ、セキュリティの甘さ、上書き(先祖返り)などによる他部門への影響、配信作業の手間、手作業による配信時の失敗や不整合の発生などを挙げ、これらの課題を一気に解決するのがTeamSiteであると強調しました。
TeamSiteでは、コンテンツ制作におけるさまざまなフローを自動化することで、各プロセスで発生していた多くのムダを減らすことができます。また、複数サイトを1台のTeamSiteサーバで一元的に管理でき、各サイトのセキュリティを確保しながら、確実かつ正確なコンテンツ配信が行えます。さらに最大の特徴とも言えるのが、CMS導入における最初のハードルとなるテンプレート化の作業を不要とする点です。
小口氏はここで、テンプレート型CMS導入の課題について、「外部の制作会社に独自のテンプレートを強要することにもなる。使い慣れたHTML編集ツールが使えなかったり、使用が制限されるとなると、自由度が低下し、かえって非効率になる可能性もあります。また、デザイン重視の再利用性のないページにまで、テンプレートを適用する必要もありません」と指摘。
TeamSiteは、この課題への解決策として、既存のコンテンツをそのままCMSに取り込むことを可能にしたのです。しかも、既存のコンテンツの取り込みは簡単。ドラッグ&ドロップするだけで、あっという間に作業が完了します。導入の手間がなく、迅速にコンテンツ管理を開始できることは明らかです。また、コンテンツ制作者は、今までどおりの使い慣れたツールを使って作業を進めることができます。
この他にも、TeamSiteには次のような多彩な機能が含まれており、小口氏がデモを交えながら、その魅力を紹介しました。
■ 段階的に必要な場所に必要なタイミングでテンプレートを導入可能。
■ サイト全体のバージョン管理機能により、過去のWebサイトへの監査請求や企業改革法への対応、制作時の過去ページの参照、クレーム対応などを効率化。
■ エリア管理とバーチャルディスクにより、制作業務とハードウェアリソースを効率化。
■ ワークフローにより多くのタスクを自動化し、ミスを低減。承認履歴の確認を可能にすることで、コンプライアンスに対応。
■ “確実に配信すること”を重視した強力な配信機能を提供。任意配信、スケジュール配信、複数サーバへの同時配信、障害発生時に整合性を維持するロールバックが可能。
■ 1台のサーバで複数サイトを管理できるため、グローバルなマルチサイト運用が実現。
■ 各サイト単位、サイト内のコンテンツ単位、コンポーネント単位でセキュリティを確保。
さらにインターウォーブン・ジャパン株式会社 営業部の熊代 悟氏が、Webマーケティングを最適化する同社の新製品について簡単に紹介。これは、CMS運用の基本とも言えるサイト運営のPDCAサイクルに、Webサイトの活性化に向けた戦略的要素を追加しようというもの。ユーザ属性に応じて適切なページへ誘導するターゲティング機能と、実際にどんな人たちが訪れているのかを分析し、ターゲティング機能と連携していくための分析機能が提供されます。
熊代氏は、「静的コンテンツだけでなく動的コンテンツも併せて管理できるようになり、TeamSiteで構築した基盤をベースに、次は売上に貢献できるサイトを目指して、サイト運営をさらに最適化していくことができます」と締めくくりました。

最後のセッションは、コニカミノルタにおけるウェブリニューアルプロジェクトの実例紹介とあって、さらに多くの注目を集めました。コニカミノルタグループ全体のIT運用を担うコニカミノルタ情報システム株式会社から、ソリューション本部 コンテンツシステム部 制作・運営グループリーダーの塚田広造氏がスピーカーを務め、「ユーザ事例 ビジネスモデルの変革とウェブサイトリニューアルの実際」と題して、TeamSite実装の詳細が明らかにされました。
2003年に第1回目のプロジェクトが発足したきっかけは、コニカとミノルタの経営統合によるコニカミノルタホールディングスの誕生。それまで、別々に存在していたWebサイトの統合化を進めるにあたり、One Country One Siteの思想に基づくグローバルレベルのブランドマネジメントツールの構築と、グローバルレベルのブランドサイトにおける効率的な運用方法の確立が目標となりました。
コニカとミノルタは、各社それぞれ約6,000ページもの既存コンテンツを持っており、まずはこれらを、いかに早くリニューアルサイトに展開するかが検討されました。そこで同社は、TeamSiteを既存のWebサイトの移行プラットフォームとして活用。TeamSiteのリポジトリをうまく使い、短期間での取り込みを実現したのです。
「デザインガイドラインを構築し、コニカミノルタブランドが際立つような情報構造、複数の商品がお互いにシナジー効果を持つような情報構造を目指しました。また、地域間でのユーザビリティやアクセシビリティのばらつきが生じないようにも配慮しました。具体的には、コンポーネント化したCSSとテンプレートを配布して、コンポーネントの組み合わせだけでページを作成できるようにもしましたね。こうして、コーポレートブランドをグローバル展開していくためのベースを構築することができました。クオリティやデザイン、量に関する標準化が行えたのも大きな成果です」と塚田氏。
また、長期にわたって使えそうなコンテンツは、できるだけテンプレート化する方針としたり、TeamSiteのテンプレートの中に独時開発のコンポーネントを組み込んだりするなど、リニューアル後のサイト運営を効率化するためのしくみも盛り込みました。
このリニューアルをベースに、2007年4月、第2回目となるウェブリニューアルプロジェクトがスタート。今度は、フォトイメージング事業からの撤退を機に、B2CからB2Bへの明確な変革をWebの中でどう体現していくかがテーマとなりました。そこで、B2Bとしての魅力的なサイトへの脱皮、各事業会社が思いどおりにプロモーションを展開できるようなマーケティングツールとしての価値向上、これらの限られた期間と予算内での実現が大きな目標として掲げられました。
3,000以上もの大量ページがリニューアルの対象となり、ここにLiveSiteが活用されました。LiveSiteは、TeamSiteの機能拡張オプションで、HTMLの知識がない現場の担当者でも、PowerPointを扱うような感覚でWebページの作成や更新が行える機能です。B2C市場が中心だった時代には、製品間のシナジー効果を狙った横串情報構造だったものの、B2Bによる事業会社ごとの縦串情報構造へとシフトしたことで、誰もが簡単に作業が行える環境は重要な要件でした。同社は、ナビゲーションの情報をデータベース化するなど、独自の工夫も行ったといいます。
「ナビゲーション用のデータベースがリアルタイムに反映できるのもLiveSiteのメリットです。また、2003年のリニューアルを通じて定義されていた情報構造がベースにあったからこそ、コンテンツの切り出しが楽に行えたと思います」(塚田氏)。
こうして2度にわたる大規模なリニューアルプロジェクトを乗り越えた同社。最後に塚田氏は、TeamSiteによる貢献について次のように総括しました。
「大量のHTMLを短期間で生成するのに最適です。また、一方向のHTML生成は移行時に有利です。2回目のリニューアルでも、膨大なコンテンツの移行作業を3ヵ月で完了。非常に費用対効果が大きいと言えます。プロジェクトを通じて、非常に便利なツールであることを実感しました」。
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