Home > セミナー・イベント > 成功企業2社が語る、イントラサイト成功の法則 セミナーレポート

成功企業2社が語る、イントラサイト成功の法則 セミナーレポート

企業経営にとって重要なファクターのひとつである情報資産。組織内に散在する有用な情報の収集と成果につながる効果的な活用を後押しするのがイントラサイトです。そこでロフトワークは、2010年11月16日、エンタープライズWiki「Confluence」(コンフルエンス)を提供するアトラシアン社との共催でセミナーを開催。イントラサイトの導入企業2社をゲストに迎え、その成功の法則に迫りました。

イントラサイトはまだまだ進化する余地のある楽しい分野

Webで実現する情報資産管理

「イントラサイトって本当に難しいですね。まず、組織内の話なので情報が圧倒的に少ない」と切り出したロフトワーク代表取締役社長の諏訪光洋。さらに、ユーザーのリテラシーによってニーズが異なること、コストの比較が難しいこと、ステークホルダーが多く抵抗勢力が生まれやすいこと、明確なROIの算出は至難の業であることなどを指摘。実際、ユーザーが使いづらいシステムを強いられ、結局は塩漬けになっているケースも多いといいます。

ここで諏訪は、スターバックスが展開するソーシャルメディア「My Starbucks Idea」を紹介。顧客から募った500ものアイデアを採用してきたというこのサイトを例に、「こういう仕組みをなぜイントラサイトに取り込めないのか?1,000人規模の会社なら十分面白いことができるはず」と強調しました。

また、「イントラサイトのプラットフォームとしては、Webの文脈を持つCMSまたはWikiの選択がお勧め」とした上で、イントラサイトを成功に導くためのポイントとして次の4つが重要になると説明。

●Webである
デスクトップアプリは論外。情報発信のしやすさが肝であり、直接記述できるものの方が断然活用される。
●オープンである
外向けに公開できる情報はできるだけ公開することで情報が整理され、結果的に検索性が高まるメリットもある。
●シンプルである
優れたシステムを柔軟に取り入れるためにも、統合ではなく連携で十分。また、過剰なBPMはトラブルの元。組織は常に変化するという前提を忘れずに。
●見える化する
プロジェクトにおける情報の同期を確保するだけでなく、Twitterに代表されるプレゼンス情報や、コミュニケーションなどを見える化する。

最後に諏訪は、イントラサイトの導入支援も手がけるロフトワークをアピールし、「みんながもっと楽しく働けるための仕組みは、まだまだ進化する余地のある楽しい分野。ぜひイントラサイトを楽しんで使いましょう!」と締めくくりました。

CMSによる再構築で“負のスパイラル”を“正のスパイラル”へ

組織の活力を引き出す“真のポータル”

続くセッションでは、朝日新聞社 製作本部 IT推進セクションの山本忠俊氏が、2003年にCMSベースで再構築した従業員向けイントラサイト「社内ポータル」について紹介。同社の「社内ポータル」は、社内向けのあらゆる情報を掲示するほか、文字どおり各種業務システムの窓口(ポータル)ともなっており、約8千人のユーザーが利用しています。

山本氏はCMS導入前の課題に触れ、「ハードとソフトの保守切れが迫っていたことに加え、人に依存した運用に限界を感じていたこと、ホームページ作成ソフトの敷居が高いこと、デザイン的な統一感がなくてユーザーが使いづらい、情報を探しづらいサイトであったことなどが挙げられます」と説明。結果として、情報が更新されない→見られない→見られないから更新しないという“負のスパイラル”に陥っていたといいます。

ここから抜け出し、活発に更新される→情報がたくさんあるから活用する→みんなが見るから情報を更新するという“正のスパイラル”への変換を促したのがCMSでした。

ロフトワークとの二人三脚でイントラサイトの再構築に臨んだ山本氏は、さまざまなエピソードを交えつつ構築段階からその後の運用を振り返り、成功の主なポイントを次のように分析します。

●設計上の工夫
・1万ページ近くあったコンテンツのうち、アクセス数の多い上位階層ページのみを優先的にCMSに移行。結果として移行のコストと期間を適正化できた。
・既存のディレクトリ体系を継承することで、CMSでもコンテンツ作成者が違和感なく作業できた。
●プロジェクト進行上の工夫
・プロジェクト管理が非常に重要。ガントチャートだけでは遅延を招きかねないため、PERT図を使ってクリティカルパスを明確化した。
●運用上の工夫
・CMSはデータベースの塊。バックアップを疎かにしない。
・本番サイトと練習用サイトを用意。練習用サイトで十分に練習や実験を積んでから本番サイトに掲載できるようにした。

CMSの導入を機に、バラバラだったナビゲーションやデザインは統一され、必要な情報がすぐに探せる、行きたいところにいける理想の「社内ポータル」が完成。「イントラサイトが目に見えて活用されるようになり、以前は1日に0件~2件だった新着情報が5件から10件に、コンテンツ作成者が50人から4倍の200人規模になるなど、大きな成果を上げています」と、山本氏は当初の目的を達成できたことへの満足感を語りました。

誰でもWordライクに簡単に扱えるエンタープライズWiki

先端事例から学ぶWiki活用事例

イントラサイトのプラットフォームとして、CMSと並んで有力な選択肢となり得るのがWiki。そこで3つ目のセッションでは、アトラシアンの大澤俊介氏が、世界で最も活用されているエンタープライズWiki「Confluence」の紹介を行いました。

