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「Web系専門誌」の編集長が2009年のWeb業界を大予測!

技術においてもサービスにおいても進化を続けるWeb業界。メディアとしての価値も高まるなか、これからのWeb業界はどこへ向かうのか、企業はWebをどのように活用しようとしているのか。今回ロフトワークが運営するウェブエキスパートの特集企画として、Web業界の最先端を走る個性派ぞろいのWeb系のメディアの編集長をお招きし、2009年のWeb業界について議論を交しました。

座談会メンバーはWeb担当者Forum 編集長 安田英久氏(インプレスビジネスメディア)、Web Site Expert 編集長 馮富久氏(技術評論社)、日経ネットマーケティング 編集長 渡辺博則氏(日経BP)、Web Designing 編集長 馬場静樹氏(毎日コミュニケーションズ)、ウェブエキスパート 諏訪光洋(ロフトワーク)、モデレーター 林千晶(ロフトワーク)の計6名。スピーカー、モデレーター入り混じっての活発な意見が飛び交う座談会となりました。

編集長が気になる2009年の注目サービス

ウェブエキスパートのトップ画面/ロフトワーク 諏訪光洋ウェブエキスパートのトップ画面/ロフトワーク 諏訪光洋

モデレーターの林が2009年の注目サービスについてたずねると、最初に渡辺氏が「2009年の企業のWebサイトはメディア化が進み、目的や作り方が変わっていくと思います。その上で、サイトに訪れた人に満足してもらうための「おもてなし」が重要になっていくでしょう」と口火をきりました。

安田氏は「ユーザー中心設計」に注目し、マスではなく個のニーズをとらえ、プランニングやサポートの仕方を設計することの重要性について語りました。

馮氏は「生中継の動画サービス」。「Ustream.tv」や「Stickam」などの無料ストリーミング配信サービスやその利用事例を紹介し、アーカイブ主体だった映像がライブの利用が増えている状況を報告しました。またmixiや楽天など日本で拡大を続けるサービスなどを紹介し、2009年は日本から世界へ発信されるサービスの登場についても期待をよせました。

日経ネットマーケティング 編集長 渡辺博則氏日経ネットマーケティング 編集長 渡辺博則氏

諏訪は、民放キー局2社が赤字決算の発表について取り上げました。ブランド構築におけるテレビの役割が減少する一方、Webの役割が増大している状況について触れました。

馬場氏は、2009年は2008年の延長上にあるということを踏まえた上で、2008年に盛り上がった「ActionScript 3.0を使った新しい開発コミュニティ」の今後の展開に注目しました。参加できるクリエイターの種類や質も変化していく状況にあるActionScript 3.0は、2009年さらに大きなインパクトを与えるだろう、と語りました。また、4~5年前と比べて、クリエイティブとしての注目度が格段に高まっているWebは2009年は一層おもしろい年になるだろう、と話しました。

残るサービス、残らないサービス

厳しい経済状況において企業側は「本当に成果の出るWebサービスだけが欲しい」という雰囲気が高まっています。取捨選択が厳しくなる中で、以前は話題になったけれど今は注目されないサービス、または今後残っていくと思われるサービスについてたずねました。

Web担当者Forum 編集長 安田英久氏Web担当者Forum 編集長 安田英久氏

例えば「Second Life」。一時期、企業が盛んにSecond Lifeの関連事業を発表したのは、新聞がすぐに取り上げたから、と安田氏。馮氏は、ハイスペックなPCが必要だったことや欧米的な3Dのアバターも日本人の一般ユーザーになじまなかったと指摘しました。また、安田氏は「日本は5・7・5の文化」のため、制約のあるほうが日本人は実力を発揮する。Second Lifeのようになんでもできるものは日本人には合わない、と分析しました。

安田氏は注目サービスとして「インタレストマッチ」や「マイクロアド」のような「行動情報をトラッキングするネットワークサービス」をあげました。

諏訪は話題になったものとしてガジェット・ウィジェットを紹介しました。プロモーションなどで一時期盛んに配布されたガジェット。しかし、これらの技術は単体で生まれて消えていくのではなく、ガジェットの開発がJavaScriptの進展へつながるなど、何らかの形で受け継がれていくという「継続性」についても着目しました。

DENPA!のインパクト

Web編集長座談会Web編集長座談会

林は注目イベントとして11月中旬に開催された「DENPA(電刃)」を取り上げました。「アニメとファッションとエレクトロの融合」をテーマにし、ニコニコ動画、コスプレ、クラブカルチャーの要素を混ぜ合わせたDENPA。YouTube映像を座談会で紹介すると、混沌としながらも人を惹きつける盛り上がりをみせています。まだほとんどのメディアに紹介されていない中、各メディアにその印象をたずねました。

