Home > セミナー・イベント > 改革を掲げるレナウンが語る!EC+コーポレート+CGMのシナジー 消費者と距離を縮めるWeb戦略プロジェクトの全貌

2010年6月30日、ロフトワークは、「改革を掲げるレナウンが語る!EC+コーポレート+CGMのシナジー ~消費者と距離を縮めるWeb戦略プロジェクトの全貌~」と題した無料セミナーを開催。レナウンのWebプロジェクトに関わったパートナー企業5社を迎え、“ここでしか話せない”プロジェクトの全貌も聞けるとあって、定員をオーバーする盛況ぶりでした。
主催者代表として昨今の企業Web戦略のあり方について語ったのは、ロフトワーク代表取締役社長 諏訪光洋です。「Web戦略は考えるべきことが大量にあり過ぎて、パートナー選びに頭を悩ますWeb担当者も多い」と切り出した諏訪は、「Do It Yourself. まずは自分たちでWeb戦略ポートフォリオの作成から始めてみてほしい」と提案。
Web戦略は、やりたいこと・やるべきことを可視化するポートフォリオマネジメントの仕組みと、適切なプロジェクトマネジメント、PDCAなどのパフォーマンスマネジメントの3層から構成されるものであると説明し、それぞれの重要性に言及しました。
中でも諏訪が強調したのは、PDCAをきちんと回せるプラットフォームを作ること。「現状の数値をどのようなスピードで、どう伸ばしていくかを考える。PDCAサイクルの中で新しい試みを実施していく姿勢も必要です。そのためにもプロジェクトはスケジュール重視。短期間で確実に終わらせましょう」と語りました。
セミナーの目玉となるセッションには、株式会社レナウン 戦略事業部 プロジェクトグループ プロジェクト担当 担当課長の斉藤淳氏が登壇。同社の新経営戦略RMAPを実現するためのWeb戦略と、パートナー5社との連携で挑んだプロジェクトの全体像を紹介しました。
「Web戦略を考える上では、レナウンが持つ財産は何かを自問自答するところから始まり、その財産を活かすためには、販売店以外にもユーザー接点を増やし、より強い信頼関係を築く必要があると判断。さらにそのために必要なことを考えた結果、それぞれに個別の役割を持たせた3つのメディア(コーポレートサイト、ECサイト、コミュニティサイト)と店舗の相互連動が重要になると考えました」と斉藤氏。
ユーザー接点の増加と新しい導線の確立、企業・ブランド価値の多面的かつ詳細な伝達、新規ユーザーの獲得と信頼の向上の3つを目的に、同社のWeb戦略のゴールは次の3つに絞られました。
こうして2009年11月にプロジェクトが発足し、半年間に3サイトのローンチに成功。その理由を斉藤氏は、「たとえば、プロジェクトメンバーに選出したのは、消費者の現場に近いキャリアを持つ人。これも、消費者目線での運営を見据えた重要な視点でした。我々はWebで何をしたいかが明確です。ただ、ITの素人集団ですから、Webで何ができるか、何を選択すべきかまではわからない。だからこそ専門性の高いパートナーとの協働が不可欠だったわけで、全員で“思い”を共有し、実現できたことが一番良かった点です」と分析します。
さらに、「それぞれに独自の強みを持つロフトワーク、CSKプレッシェンド、日本オラクル、エイベック研究所、デジタルワンの5社と連携したことで、単一企業ではカバーしきれない多様なアイデアや視点、情報を共有できたのも大きなメリット」と強調。最後に、プロジェクトを通じて実感したことをTipsとして紹介し、セッションを締めくくりました。

セミナーの後半では、レナウンのプロジェクトに携わった関係者が集結。プロジェクトにおける各社の役割の紹介とともに、各社の視点でプロジェクトを解説しました。
ECサイトの新規構築、CGMの新規構築、コーポレートサイトのリニューアルが3つの柱となったレナウンのプロジェクトにおいて、ロフトワークは主にプロジェクトマンジメントとCMS導入を担当。全体のプロジェクトマネージャーを務めた滝澤は、特に考慮したポイントを次のようにまとめました。
●理想と現実の調整
お客様からのご要望に対し、常に何を優先すべきか、このプロジェクトで成功させなければならないことは何かを考えながらご説明した。
●パートナー各社間の密な連携
メール、電話などの通信手段に加えて、プロジェクトチームのメンバー全員が閲覧できるオンライン上のコミュニケーションツールやドキュメントなどの共有ツールを積極的に活用。コミュニケーションロスの削減に努力した。
●消費者目線で考えたサイト設計
サイト設計にあたっては、最も購入につながりやすい導線を徹底追求。ECサイトでは、レナウンが積極的に情報発信するコンテンツを多数用意した。