「エンタープライズWikiの用途には、イントラネットとして活用するケースのほか、テクニカルなドキュメント(マニュアル、インストールガイドなど)として利用するケース、ナレッジマネジメント(情報共有、コラボレーション)に活用するケースがある」と大澤氏。さらに企業ではセキュリティが重要になるため、Confluenceのようにアクセス権限の制御が容易に行える製品が求められるとのこと。また、セキュリティに配慮されているかどうかが、オープンソフトウェア製Wikiとの一番の違いでもあるといいます。

ここで大澤氏は、「イントラサイトの事例はなかなか公開されないので紹介しにくいのですが」と前置きした上で、国内でも多くの企業がConfluenceをイントラサイトに活用していることを強調(これらの事例の詳細はアトラシアン社のブログにも掲載)。一方、外向けに公開されているサイトの代表例には、IBMやSAP、オラクルなどが展開するディベロッパーコミュニティがあり、開発者同士の情報共有の場として積極的に活用されています。

しかし、Wikiは「編集が難しいのでは?」などと敷居が高いイメージを持たれることも事実。「現代のWikiは違います。従来のWikiとは別物と思っていただいた方がいいでしょう。誰でもWordライクに、簡単に扱うことができます」と語る大澤氏は、百聞は一見に如かずとして製品デモを実施。あらゆる操作が直観的に行えるConfluenceの使い勝手の良さ、柔軟性の高さ、セキュリティ機能の充実ぶりをアピールしていました。

情報共有が課題だと思うなら、まずは自ら情報発信すること

イントラネット2.0~新しい協働型ワークスタイル

セミナーを締めくくる最後のセッションには、Confluenceの導入企業から、電通国際情報サービス ビジネスイノベーション本部 営業統括室の杉浦直樹氏が登壇。

最初にWikiの三大特徴である「簡単編集」「内部リンク」「履歴管理」(エンタープライズWikiの場合は「アクセス制御」が加わる)に触れた杉浦氏は、さらにイントラネット1.0とイントラネット2.0の違いに言及。

「従来のイントラネット1.0では、情報を発信する側と見る側が一方通行の関係ですが、イントラネット2.0では、全員が情報発信できて双方向。しかも、そこには公式情報と非公式情報が含まれ、未整理の状態でも公開できてしまう。ここがポイントです」と強調しました。このイントラネット2.0を実現するためにConfluenceを導入して2年。同社におけるWikiの利用パターンは主に次の4つだといいます。

●個人で使う
ブログや日記、個人メモ帳、個人ダッシュボードとして、個人が自らのモチベーションに基づいて使う。
●コミュニティとして使う
非業務情報を掲載する。ゆるい使い方と言える。
●部署単位で使う
部門サイトとして活用する。他部署の人が見に来たり、フィードバックしたりすることが可能。使い方としては通常のイントラサイトと変わらない。
●全社で使う
社内辞書として使う。

しかし、すべてのパターンがうまくいくわけではありません。その理由を、「Wikiは所詮“器”であり、自動的にコンテンツが生成されるわけではない。すでに整理された情報があるかどうか、推進する人にどの程度のモチベーションがあるかが鍵を握ります。しかも、意外と難しいのが共同編集。誰かが書いたコンテンツを上書きしようとはしないんですね」と杉浦氏。

さらに、こうしたWiki運用の壁を社会学的に分析。「1:9:90の法則」(1%が意欲的に情報発信、9%がコメント・転送し、90%が傍観のみ)、「150人の法則」(人間が一度に扱える情報量は限られる)、「Wikipediaの現実」(利用者は2,000万人近くいてもアクティブな貢献率は0.02%であり、母数が多いから成り立っているという現実がある)などの観点から、うまくいかない例の裏側に迫りました。

重要なことは、こうした現実を踏まえてWikiをどう活用していくかです。「みんな情報をもらうことばかり考えるが、情報共有とは先に情報をもらうのではなく、先に情報発信すること。情報共有が課題だと思うなら、まずは自ら情報発信をしてください。情けは人のためならずと言うように、情報発信するということは、結局は他人のためではなく自分のためなのです」(杉浦氏)。

そこで、最後に杉浦氏がネクストステップとして提案したのは、まずはConfluenceを試してみること、ソーシャルメディアを利用してみること、そしてWikiの活用企業と交流してみること。傍観者ではなく、まず自ら関わることから始めようという同氏の言葉が印象的でした。

講演後、杉浦氏からメッセージを頂きました

Confluence(社内Wiki)の導入・運営についての情報交換はいつでもWELCOMEです。
合言葉は「情けは人のためならず」。Twitter、Facebookからご連絡お待ちしていま
す。
http://twitter.com/#!/naokis
http://www.facebook.com/naokis

また、次のAtlassianユーザ会は、12月8日予定です。
http://confluence.atlassian.jp/x/GIBCAQ

全セッション終了後は、ロフトワークの君塚をモデレーターに、登壇者によるパネルディスカッションを実施。Twitter経由で会場から寄せられた質問には運用上の壁に関するものも多く、また、回答する登壇者をもってしても試行錯誤の段階にあることが伺えました。これも、イントラサイトが“まだまだ進化する余地のある楽しい分野”である証拠なのかもしれません。

blog comments powered by Disqus

次回セミナーのご案内

株式会社ロフトワーク

  • 開催日時 : 2012年06月07日(木) 14:30~17:30 (受付開始 14:00)
  • 場所 : 梅田 ブリーゼプラザ 805号室 大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー8階 【 地図・行き方
  • 参加費 : 無料

お問い合わせ

株式会社ロフトワーク セミナー・イベント担当 : お問い合わせ時間10:00~18:00(土・日・祝祭日を除く)

TEL 03-5459-5123



Copyright© 2000-2012 Loftwork inc. ALL Rights Reserved.