Home > セミナー・イベント > 成功事例で解説!CMSプロジェクト全貌とリニューアルの効果
株式会社ロフトワークは、2009年8月26日、CMS導入にさまざまな不安を抱える企業のWeb担当者向けにセミナーを開催。実際に導入プロジェクトを成功させたクライアント企業の担当者とロフトワークの担当ディレクターが、その全容を徹底解説するというプログラムで構成され、会場(ベルサール九段)に足を運んだ多くの参加者が、ここでしか聞けない体験談に耳を傾けました。

セッション資料
CMS導入で得られる効果
挨拶を兼ねて最初に登壇した株式会社ロフトワーク代表取締役の林千晶は、意外にもCMSの本当の導入効果が知られていない実態を指摘。「導入検討中の企業からよく耳にする期待効果は、ページ制作費の削減、更新スピード、内部統制対応の3つ。大規模な投資を必要とするCMS導入ですから、これだけで社内の理解と承認を得るのは難しいでしょう」と語りました。
そもそも未導入企業に迷いや不安が生じるのは、CMSの導入効果が見えにくいことによるものと考えられます。そこでロフトワークが2009年7月に立ち上げたのがCMS学会です。学会の趣旨について、「未導入企業に対して効果を明文化し、費用対効果を測るための参考となる指標づくりを目指す」と林。
さらに費用対効果を考える上で、バランス・スコアカードの4つの視点(財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習・成長の視点)が重要になるとして、その理由を「担当者レベルでの効果を伝えたところで承認は得られません。経営サイドの視点で効果を提示していく必要があります。だからバランス・スコアカードなのです」と説明しました。
ここで林は、現在CMS学会で作成している指標の一部を紹介。4つの視点で抽出した重要成功要因と評価指標例の関係を示しながら、サイトが生み出す利潤の増大、顧客満足度と信頼度の向上、リスク対応力の強化、企画改善実施件数の増加、担当者のモチベーション向上など、多様な効果に言及。CMSが単に制作単価を下げるだけのツールではないことを強調し、このことを実証した3社のセッションへと引き継ぎました。

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運用コスト削減と更新性向上を実現したCMS導入
1件目の成功事例はオムロン株式会社。5つの事業領域のうち、制御機器・FAシステムを扱うIABカンパニーの商品情報WebサイトでCMS(WebRelease 2)を導入。定型フォーマットで仕様情報を紹介する商品詳細ページではなく、より深く商品の魅力を発信していくための特設ページをCMS化した事例です。CMSの導入目的は主に2つ。
1)デザインやHTMLの作成におけるレギュレーションの徹底、トーン&マナーの統一
2)販促費の大小に関係なく、顧客の求める情報を各部門が適時公開、更新できる体制の構築
プロジェクトを担当したロフトワーク チーフディレクターの前田は、「バラバラに立ち上げてきた統一感のない各特設ページを見直し、レギュレーションを決め、同時に外注コストを下げることも目標」と説明し、工夫したこととして次の2点を挙げました。
[工夫した点1]少ないテンプレート数(3テンプレート)で多様な構成パターンを作成。
[工夫した点2]社内での運用を視野に入れ、HTMLタグの知識がなくても表組みをそのまま掲載できる仕組み(表組みジェネレータの使用)を提案。
続いてオムロンの西川慈恩氏が、「ロフトワークの最適な提案内容と、非常にタイトな希望納期(1.5ヵ月)への対応を高く評価しました」と語り、プロジェクトの成功を次のように振り返りました。
●ロフトワークに依頼して良かった点
・的確なプロジェクト管理
・柔軟で迅速な対応
・運用負荷の軽減や使い勝手の向上に対する自発的かつ細やかな工夫
・コストパフォーマンスの高さ
●CMS導入の効果
・ユーザー説明会も不要で、WEB推進課の負荷が軽減。
・社員が楽しみながらCMSを使用でき、情報公開や更新が活性化。
・企画から公開までのリードタイムが大幅に短縮。
・汎用性の高いテンプレートにより、開発リソースに起因するボトルネックが解消。
・ライセンス購入(上限500ページ)により、ランニングコストはほぼなし。
最後に西川氏は、オムロンの創業者の理念から「機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきである」という一節を紹介。「社内でのプレゼンの際に、自動化できるものは自動化すべきであるというこの理念も引き合いに出しました。これにはさすがに、誰もノーとは言えないですよね」と裏話を披露し、会場の笑いを誘っていました。
レイアウト自由度の高さと、既存ページとの統一感の両立をCMSで実現。短期間且つ低コストで導入した事例の詳細はこちらからもご覧頂けます。