馬場氏は、DENPAのようなムーブメントを1990年代のパソコン、1990年代末のケータイになぞらえ「社会になんらかの影響を与えるかもしれないが、それが直接的なものかどうかはわからない」とコメント。「でもDENPAはちょっとカッコいいなと思わせる何かがありそう」。安田氏は、DENPAは「文化としてはおもしろい動き」と評価しつつも、売上アップやブランディング効果などが明確にならないと、企業は協賛したりすることはないだろうと指摘しました。

ウェブエキスパート 諏訪光洋ウェブエキスパート 諏訪光洋

すると諏訪が「DENPAはとても面白そうで行きたかったけれど・・・行けなかった!」と告白。30~40代のプロデューサーやディレクターなど、リーダー的な存在の人が関心をもつ要素が多く、その層が集まるならば企業も魅力を感じる可能性がある、と指摘しました。

一方、馮氏は、イベントのクリエイティビティがとてもおもしろいので、無理にビジネスにつなげず、「文化」で完結してもよいかもしれない、との意見を投げかけました。

企業のマーケティングという流れをうけ、林はカルチャーの異なるWebとケータイにおいて、マーケティングのポイントについて渡辺氏に尋ねました。渡辺氏は、マクドナルドの事例をあげました。ケータイサイトはもともとよく来店する人をターゲットにしてクーポンを使ってもらい、Webサイトは普段あまりマクドナルドに来ない人に訴求こすることを目的にリニューアルが行われたという、メディアの使い分けが進んでいる状況を紹介しました。

目利きが気になる、企業の注目技術

Web Site Expert 編集長 馮富久氏Web Site Expert 編集長 馮富久氏

馮氏の注目サービスは「クラウドソーシング」。その例として、リクルートのメディアテクノロジーラボの、仕事を求める登録クリエイターと、クリエイティブを求める企業のユニークなマッチングサービス「C-TEAM(シーチーム)」を紹介しました。渡辺氏は、amazonの提供する「windowshop.com」。訪れた人にオススメを次々とflashで表示させ、あたかもウィンドウショッピングをさせるように、購買意欲を喚起していきます。

安田氏は、JavaScriptを上手く活用して使いやすいインターフェースを実現したエディ・バウアーのUSのショッピングサイトを紹介。馬場氏はIKEAのWebサイト。レイアウトされた部屋のイメージを画面上に流し、クリックすると個別の商品説明を表示させる流れで、実店舗と同じIKEA商法を展開しブランディングの統一を図っています。

2009年、企業のWebサイトはどうなる?

Web Designing 編集長 馬場静樹氏Web Designing 編集長 馬場静樹氏

最後に林は2009年の企業のWebサイトの展望についてたずねました。馬場氏は、Webサイトが、会社や商品の印象を大きく左右する時代が来ていることをふまえ、大型な広告・宣伝費は削られたとしても、企業価値・商品価値に直結するWebサイトは強化されていくと語りました。

馮氏は、「サイトの「おもてなし」が重要視される中で、作る側のサイトに対する思いもデザインしながら、作り手の温度を相手に伝えてくこと」の大切さを説きました。

諏訪は2009年企業サイトについて2点ポイントをあげました。1つめは、企業はWebのようなきちんとした情報を発信する手段の予算は削らない。2つめは、企業の中にいる個人がWebサイト上で発言するようになり、そのリーダーシップが企業をひっぱっていく。ディフェンシブな雰囲気をブレイクスルーするのは個人の力だと強調しました。

ロフトワーク 林千晶ロフトワーク 林千晶

安田氏は、2009年のWeb戦略には、目的設定とUCD(User-Centered Design、ユーザー中心設計)が求められるとし、ビジネス目的を明確にして、それを達成するためにユーザーをおもてなししていくことの重要性を語りました。

企業のWebサイトのメディア化が進むなか、その振る舞いを強化して、訪れた人が満足するWebサイトにしていくことが、企業の業績にもつながっていく、と渡辺氏は語りました。


林はスピーカーの話を受け、来るべき2009年は、「ツールは何する?」という目先の話しではなく、「誰に?」「何をしたいの?」という本質的なところからはじめていく必要があるのでしょう、とまとめました。

>> 座談会の記事全文はロフトワークの「ウェブエキスパート 『Web関連メディアの編集長がWeb業界の2009年を大予測!』」に掲載。

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