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主力4CMSが勢ぞろい! 導入目的から考える、CMS成功事例セミナー

サイトをリニューアルしたいけれど、どこに相談すればよいかわからない。どのCMSが自社に適しているのかわからない…。そんな企業のWeb担当者の悩みに応えるべく、2008年1月31日、株式会社ロフトワークがひと味違ったセミナーを開催。

WebRelease2(フレームワークスソフトウェア)、Movable Type(シックス・アパート)、TeamSite(インターウォーブン・ジャパン)、NOREN4(アシスト)という、市場をリードする主力4CMSの世界が一度に覗けるチャンス。しかも、ユーザーの目線でその魅力を探るとあって、会場となったTEPIA 4Fホールには、月末にもかかわらず200名におよぶ受講者が詰めかけました。

セッション 1

セッション資料  戦略としての企業サイト構築とCMS導入

コーポレートサイトの成功のカギを握るCMS

講師陣のトップバッターは、技術評論社で「WebSiteExpert」の編集長を務める馮富久氏。この後に続く成功事例の紹介を前に、「戦略としての企業サイト構築とCMS導入」と題し、CMSの必要性や選択のポイントなどについて語りました。Web制作に関わるすべての人たちをターゲットにした「WebSiteExpert」の最新号でも、そのテーマは「Webサイトリニューアル大作戦」。市場を熟知する馮氏の講演内容に、会場の注目が集まりました。

冒頭で馮氏は、「2005年以降、Web2.0をキーワードに業界が大きく動き出した」と説明。すでにWebの世界はITリテラシーの高い人だけが対象ではなくなり、多くの人たちが情報発信に関わるようになることで、情報の質も量も容易には測れなくなりつつあります。それに伴い、コーポレートサイトのターゲットもコンテンツも多様化が進み、Web2.0以降、主に次の4つが重要なポイントになってきていると言います。

1. Webサイトを訪れるユーザーを意識する必要性
2. 情報の出し方、それに対するレスポンスへの対応
3. データの蓄積
4. 変化し続けるWebサイト

また、「これらの課題を解決するものとしてCMSが有効ですが、コーポレートサイトの構築において、その成功のカギを握るのもCMSです」と馮氏。つまり、CMSをどのように選び、設計し、運用していくかによって、プロジェクトの成否が左右されるということです。そこで馮氏から、次のような具体的なヒントが提示されました。

CMSの選び方

Web担当者の視点から・・・

・新規構築、リニューアルにかかわらず、自社で行いたいことを明確にする
・課題がわからない場合、成功事例、類似事例を調べる
・CMSとともに制作会社を選ぶ

制作会社の視点から・・・

・導入だけでなく、その後の保守やリニューアルも含めた全体像を意識する
・デザインのしやすさや開発体制にマッチするCMSを選ぶ
ここで勘違いしてはならないのは、「高機能だからといってニーズにマッチするとは限らない」「安いからといってコストパフォーマンスが高いとは限らない」という点です。

CMS選択のその後

データの構造化とデータベース設計に注力します。ただし、CMSは“自社のコンテンツを表現する場”と考え、テクニカルに設計するという感覚ではなく、ビジュアルデザインと情報との融合を意識する必要があります。そのためには、テンプレートやリッチコンテンツを上手に活用していくことです。そして何よりも、ゴールに確実に到達するためには、プロジェクトをきちんとマネジメントすることが大切です。

最後に馮氏はWeb市場の2008年を展望し、「今後はますます“顔”としてのコーポレートサイトの重要性が高まるだけでなく、グローバル化に伴う多言語化や、プラットフォームの進化、インターフェースの複雑化、RIA(Rich Internet Application)・ユーザビリティ・アクセシビリティのバランスなど、求められる要件はますます高度化していくと考えられます」と説明。さらに、こうした動きに追随していくためのアドバイスとして、「世の中の成功事例を活用し、クライアントと制作会社とのより良い関係を構築し、長期的な視点でサイトを構築していくことです」と語りました。

セッション 2

セッション資料  販売力強化のCMS活用

CMSがショップ店員?!ECサイトを盛り上げるカギ

続いていよいよ、ロフトワークが手がけた成功事例の紹介です。数多くの導入ユーザーを代表して、ベネトン株式会社の小堀晋一氏が登壇。「Movable Typeで実現 デザイン自由度の高いECサイト」とのテーマで、同社におけるCMS導入の全体像が紹介されました。

同社は以前より、レディースウェアを中心にメンズ、マタニティ、子供服、オリジナル雑貨を販売する「ベネトンオンラインショッピング」を運営していましたが、2007年1月末、Movable Type(以下MT)とECを組み合わせたロフトワークのECソリューション「ECKit for MT」により、全面リニューアルを実現しました。リニューアル前の大きな課題として、小堀氏は「スピード」「コスト」「簡単さ」の3つの強化を挙げます。
「アパレル業界の特性上、情報発信のタイミングが非常に重要であるだけでなく、本業での売上を高めるために運営コストをいかに抑えるか、さらには本業に専念できるような環境を作るために運営の負荷をいかに軽くするかが課題でした」と小堀氏。

