Home > セミナー・イベント > 「関東ICT推進NPO連絡協議会総会記念フォーラム~CMで伝える“まち”の魅力、広がる地域のコミュニケーション~」
2010年5月28日、「関東ICT推進NPO連絡協議会総会記念フォーラム」が調布市文化会館にて開催されました。総会のテーマは、「CMで伝える“まち”の魅力、広がる地域のコミュニケーション」。
ロフトワークでは、「Roooots 越後妻有の名産品リデザインプロジェクト」や、「LOVE LOCAL: 地元CMコンテスト」、「GET Firefoxビデオアワード」等、クリエイターと地域や企業をつなぐコラボレーション企画を提供しています。今回は、ロフトワーク・林千晶が基調講演に登壇し、前田雅子が「わがまちCMコンテスト」の審査委員をつとめることで、多くの人が協働し、作り上げる「マス・コラボレーション」の可能性をお伝えしました。
電気通信大学学長・梶谷 誠氏
電気通信大学学長・梶谷氏は、「高度コミュニケーション社会」をテーマに、これからの価値観・コミュニケーション観について語られました。
梶谷氏によると、日本の戦後、最も値上がりをした商品は、値上がり率1333倍の「化粧品」。また、「戒名」も600倍の価格がつくようになったとのこと。「化粧品そのものの質が1333倍に跳ね上がったわけではないし、戒名に至ってはモノですらない。つまり、モノよりも“美しくなる”や“ありがたい”といった情報に価値がつく時代」と、現代の「高度情報化社会」についてわかりやすく解説されました。
このような情報が資源の時代においては、情報を使って何をするかが大事であり、「情報に基づく相互作用」=「コミュニケーション」が重要。ただの一方的な情報発信ではない、コミュニケーションについて電気通信大学でも考えていく時期がきたとのこと。
機械学会が「心を豊かにするものづくり=スローテクノロジー」を掲げ、技術者も「人間中心のイノベーション」を重視する等、工学や医学などの理系分野においても、コミュニケーションや情報の相互作用を重視する姿勢が近年急速に高まっています。これからはあらゆる分野で、コミュニケーション=「こころ」を大事にしていく時代がきたのだと、結ばれました。
ロフトワーク体表取締役・林 千晶
「Roooots 名産品リデザインプロジェクト」
ロフトワーク・林による基調講演では、日本が特有の観光資源や自然環境などを見直すきっかけとして、クリエイティブが持っている可能性について取り上げました。
林いわく、これからの時代のキーワードは、『マスコラボレーション』。今までの工業化社会はひとつの企業がルールを取り決め、その他の人が部品役になるといった、「1対N」の構造でした。しかし、これからは「N対N」、大勢の人が参加してものを生み出す時代です。
具体例として挙げられたのは、何百人もの地域住民とボランティアによって支えられる現代アートの祭典が地域振興を実現している越後妻有アートトリエンナーレなど。ロフトワークでも「Roooots 越後妻有の名産品リデザインプロジェクト」や、「LOVE LOCAL: 地元CMコンテスト」を開催するなど、クリエイティブの力で地域活性をサポートしてます。
これら多くの人が参加するマスコラボレーションが可能になったのは、インターネットインフラの普及など、ITによるところが大きく、もっと有効利用できるはずだと林は述べます。
「クリエイティブ・コモンズの考え方は、"All rights reserved"ではなく、"Some rights reserved"です」
ただし、自由でダイナミックなマスコラボレーションの障壁になりやすいのが、著作権の問題。たとえば、映像分野においては、誰かが作った音楽を無料で自分の映像作品に使用することは難しい。また、世界各国で著作権のルールや管理団体が違うので、国境を越えたコラボレーションもハードルが高い。すべては、現行の著作権法が、インターネットが登場するより以前、出版社やTV局など一部のプロにしか関係していなかった時代の産物ということによります。
そのような事態を打破するのが、インターネット時代における世界標準の著作権のルール「クリエイティブ・コモンズ(CC)」です。一定のルールを守り、みんなでクリエイティビティ共有していこうという提言を述べました。
フォーラムの最後は、いよいよ「わがまちCMコンテスト」の最終審査発表会。たくさんの応募作品の中から、入選13作品が順番に発表されました。
6人の審査員による最終審査を経て、みごと最優秀賞を受賞したのは、NPO法人栃木県シニアセンター(栃木県栃木市)作の「蔵の街 栃木市」。トロフィーと賞状が贈られました。
審査員コメント
「みどころが満載な観光地をよくまとめられました。映像のクオリティが高いです。栃木市は水路を中心に発展した町。盛んな商いがおこなわれ、その跡として蔵が残っている。それらの表現が、大変素晴らしいです。」
受賞者コメント
「景観がとても良い地域なので、撮影場所よりも編集に苦労しました。まさか受賞するなんてびっくりしました。栃木を知らない方も多いかと思うので、これをきっかけに、みなさんに知っていただければ嬉しいです。(栃木弁で喜びを表現すると)よかったぺー!」
審査員のロフトワーク・前田もプレゼンターをつとめ、努力賞と審査コメントを発表しました。
「中村明冬さん作『何処で見ても紅葉は美しい(北竜台公園)』は、リズムのいいナレーションがとてもおもしろい! 一緒に作品を見た、ロフトワークの社員もとても楽しんでいました。西村 郁さん作『ここは青梅、猫の町』(北竜台公園)』は、かわいいのはもちろん、温かみを感じる作品。まちに対する優しい視線が伝わってきました」
今回、学生からシニアまで、様々な人がコンテストに参加しました。自身が暮らす地域を見つめなおし、映像表現に落とし込むという過程に、意義を感じられていたようです。
「わがまちCMコンテスト」最後に記念撮影
審査委員長・伊藤氏(関東ICT推進NPO連絡協議会 代表幹事)
「今日受賞された方々は、本当に素直にわがまちの良いところを表現してくださった。素晴らしいことです。高度情報化社会においては、まず自分たちのアイデンティティを確認するところからはじまると思います。この企画を続けていくことで、よりクオリティを高め、地域のアイデンティティ確認に貢献していきたいです。これからも、ぜひふるってご応募ください。」
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