ECシステムとフルフィルメントを担当したCSKプレッシェンドは、eコマース事業のサクセスのために生まれた企業であり、ファッションアイテムは最も得意とするカテゴリー。EC運営者の大切なリソースを商品企画やプロモーションに集中してもらうために、ECに関わる業務全般を支援。出荷から商品コンテンツの作成、返品の受付などの業務をすべて受け付けています。
今回のプロジェクトでは、ECサイトのオンラインショッピングシステム、売上管理システム、在庫管理システム、販売管理システムまでを含めて提供。ECサイトの構築にあたり、短期での立ち上げ、既存販売チャネルとの共存を特に意識したという高橋氏は、「当社がこれまでに経験したアパレルECで起こりえる問題を想定し、適切な業務フローを構築している」と強調。
さらに、ECサイトに関わる方へのTipsとして、次の2点を紹介しました。
レナウンが導入したCMSは、オラクルのコンテンツ管理システム「Oracle Universal Content Management(UCM)」。Oracle Databaseをベースとした強力なアーキテクチャを持ち、企業内のあらゆるコンテンツを一元管理するECM機能を備えているのが大きな特徴です。
渡邊氏が「ここがPDCAを早く回すためのCMSとして重要なポイント」と強調するように、CMSのテンプレートに入れる前にワードで原稿を書いたり、画像を変換したりといったCMSのボトルネックを解消できるのがUCM。ワードからそのままhtml記事を自動生成でき、画像データも必要な形式に自動で変換されるなど、公開までの前段階作業も含めて効率化。特に即時性が必要とされるニュースなどは、担当者が即アップすることも可能になります。
気になるECサイトとの連携は、レナウンの場合、CMSで作られたページとECのアプリケーション間で遷移をかけ、表には見えない形で深く連携しているとのこと。さらに、「小さく入れて大きく活用できるのも魅力」と渡邊氏はアピールしました。
「ダーバンコミュニティ」の構築を支援したのが、CGMマーケティングのエキスパートであるエイベック研究所です。瀬川氏は、「消費者の生声がどんどん意思決定に介入してきている。ここに企業CGMがどう関わるかに挑戦したのがレナウンです」と語り、企業と接して話をすることが、実はユーザーにものすごく重要な体験をもたらしていると説明。
「自分が貢献していることや必要性を感じてもらえていることが、企業との関係を著しく向上させる。このメカニズムを使って企業コミュニティの中に人をうまく呼び込み、商品だけではないロイヤルティの向上、その向上したロイヤルティを担保にしたプロモーションへの展開を考える。これが、CGM化しているインターネットにおいて私たちがやるべき施策」と語りました。
現在、CGMと接することで、当初持っていたアイデアを柔軟に変化させているレナウン。この変化こそが、お客様から見たときの“企業の本気度”に映るのだといいます。
実践型Webコンサルティング会社として、「収益」をあげるWebサイトを考え続けるデジタルワンは、レナウンのECサイトの構築と運営にあたり、現在も徹底的な分析と戦略構築を支援しています。「収益を上げていないWebは意味のない道具」と言い切る中谷氏は、ECサイトで押さえるべきポイントとして、ECならではのセオリーを押さえることと、Web版3C分析を実施することの2つを挙げました。
3Cとは、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)のこと。レナウンでのWeb版3C分析の説明にあたった椎名雅子氏は、「レナウンの場合、いい意味でも悪い意味でもターゲットと商材が幅広いという課題があり、あらゆるお客様が訪れるサイトをどうするのか、詳細な分析による戦略の強化が不可欠でした」と語り、具体的な調査方法や内容を紹介。
最後に「3Cの視点で自社のサイトを見直すことで、「ジツザイ化」することができ、自社の強みを出したECサイトを実現できる」とまとめる椎名氏に続き、中谷氏は「会社の中に絶対に成功させるという固い意志がないと厳しい」と強調しました。
全セッション終了後は、ロフトワークの君塚をモデレーターに、登壇者によるパネルディスカッションが行われました。これからのWeb戦略のヒントを得ようと、会場からも熱心な質問が飛び出し、有意義なやりとりが展開。登壇者からは、改めてチームワークの重要性を再認識させられる発言も数多く見られました。
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