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アクセス解析研究会 第一回開催レポート

アクセス解析やサイト運用は、社内の一部の担当しているケースが多く、 問題や課題があってもなかなか客観的なアプローチができません。
そこで、ロフトワークではこれまでに築いてきたお客様とのネットワークを生かし、解析や運用の課題解決や新たなナレッジの取得を目的とした、アクセス解析研究会を4回シリーズで開催することを決定。その第1回目を12/3に開催しました。クライアント8企業、総勢20名に加え講師には楽天株式会社の清水誠氏をお招きし、現場レベルの濃い内容のやりとりが行われました。

”作って終わり”ではなく”作ってからが始まり”への前進

開催に先立ち、取締役兼CMOの矢橋友宏が、研究会の背景と趣旨を説明しました。Webサイトに求められる成果は数年前に比べて格段に厳格化しています。ロフトワークのようなサイト開発側として、”作って終わり”ではなく”作ってからが始まり”としたい思いがありました。そこで、今回のアクセス解析研究会を通じて、Webサイトの運営に携わる皆様が成果を継続的に上げていくためのフレームワーク作りを行いたいと思っています。

また、研究会で期待される成果として次の3点を挙げました。

1.対象サイトの継続的成長を計るための”拠りどころ”となる体系を整理できる
2.対象サイトの問題点や、改善方法のTipsを発見できる
3.同じ目線でコミュニケーションできる仲間ができる

矢橋に続き、マーケティングDiv. 君塚美香より、全四回の概要と研究会の進め方を解説し、研究会がスタートしました。

ロフトワークで行ったPDCAとその効果

第一回目はまず、サイト戦略についてレクチャーとワークショップが行われました。まずはロフトワークにてloftwork.jp全般の管理・運営を担当している山口が、自身の経験と数値改善の具体例を「ロフトワークで行ったPDCAとその効果」として4つの指標の改善例を紹介しました。

指標1:コンバージョン
これまでテキストのみで構成されていたサービスページに、ロフトワークとして提供できる価値を具現化する画像の要素を追加し、要点が分かりやすく整理しました。
⇒ 結果 コンバージョン数166%アップ

指標2:平均ページ滞在時間
サイト全体と比較して滞在時間が短くなっていたモデル価格ページに、複数の価格帯を提示しその前提状況も記載しました。
⇒ 結果 平均滞在時間62%アップ

指標3:直帰率
集客効果は高く、多くの新規訪問者を獲得しながらも直帰率が非常に高かった年賀状のニュースページ。一部セッションのつなぎ留めを目的に年賀状の制作の事例へのリンクを画像とともに追加しました。
⇒ 結果 直帰率11%改善

指標4:平均PV
ここ数年緩やかに逓減していたサイト全体の平均PV。これは頻繁に発信するコンテンツが相対的に直帰率が高いことが原因となっていました。そこでサイト全体にフッターリンクを新たに設置しました。
⇒ 結果 平均PV18%改善 

このように、サイトの目的に応じた重要なポイントを数値化して閲覧可能な状態にしておき、それに基づいて仮説を立て、施策を講じて、結果を見る、という流れがロフトワークのサイトでは徐々に確立されてきています、と山口は説明しました。

コンセプトダイアグラムで、可視化するサイトの全体像

続いて本研究会の講師である、楽天株式会社の清水氏が登壇しました。

楽天では、ポータルサイト全体を、“楽天経済圏”と呼んでいます。銀行やマーケットをはじめとする、楽天の各サービスのすべての経済活動そのものを包括的にモニターする必要があるのです。全体像の把握のために楽天ではコンセプトダイアグラムを実施しています。つまりはサイトの組織図です。それに人をアサインして、解析データを重ねあわせてゆくというフローです。そうすることで、マーケティング担当はどのチャネルが効果が高いのか、デザイン担当はどんなデザインが効果があるのか一目瞭然になります、と清水氏は説明しました。

▲コンセプトダイアグラムの一例

現在、アクセス解析には、効果的なツールが増えており、ついついツールで見えることしか見ないというのが多いものです。そこを一旦忘れて、自分は何を知りたいのか、サイトで何をやりたいのか、ということに再度フォーカスするにも、コンセプトダイアグラムは重要です、と清水氏は説明しました。

分かることを一旦忘れて、知りたいことを考える。というプロセスが実行できるようになると、目の前の現象に振り回されることなく、改善に繋がる疑問がリストアップできます。

最後に清水氏は、コンセプトダイアグラムを使ったアクセス解析について、以下のようにまとめました。

・全体像と個別の機能の相関的な位置づけの把握と管理ができる
・全体と個々を明確にすることで、どこがゴールなのかをサイト全体で定義できる
・ゴールに到るまでの中間指標、さらに指標間の関係が明確になる
・全体として、商品ページ群やショッピングカート群などといった、ざっくりとしたグルーピングでものを考えることができるようになる

ワークショップ コンセプトダイアグラム作成

ワークショップを始めるにあたり、山口がloftwork.jpをもとに事前に作成したコンセプトダイアグラムの作例を紹介。

山口は「実際に考えてみると、サイトの全容を知っていても非常に頭を使う」としながら、次のようなプロセスでコンセプトダイアグラムを作成しました。

ユーザーニーズの把握

ニーズ毎の流入経路

ニーズを受け取るコンテンツの配置

コンテンツ間のストーリー連結

引き続き、参加企業とロフトワークのディレクターがチームになり、コンセプトダイアグラム作成のワークショップを行いました。約30分という短い時間にも関わらず、各チームで熱い議論が展開され、様々なコンセプトダイアグラムが完成。各社10分程度の時間をとり発表も行いました。

▲あえて、案件を担当していないディレクターとペアになり、ワークショップを実施

発表後はそれぞれの企業のコンセプトダイアグラムに対し、清水氏による総評を実施。参加企業からは「サイトを介してのリピーターの創出ができていないことに気がついた」「今の状態は、コストも大きい。Webだけで完結してゆけたら費用対効果も上がる、ということが見えてきた」「理想しているものと現実との乖離部分がハッキリとした気がした」など、各社さまざまな気づきが表出していきました。

全4回を通じてPDCAサイクルの可視化と最適化を目指すアクセス解析研究会。次回第2回は今回作成したコンセプトダイアグラムをもとに「KGI、KPIの設定」を行う予定になっています。参加者には、次回までに今回作成したコンセプトダイアグラムを完成させることをお願いし、第1回目の研究会は終了しました。

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