Home > セミナー・イベント > サイト内検索でユーザーを導く!検索が生む新しいマーケティングとサイト構築手法
企業のWebサイトが保持する情報量は加速度的に増え続けており、Web担当者やマーケティング担当者にとっては、必要な情報にユーザーをどう導くかが大きなテーマとなっています。そこでロフトワークは、2009年4月23日、解決策として期待される「サイト内検索」にフォーカスしたセミナーを開催。検索市場をリードする講師陣を迎え、先進企業の事例紹介を交えながら「サイト内検索」の今に迫りました。

セミナー前半では3社の検索技術が一堂に会するとあって、自ずと参加者の注目が集まりました。まずトップを切って紹介されたのが、株式会社SyncThoughtの全文検索型エンジン「SyncSearch」です。
代表取締役社長の海野修自氏は冒頭で、「サイト内検索」の考え方について「WebサイトをDB化することによって、最短で商品情報に到達できるようにすること。GoogleやYahoo!などのWebサイト検索との大きな違いは、特定のサイトを検索する点。Webサイト検索とサイト内検索とではユーザーの気持ちにも違いがあり、後者では絶対的に検索精度が要求されます」と説明。
さらに、その基本的な仕組みを解説し、ログに保存された検索キーワードにこそ、次の戦略を考える上でのヒントが隠されていると強調。グラフレポート、検索・クリックランキング、ミッシングワード分析など、SyncSearchの管理画面で見るログを提示しながら、集めたログから検索キーワードの傾向を分類し、仮説を立てて改善策を練ることが重要だとしました。
また、海野氏は導入時の考慮点にも言及。「検索技術の進化に伴い、機能の充実に加え、ASP型やSaas型など、利用形態における選択肢も増えています。重要なのは、必要な機能や現行のWebサイトに合わせて最適なものを選ぶこと。できるだけデモサイトを作成して検討しましょう」と語り、製品の評価ポイントとして次の点を挙げました。
・検索精度が高い+検索精度のチューニングが行える
・大規模かつ複雑なサイトに対応できる
・デザインの自由度が高い
・料金が高すぎない
・サポートが手厚い(数年先まで安心して使える)
最後に海野氏は、これらを網羅する「SyncSearch」の特徴的な機能群を駆け足で紹介。「当社は無料でデモサイトを作成しますよ」とアピールしました。

「SyncSearch」の導入ユーザーとして、遠く金沢から応援に駆け付けた株式会社アイ・オー・データ機器の山崎義彦氏。海野氏の紹介を受けて登場した山崎氏は、サイト内検索の導入経緯を振り返り、「コンテンツのカテゴリーが増えすぎて探したい製品が見つからない。それなら導線を短くしようと、トップに情報が集中し、ついには場所取り合戦です。しかも社内の都合で決めた配置は、必ずしもユーザーのニーズとは合致しません。せっかくページを作ってもページが探せない。これではいかんということで導入を決めました」と語りました。
続いて、具体的な検索キーワードを例に、Webサイト検索とサイト内検索の違いを説明。検索の実演を通じて、Webサイト検索ではヒットしないものが多数存在することを強調しました。また一方で、「サイト内検索でヒットしても、それが古い情報だったりすれば、逆にイメージダウンや顧客の離反につながりかねない」と山崎氏。「SyncSearch」の導入は、こうした事実を正確に把握し、再考するきっかけにもなったとして、次のようなメリットを挙げました。
・サイト内でのユーザーの行動や目的が見える
・隠れたヒット商品を発見できる
・キーワードのチェックができる(SEO対策)
・被リンクのないページへの導線を確保できる
▲SyncSearchによるサイト内検査結果画面,検索システムを使ったプロモーションも可能に
さらに具体的なメリットに踏み込み、「同義語設定により、たとえばBlu-Ray、Blue-Ray、Blue-Layなどのキーワードの揺れにも対応できます。また、意外なものが重要なコンテンツであることがわかったりします。それから、ユーザーに長いURLを伝える必要がなく、PDFも検索対象にできるので、サイト内検索を使って製品マニュアルのダウンロードページへ誘導することも可能です」と説明。最後に導入の心得を提示し、経験者ならではアドバイスを送りました。
[サイト内検索導入の7つのポイント]
・導入前にコンテンツを整理せよ
・できればCMSを先に導入せよ
・昔のコンテンツを見つけて社内レビューせよ
・良いと思ったら1ヵ月以内に導入せよ
・SEO対策は導入後に考えろ
・検索窓は目立つ位置に設置せよ
・サイト内検索を使ってキャンペーンを実施せよ