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ユーザビリティと情報更新性を目指したサイトリニューアル
2件目の成功事例は金沢星稜大学です。すでにWebRelease 2を導入済みだった同学では、CMSの機能を十分に活かし切れていないとの反省から3つの目標を定め、リニューアルを実施。
1)入試・入学情報の検索性の向上
2)全教職員が情報発信できる運用体制の実現
3)等身大の大学のアピール
金沢星稜大学担当の井下桂子氏は、リニューアルの経緯について、「別の担当者が学内の学生向けサイトをWebRelease 2で制作していたため、それなら公式WebサイトもCMSベースで構築しようかと。なんとか自分たちで挑戦してみたものの、結果的にサイト構造やテンプレートにかなりの改善が必要になってしまいました」と振り返ります。
一方、プロジェクトを担当したロフトワーク ディレクターの川上は、こうした課題を解決するため、メインターゲットである受験生と情報発信に関わる全教職員の2つの視点で、より使いやすいWebサイトを目指したことを強調。ロフトワークとして注力したポイントについて説明しました。
[工夫した点1]複数名のディレクターが情報設計に参加して多角的にユーザビリティを検討し、情報の見せ方を工夫。
[工夫した点2]誰にとっても使いやすく、かつブランディングの確立に貢献するCMSテンプレートを構築。
続いて井下氏が、プロジェクトの成功要因と成果について総括。
●ロフトワークに依頼して良かった点
・プロの視点でのサイト設計、レイアウトの提案
・遠距離(東京←→金沢)を感じさせない迅速できめ細かな対応
・進捗状況や役割分担、責任範囲が明確に把握できる確実なプロジェクト管理
●リニューアル後の効果(※前年同月比)
・学内からのアクセス数192%増
・一人当たりのPV数154%増
・月間PV数193%増
「7月に公開したばかりなので効果の検証はこれからですが、学生からの反応も上々で確かな手応えを感じています。とにかく、全教職員が参加して本学の魅力を発信するというWebサイト運用の第一歩が踏み出せました。これまで敬遠していたような職員も、WebRelease 2のわかりやすいテンプレートに俄然やる気になっています」と井下氏。今後は、学生自らが積極的に情報発信する仕組みや、CMSを活用した携帯向けの情報発信なども検討中とのこと。CMSを核に新たな展開が見えつつあることを明かしてくれました。

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2006年CMS導入から進化し続けるサイト
プログラムの最後を締めくくったのは、ヤマトシステム開発株式会社のコーポレートサイトのリニューアル事例です。すでにWebRelease 2を導入済みだった同社の課題は2点。コンバージョン率の伸び悩みとユーザビリティの改善でした。
ロフトワーク チーフディレクターの前田は、「同社にとってのWebサイトは、問い合わせから受注へとつなげるための戦略的ツール。問い合わせ数を増やすと同時に、問い合わせフォームを見直してコンバージョン率を高めること、サービス詳細ページへの導線を確保することが重要な目標となりました」と説明。
そこで、この2つをクリアするため、ロフトワークは次のようなアプローチを提案したのです。
[工夫した点1]「CMSEO」により、ロフトワークとアイレップとの連携でSEO対策の施されたCMS設計を行い、SEOの土台を構築。
[工夫した点2]各種サービスの検索性を高めるため、「課題から探す」「キーワードから探す」「業種から探す」というように、ユーザー視点で複数の検索軸を用意。
「気づいたら一番いい提案をしてくれたのがロフトワークでした。リニューアル前は各担当者に更新を任せていたため、まるでネオン街状態。それでも自前でSEOをやったりCMSを活用したりして、一時は問い合わせが約1.5倍まで増えましたが、その後再び伸び悩んでしまったのです。最初から、ロフトワークのようにCMSの知識が豊富な“プロ”にお願いすべきでした」と語ったのは、ヤマトシステム開発の大木慎也氏です。
さらに大木氏は、プロジェクトの成功要因にロフトワークとの信頼関係を挙げつつ、リニューアル後の効果を数値で示しました。
●ロフトワークに依頼して良かった点
・きめ細かな対応
・パートナーとしての率直なアドバイス
・明確な理由と選択肢の提示
●リニューアル後の効果
・定性的効果:更新自由度の向上、レギュレーションの遵守、社内への認知、ユーザビリティの向上
・定量的効果:直帰率最大40%減、訪問者数15%増、エントリーフォーム流入後の離脱率10%減、セミナー申し込み率30%増
「関係者の協力を仰ぐためにも、その人たちにとっての直接的なメリットを見せてあげることは非常に重要です。何をしたからどういう効果につながったのか、定量的な数値は常に用意しておくべきですね」と大木氏。まだまだ改善の余地はたくさんあるとしながらも、「今後もWebサイトを進化させながら順次対応していきたい」と意欲を覗かせていました。
CMS+SEOによるリニューアルで、営業力を備えたWebサイトへパワーアップ。直帰率40%減。訪問者数20%アップを実現した事例の詳細はこちらからもご覧いただけます。
全セッション終了後に行われたパネルディスカッションでは、ロフトワーク代表取締役の林千晶がモデレーターを務め、各セッションで紹介されたCMS導入企業の代表が、事前アンケートや会場からの質問を議題にディスカッションを展開。
「CMSによるデザイン上の制約が伝える力を弱めることにはならない」「CMS導入が即コンバージョンアップにつながるのではなく、トライ&エラーが可能なプラットフォームが整ったと考えるべき」といった話には、経験者にしか語れない説得力があり、メモを取る参加者の姿も多く見られました。
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