そこで同社は、ECのエンジンを組み合わせた形でMTを導入。MT部分の具体的な活用方法について小堀氏は、「商品ページの中でも特に更新頻度が高い部分に使用しています。それから、スタッフのコメントやリアル店舗の情報などは、ブログ形式で積極的な情報発信を行っています。商品情報を相互にリンクさせているのも特徴です」と説明。さらに、ECサイトにおけるCMSの位置づけについて、「CMS=ショップ店員」と表現したのが印象的でした。これは、ECサイトではリアルな接客ができないと諦めてしまうのではなく、“お客様にお勧めする、提案する、雰囲気を作る・・・”といった方法でリアル店舗に近づけ、お店を盛り上げることは可能だという考え方です。そして、この重要な役割をCMSに期待していると言うのです。

リニューアルから一年経った今、大きくステップアップしたことを実感しているという同社。情報提供の鮮度が向上しただけでなく、運用面での省力化が進み、内製化によって大幅なコストダウンにも成功。課題であった「スピード」「コスト」「簡単さ」の3つを見事にクリアしつつあると言えます。運営面では余裕すらある状態だと言います。
「商品の押し出しが容易になったことで、アクセス増や販売実績に結びつきやすくなりました。急なイベントにも対応できるようになり、売り時を逃さず販売ロスを防ぐことができます。さらに、きめ細やかで柔軟な情報提供が行えるようになったおかげで、お客様からの問い合わせ件数が減りました。全体的に楽になりましたね」(小堀氏)

何よりもまず、商品を販売することがECサイトの第一の目的です。したがって、テクニカルな部分に本業の時間を奪われたくないという同社の思いに、CMS が応えたと言ってもよいでしょう。「当社は、人材育成の面でもテクニカルなスキルは重視していません。それより、サイトの全体像を考え、モノを楽しく売っていくためにどうすべきかというところに気持ちを集中させてほしいと考えています。CMSでそのしくみを手に入れた今、次に目指すべきものは、サービスと情報の質の向上でしょう。お客様に語りかけるような、ショッピングが楽しくなるような情報を提供していくことが課題です。モバイルサイトとの連携も視野に入れています」と小堀氏。次なる成長への基盤を手にしたユーザーの声は、自信に満ちあふれていました。

セッション 3

セッション資料  ロフトワーク事例「CMSお客様の生の声」

CMS導入のコツは“ABC”だった?

セミナーの最後を飾るセッションでは、ロフトワーク取締役の林千晶が登場。「大公開!事例で読み解くCMS導入のポイント」と題し、残る3つのCMS、 WebRelease2、TeamSite、NOREN4によるサイト構築の事例を一気に紹介するという内容です。事例紹介に先立ち、林はまず、「いつも繰り返しご説明していることですが、“できる機能の数”でCMSを選んだら必ず失敗します。何をやりたいのか、何が課題なのか、それに合わせて何をやればよいのか、といった視点で選ぶことが大切です」と強調。今回のセミナーが、そのヒントになればよいとの思いを伝えました。

続いて事例として紹介されたのは、SIベンダーのNECトータルインテグレーションサービス株式会社(以下NTIS)、日本最大級の有料番組配信チャンネルを持つ株式会社キッズステーション、ノーベル賞受賞の田中耕一氏が勤務することでも知られる株式会社島津製作所の3社の事例です。各社が選んだ異なる CMSの特徴を踏まえつつ、それぞれのサイト構築の全貌が明らかにされました。

事例1:NTIS コーポレートサイトのリニューアル(2007年10月〜12月)

課題
・更新フローが未整理で、承認がなくてもアップできてしまう(内部統制への対応を強化したい)。
・更新できる人が限られており、担当者が不在の場合は更新できない。
・顧客対応が中心となり、自社サイトが後回しになりがち。
・結果としてWebの活用が進んでいない。

解決策
柔軟な承認ワークフロー、更新の容易性、WYSIWYGの使用などが条件となり、NOREN4を選択。

ロフトワークを選んだ理由
NTISの技術に対し、ロフトワークの情報設計力やCMSの経験が補完的にマッチしたため。

効果
「ページのデザイン」から「情報のデザイン」への意識改革が進み、内部統制対応の面でも効果あり。社内のWeb活用も促進され、攻めのWebサイトへと進化しつつある。

TIPS
・プロジェクトには経験者に参加してもらう。
・CMS製品におけるシステム要件を必ず確認する。
・WYSIWYGは便利でも、単純にコピー&ペーストだけで移行できると考えるのは危険。

会場に来ていたNTISの菅野様からも、生の声を聞くことができました。
「CMSでは、テンプレート上の項目を埋めなければページができあがりません。このことが、とても重要であることに気づいたのは大きな成果でした。今までのページには、本来訴求すべき大事な情報が抜けていたことがよくわかったのです」
これは、導入したお客様だからこそ言える、とても実感のこもった言葉でした。林も、「CMSの導入は建物を作るのと同じ。大事なのは骨格です。骨格が決まれば、コンテンツはいかようにでもなります」と強調していました。

