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広告費はウェブに集中!成果を生み出すサイト作りに求められるKPI設定と実装

広告費をウェブに集中的に投入する企業が増える中で、「ウェブの費用対効果を高めるためにはどうすればよいのか?」に関心が集まっています。ウェブは他の媒体に比べて効果を測定しやすい特性があり、その意味でも、明確なKPI設定が欠かせません。しかし、いざKPI設定と言われてもピンと来ないWeb担当者も多いはず。

そこで2009年5月28日、株式会社ロフトワークは、このKPI設定と実装をテーマにサイト作りのあり方を考えるセミナーを開催。会場となったコニカミノルタ デジタルイメージングスクエアには、降りしきる雨の中を大勢の参加者が詰めかけました。

企業のマーケティング戦略に見るグランズウェル

今回のセミナーは、Web制作会社、CMSベンダー、Web担当者のそれぞれの視点で、KPI設定と実装についての考え方を語るという3部構成です。トップバッターには、セミナーの主催者である株式会社ロフトワークから代表取締役の林千晶が登壇。後に続くセッションの前段として、どういう視点でKPIを考えればよいのか?について語りました。

企業のマーケティングで確実に進行するGroundswell(地殻変動)企業のマーケティングで確実に進行するGroundswell(地殻変動)

まず「“グランズウェル(地殻変動)”という言葉をご存じでしょうか」と切り出した林は、企業のマーケティング戦略においても“グランズウェル”が起こっていると指摘。マーケティング費用の大半をテレビに投入するのではなく、Webを中心としたコミュニケーション設計を行う時代だからこそ、費用対効果を測るためのKPI設定が重要になってくると強調しました。

では、どうやってKPIを設定すればよいのでしょうか。ここで林は、ダイエット中の女性を例に、まずKPI設定の基本的な考え方に言及。
「毎日体重計に乗り、それこそグラム単位の変化に一喜一憂する女性。でも、体重が減ることが、果たしてその女性の魅力を高めるための指標なのかは疑問です。これと同じで、ユニークユーザーやページビューだけがサイトの魅力を表現するものかどうか。数値だけ良くても、事業の目的に貢献していない状況もあり得るわけです。KPIは指標であって、一喜一憂すべきものではありません」。

コマースサイトで想定されるKPIとリード獲得型の企業サイトで想定されるKPIが異なるように、サイトの目的や目標によってKPIも変わります。何よりも重要なのはサイトの目的と目標であり、ここからブレークダウンしていくことが大切だということです。林はさらに、ロフトワークが手がける最新プロジェクトの事例を示しながら、KPI設定のプロセスを解説。

「まず目的や目標を洗い出し、そのための必要な手段を明らかにした上でKPIを設定します。さらに、KPIを見る担当者、タイミング、最後に指標の使い方(どういうアクションを取るべきか)までを明らかにしておくことです。このプロセスを経ることで、サイト作りも自ずと変わってきます。従来の設計とは逆で、詳細ページやフォームの設計からスタートし、それらをどう束ねるべきかというアプローチになります」。

最後に、「KPIは、目的や目標を可視化し、そこへ近づくための体重計として活用すべき!」と林。ユニークユーザーやページビューだけに振り回されないためにも、いかに自社にとっての適切なKPI設定が重要かを認識する必要がありそうです。

何よりも優先すべきはコンテンツの品質向上

CMS製品のTeamSiteやROI測定ツールを提供するインターウォーブン・ジャパン株式会社。同社第一営業部 部長の並木昌一氏がセッションのテーマに選んだのは、「CMS導入の意義」。収益に貢献するサイト作りにKPI設定が重要である一方で、ウェブへの投資に対して経営層の理解が得るためには、CMS導入により実現される定性的効果ならびに定量的効果が強力な説得材料になると説明。並木氏はTeamSiteを例に、その具体的な効果を紹介しました。

「ワークフロー」により業務を可視化、システム化し、修正作業や承認プロセスの透明性を確保「ワークフロー」により業務を可視化、システム化し、修正作業や承認プロセスの透明性を確保

<定性的効果>
●コンプライアンスの強化

コンプライアンス対応には「バージョン管理」を行うことで、監査証跡を確保できる。また、「ワークフロー」により業務を可視化、システム化し、修正作業や承認プロセスの透明性を確保することが可能。

●危機管理対応力
通常ページとは別に緊急用のテンプレートとワークフローを用意しておくと、緊急時には、ワークフローを構成するメンバーや、全ページのヘッダー情報などを一気に変更できる。

