Home > セミナー・イベント > セミナーレポート NextWebセミナー 第1回 「変貌する企業のWeb~2011年予測
2010年は、ソーシャルが一気に普及し、IT関連企業が一斉にクラウドサービスを強化するなど、個人と企業、企業と企業の壁が低くなり、コミュニケーションが多様化し、システムもより効率的で柔軟になった年でした。はたして2011年はどのように変化するのでしょうか。ロフトワークでは、日立情報システムズと共催でNexWebセミナー第1回目を開催。ゲストスピーカーにアスキーメディアワークス中野氏をお招きし、2010年のWeb業界そして2011年押さえるべき、Webテクノロジー・サービス・マーケティング手法などを紹介しました。

セッション資料
インターネットと Googleが 変えてしまった世界
第一部に登壇したアスキー・メディアワークス WebProfessional 編集長、中野克平氏は冒頭、1997年と2007年の各種商品小売業の年間販売総額を比較し、この10年で日本の小売業が大きく衰退している現状を提示。「インターネットが普及し、楽天やAmazonができたことにより、百貨店や総合スーパーの売上は減っています。唯一大きく成長しているのが中古市場ですが、これはブックオフの1人勝ち状態。あとはインターネットでは法律上の問題で販売できない商品も扱うマツモトキヨシなど、日本全体で売れている企業は限られています」と指摘しました。
そして「この要因は2001年に登場したGoogleの躍進にあるのではないか?」と語り、Googleの戦略ストーリーを分析しました。
GoogleはWeb上の情報量の多さを解決するためにサービスを投入し、人を集め、広告で収益を得て、その豊富な資金を投入してWebの情報量を増やしています。Googleがやっていることはマッチポンプなのではないか?
Googleは「Don’t be evil」(悪人になるな)という言葉をサイト上に掲げていますが、もしGoogleが本当に善人なのだとしたらこれらの行為によりユーザー側には「感謝のターボエンジン」が発生し、「Google信者」によるよい噂が広まり、従来よりもさらに多くのユーザーが集まります。また、よい噂に誘因されやってきた優秀な技術者は、最高のサービスを提供することにつながるのです。
「これらを行うGoogleの真の目的は何なのでしょうか?」と問いかけました。これについて中野氏は「Googleは人間のように判断するコンピュータを作りたいのではないか?」と考えています。
我々がGoogleを無料で利用することによって集められる我々の膨大なプライバシーは、Googleにとってはデータでしかありません。Googleの真の戦略は、あらゆる情報をクラウドに蓄積し、全知全能のGoogleを作りだし、「考えること」をGoogleに依存させてしまうことにあるのではないでしょうか。残念ながらGoogleの発展は、世の中をちょっと貧しくしてしまっていると語りました。

セッション資料
企業サイト~過去の10年、先の5年
第二部に登壇したロフトワーク代表取締役社長 諏訪光洋は、ロフトワークの歴史とともに、ブログやSNS、Twitterなど過去10年に登場したサービスを振り返りました。
そのなかで「この10年は検索の10年でした。検索エンジンのみが新たな情報を見つけ、インデックス化し、我々に届けてきました。しかし、最近はTwitter経由でサイトにアクセスする人が増えています。Facebookも急激に成長し、Googleとついに訪問者のシェア が逆転。そしてこれからの5年はN×N、つまり「複数のユーザー」と「複数のユーザー」を直接つなぐもしくは、サービス をつなぐ本質に戻ると考えています」と言及。
「コトラーのマーケティング」という本が提示した新しいMarketing3.0では、Marketing2.0で情報化時代となり、消費者の動向を元にしてマーケティングしていたものが、製品開発や販売に参加してもらうステップへ進んでいくと解説しています。
実際に米スターバックスやP&Gなどがエンゲージメントのキャンペーンで成功しています。Facebook内にページを持ち、ここでリリースを配布する企業も出てきました。今後は「企業はどうやってソーシャルに向き合っていくのか?」が課題になるでしょう。
「ネット上で成功するにはどうすればいいのか?」
その答えは、それは個人も企業も同じで、「まずはやめないこと」だと指摘。
「検索エンジンやメディアマーケティングよりも、「人」との関わりを重視する試みが大事になっていきます。しかし、企業がオウンドメディアを育てることは、Facebookが広まると厳しくなることも予想されるので残された時間は少ないでしょう」と語りました。

セッション資料
企業サイトが抱える今最も多い課題と 成功する解決策
日立情報システムズで企業サイトの案件を月に50件程受ける布谷氏。そのなかで、特にこの1年感じたキーワードを挙げ、変化について事例を交えながら説明しました。
「一言で“Webサイト”と言っても企業が求めるサイトは多様化し、今後もその傾向は加速するでしょう。また、企業内で利用するための販社支援サイトなどの案件も増えてきています。2010年に企業側からの要望でまず挙がったのは、携帯電話やスマートフォンへの対応。パソコンのサイト向けに作ったものを、自動変換してほしいというものです。また、中国語のサイトを作る案件も増えています。中国語のサイトは自動翻訳ではなく、翻訳したページを作ることが多いですね。自動翻訳機能もこれまでの英語や中国語だけでなく、スペイン語、韓国語などの多言語への対応が求められています」
同社では増える案件に対して、企業をグループとして分類し、フレームワーク化を推進。これはサイト上でどこに何があるかの共通性が出るため、ユーザーに対する利便性も向上します。制作のうえでは、企業情報のページがどこにあるのか、なんとなくわかるように企業グループごとにガイドラインを設定しています。共通化することにより制作費の経費節減、納期の短縮にもつながっていると語りました。
全セッション終了後、ロフトワーク君塚をモデレーターとし、 トークセッション「2010年/2011年でWebはどう変わる」が行われました。
Facebook、twitterなどのソーシャルメディアやスマートフォン、Apple TVなど今話題のソリューション活用について積極的な議論が行われました。
しかし、これらのソリューションは、オンリーワンである各企業の戦略にあわせ選定すべきであり、戦略実現には不要な部分を「捨てる」覚悟が重要と強調。 2011年、企業Web担当者にとってTipsが満載のセミナーとなりました。
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