続いて紹介されたのは、ファスト サーチ & トランスファ株式会社の「FASTソリューション」です。三原茂氏が「FAST社をご存じない方も、なんらかの形で当社のテクノロジーには触れられているはず」と語るとおり、FASTは、楽天やkakaku.com、ヨドバシカメラ、TSUTAYAなど、大手のECサイトや大企業のWebサイトで採用されている検索技術です。
「約8割の人が、検索結果は最初の3ページしか見ないそうです。この3ページの中に全部を入れるのは難しい話。ここに検索の限界があります。つまり、もはや単なる検索では事足りないということ。そこで、企業が出したい形で出してあげる、ユーザーが出してほしいと思うような形で見せてあげる。そんなミドルウェア的な役割が必要になってきています」と三原氏。
さらに、こうした考え方に基づくFASTを「ユーザーエクスペリエンスを高め、情報への『アクセス』と『提供』を行うプラットフォーム」と定義し、論より証拠として同社のユーザーサイトを紹介しました。
●楽天市場 http://www.rakuten.co.jp/
3,300万ものアイテムの中から的確な結果を短時間で導き出すため、ジャンルで絞り込み欲しい商品に近づけていく。
●フォレント http://www.forrent.jp/
「こだわり条件を指定する」というポップアップを出して、探したい物件の絞り込みが行える。
●BIGLOBE温泉「感性検索温泉版」 http://kan.navi.biglobe.ne.jp/onsen/
お湯のフィーリングや評判など、キーワードだけでは表現が難しいもの(個人の嗜好や状況説明等)を検索させている。
「お気づきのとおり、どれもキーワードを1つも入力せずに検索させています。これが『ゼロタームサーチ』と呼ばれるもので、みなさんが一番避けたい『0件ヒット』を防止することができます。ユーザーに検索させるというより、ユーザーの意図を汲み取りながらナビゲートする、という考え方です」(三原氏)。
パフォーマンスを損なうことなく、ダイナミックに検索結果を絞り込んでいく仕組み。これこそがFASTの大きな強みであり、ユーザーの「想い」とサイトの「コンテンツ」を結びつけ、さらに「探す」と「ユーザーエクスペリエンス」をも結び付けるプラットフォーム、という三原氏の言葉に、多くの参加者が大きくうなずいていました。

セミナーの前半を締めくくるセッションで、3つ目の検索技術として紹介されたのが、Googleが提供するサイト内検索サービスです。無償と有償という以外にも、いくつかの選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。意外に活用方法が知られていないというGoogle Searchについて、導入ユーザーでもあるロフトワークを代表し、システムDiv ゼネラルマネージャー富久尾和之が解説しました。
Googleが提供するサイト内検索サービスには、次のような種類があります。
●Googleフリー検索(無償)
無料で簡単に設置できる。ノンカスタマイズ版とカスタマイズ版があるが、あらゆる点で制約は多い。
●Google Custom Search(無償)
検索対象となるサイトを指定し、自社のWebサイトに検索ボックスを設置。簡単なカスタマイズが可能で、複数サイトの横断検索にも対応。ただし、広告が表示されてしまう。
●Google Site Search(有償)
自社のWebサイトに検索ボックスを設置。サイト内のみの検索が可能で、独自のデザインへの変更や、検索結果のカスタマイズにも対応。広告も表示されない。デメリットは、大規模になればなるほどコストがかかること。
●Googleアプライアンス(有償)
アプライアンスと呼ばれる専用機器(筺体)を導入する。カスタマイズが自在に行えるため、企業内に技術者がいる場合にはお勧め。初期コストはかかるが、長期的に見れば低コストで抑えられる可能性がある。
「Google以外にも、Yahoo!やMicrosoftなど、ソリューションの選択肢はいろいろあります。それぞれの特徴と強みを把握し、自社のWebサイトに最適な検索ソリューションを選択することが大切。そうは言っても何がベストなのかわからない!といった場合には、ぜひロフトワークへご相談ください」と富久尾。CMS製品と同様に、特定の製品や技術に縛られないロフトワークの良さをアピールしていました。
SyncSearch、FAST、Google Search。この3つの検索技術を通じてサイト内検索のさまざまな可能性が見えてきたところで、Web制作現場に視点を移した後半のセッションにも期待が高まりました。
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