事例2:キッズステーション 新規サイト「はぐステ」の構築(2007年7月〜11月)

課題
既存サイトの「KIDS STATION」が、アニメファン向けの情報発信がメインとなっており、“お母さんと子ども”というターゲットに対して、満足度を高めるしくみを実現したい。

解決策
デザインやレイアウトの自由度の高さ、操作の容易性、設計の簡素化、短期開発などが条件となり、WebRelease2を選択。

ロフトワークを選んだ理由
開発から運用までトータルで依頼できる安心感とコストパフォーマンス、さらに魅力的なディレクター陣などが決め手となった。

効果
・運用の効率化
・顧客満足度の向上
・次の展開に向けた基盤づくり

TIPS
会員システムとの連動を実現するにあたっては、「CMS+小規模なシステム開発」の組み合わせを選択することで、短期開発が可能になり、一方でデザインの自由度も確保できる。

同社のサイト構築において肝となったのは、TIPSにも挙げた会員システムとの連動です。これについて林は次のように説明しました。

「見せるページまではCMSで生成し、応募する、ログインするといった部分だけシステム開発する。フルスクラッチだとバグフィックスが難しくなりますが、CMS+小規模なシステム開発の組み合わせなら、コストパフォーマンスがグンと高まります。ECサイト、人材紹介サイト、不動産検索、会員サイトなど、幅広いジャンルで多様なニーズに応えることが可能な組み合わせだと思います」

さらに、キッズステーションのご担当者3名も登場。こちらも生の声を聞くことができました。
「既存サイトも併せて2サイトの構築が同時進行だったので、ロフトワークのように、プロジェクトマネジメントができる制作会社でないと大変だったと思います。我々は放送局なので即時更新が原則です。これまで外注とキャッチボールしながらやっていた更新作業を、自分たちだけでクローズできるようになりました」(大木様)
「Webの知識がまったくなかった私が、今現在更新を担当していて運用もできています。CMSは改めて便利だなと思いました」(塚原様)
「CMSは非常に高い可能性を感じさせてくれました。今後Webを使って放送局に何ができるかを考える、よいきっかけにもなりました。リーチしたいターゲットにリーチできるという意味で、今回のサイト構築は大きな成果だと感じています」(大久保様)

事例3:島津製作所 グローバルサイトのリニューアル(2006年12月〜2007年5月)

課題
手作りで複数の部署が個別にページを制作してきたため、サイトが巨大化し、ユーザビリティやページ遷移が複雑化。更新スピードも遅い。

解決策
大規模なサイト構築、強力なサイト管理、多言語対応、ワークエリアによる世界レベルでの分担作業などを得意とするTeamSiteと、更新作業の容易な WebRelease2との連携(プラットフォーム全体をTeamSiteで、頻繁な更新が必要な部分をWebRelease2で構築)。

ロフトワークを選んだ理由
・高度で幅広いCMSのノウハウ
・短期間で大量のコンテンツを移行可能な制作体制(約800コンテンツが移行対象)
・グローバルデザインのベースを作るデザイン力

効果
・世界中からのアクセスに対する商品情報の的確な提供
・サイト内のデザインレギュレーションの策定
・運用の効率化

TIPS
・各国からの反発を考慮して展開方法を考える。
・情報量が大きく異なるコンテンツに柔軟に対応できるよう、幅広い階層に対応するテンプレート構造を実現する。
・確実なコンテンツ移行を可能にするため、誰が?どのページを?部門間調整は?品質管理は?といったことを詳細にわたって検討しておく。

残念ながら本事例は京都のお客様であるため、会場で生の声を聞くことはできなかったものの、林がお客様から預かったメッセージを紹介。中でも「Webサイトは作ったら終わりではなく、ここが始まりです」という言葉が印象的でした。
※同社の事例はこちらでもご覧いただけます。

また、林からは全体を総括するような、こんなエピソードも紹介されました。
「ある方から“Webサイトをつくるときに大切なのはABCだよね”と言われました。当たり前(Atarimae)のことを、バカ(Baka)にせずに、ちゃんと(Chanto)やる! 確かにそうなんですね。きわめて当たり前のことをきちんと積み重ねることが、使いやすいサイトを実現するコツです」

ユーザーの視点でCMS導入を見つめた今回のセミナー。プロジェクトを成功させるためのヒントがたっぷり詰まった、密度の濃い3時間でした。

次回セミナーのご案内

ASCII.jp Web Professional、loftwork WebExpert

  • 開催日時 : 2010年03月26日(金) 16:00~18:30(受付開始 15:40)
  • 場所 : loftwork Ground 【 地図・行き方
  • 参加費 : 無料

書籍「現場でプロが培ったGoogle Analyticsの使い方」(アスキー・メディアワークス発行 2010/2/15)の発売記念イベントを開催します。

お問い合わせ

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TEL 03-5459-5123



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