●ブランド管理強化
ブランディングを考慮したテンプレートをベースとすることで、全社的なブランディングやデザインガイドラインを守りつつ、自由度を持たせた運用が可能になる。さらに「複数ブランドサイトの統合管理」により、ブランドごとのやり方を継承しつつ一元管理が行える。

コスト削減効果の高い領域コスト削減効果の高い領域

<定量的効果>
●コスト削減

削減効果の高い領域には、「レビュー/承認業務の効率化」、「コンテンツ制作の内製化」、「共通コンポーネントの再利用性の向上」、「次期リニューアル時の大幅な効率化」、「テストサーバー、共有ファイルサーバーの統合」、「配信作業などの人的オペレーションの自動化」などがある。

●売上向上
「うちはECサイトじゃないから関係ない!」ではない。ネット上で製品を販売していなくても、企業サイトが顧客の購買行動に何かしらの影響力を与えている以上、売上貢献度を測る手法も存在する。

ここで、「売上貢献度を測る上では、セグメントという考え方が重要になってきます。想定される顧客のタイプによって複数のセグメントに分類し、ターゲティングされた顧客体験(コンテンツ)を提供していかなければなりません」と並木氏。さらにCMSベンダーの視点から、「コンテンツが充実していないところでターゲティングをしても効果はありません。まずはコンテンツの品質を上げることが先決です」と強調し、セッションを締めくくりました。

制作・運用環境の効率化で課題の50%以上が解決

セミナー参加者と同じ悩みを抱える者として、自社の事例を通じてより実践的な話を展開したのは、コニカミノルタ情報システム株式会社ソリューション本部 コンテンツシステム部 制作・運営グループリーダーの塚田広造氏です。同社には、2003年の会社統合をきっかけにTeamSiteを導入し、それ以降も、数多くの大企業に対しTeamSiteの導入・開発を行ってきた経験とノウハウがあります。

動的/静的CMSの特性の違い動的/静的CMSの特性の違い

塚田氏は、「コンテンツの制作・運用環境を効率化するだけでも課題の50%以上が解決できるはず」と語り、導入効果を短期間で創出し、初期ROIを獲得することの重要性を強調。そのためにはCMSの特性の違いを踏まえたKPI設定を行うべきとして、その基本となる考え方を中心にセッションを展開しました。

塚田氏が取り上げたのは、動的CMSと静的CMSの違いです。「動的CMSはコンテンツ量が多くなると、使い勝手が急激に悪くなる恐れがあります。一方、静的CMSは、大量のコンテンツのハンドリングが容易で、サイト規模が大きいほど投資効果が大きくなる。それぞれに強みと弱みがあり、これを理解した上で両者をうまく使い分けることです」と塚田氏。さらに、この考え方に基づき、次の2つのKPIをどう捉えるべきかについて説明しました。

KPIその1:導入費用
動的CMSはコンテンツのすべてをDBに登録する必要があり、移行するコンテンツ量と導入時間は比例する。静的CMSでは、単純なファイルの移動で1次導入作業が行えるため、1,000ページを超える場合は優位性が高い。

KPIその2:運用効率
動的CMSでは、コンテンツの配信や履歴管理はDBに登録されたファイル単位で行われるため、コンテンツ量と作業時間は比例する。静的CMSでは、サイト単位で一括して作業が行えるため、1日の作業量が多いサイトでは優位性がある。

一方で、次の3つのステップを通じてCMSの導入から利用までを効果的に実施することも重要だとします。
STEP1:TeamSiteによる効率的なリポジトリ(入れ物)の確保
STEP2:コンテンツ構造化(XML化)による運用の効率化
STEP3:構造化されたコンテンツの再利用による水平展開


豊富な実績に裏付けられた説得力あるプレゼンに会場の視線が集まる中、最後にTemaSiteの基本概念と自社が手がけた導入事例を紹介。ここでも、KPI設定と実装によりROIを向上させるためには、「リポジトリの確保」、「コンテンツの構造化」、「コンテンツの再利用」の3つが鍵となることが強調されました。



全セッション終了後に行われたパネルディスカッションでは、講師陣を中心に、CMS導入をめぐる経営陣の説得方法について、さらに突っ込んだ議論が展開。さまざまな意見が飛び出したものの、やはり、1つの視点としての「指標」が重要になることに相違はないようです。

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次回セミナーのご案内

ASCII.jp Web Professional、loftwork WebExpert

  • 開催日時 : 2010年03月26日(金) 16:00~18:30(受付開始 15:40)
  • 場所 : loftwork Ground 【 地図・行き方
  • 参加費 : 無料

書籍「現場でプロが培ったGoogleAnalyticsの使い方」(アスキー・メディアワークス発行 2010/2/15)の発売記念イベントを開催します。

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