Home > セミナー・イベント > アクセス解析研究会 第二回開催レポート
ロフトワークがこれまでに築いてきたお客様とのネットワークを生かし、解析や運用の課題解決や新たなナレッジの取得を目的に開催する、アクセス解析研究会。全4回から構成されるこの研究会の第2回目を1/28に開催しました。前回参加企業の全員が参加し、自社でのコンセプトダイアグラムを書く宿題も確実にこなして頂くなど高いモチベーションを維持。クライアント8企業、総勢23名に加え、講師には前回に続きGILT(前・楽天株式会社所属)の清水誠氏をお招きし、開催いたしました。
まずはロフトワークにてloftwork.jp全般の管理・運営を担当している山口が今回のメインテーマについて、説明をさせていただきました。
KGI ゴールの達成度
KPI ゴールを達成するための中間指標
今回のメインテーマはこのKGIとKPIの設定です。前回に作成したコンセプトダイアグラムをもとに、まずKGIを設定、さらにそのKGIを達成するためのKPIを設定してゆきます。サイトの構造を考えるコンセプトダイアグラムにゴールを上乗せしてゆく考え方です。
この設定は、具体的なログのデータに対して能動的にアクションを起こすための第一歩です。業者の方にお願いして作成してしまうと、複雑すぎて机上の空論で終わってしまうこともしばしばです。モチベーション高くのぞむためには、どの数字を改善すると、ビジネスのどの部分に役立つか、ということが分かるような、実感のこもったものにしていくのが大切です。
つづいて清水氏へバトンタッチです。前回作成したコンセプトダイアグラムでは、図にすることによってサイトの目的や位置づけが明確になりました。なぜそのコンテンツがあるのかということを曖昧にせず、図にして全体を改めて俯瞰することで全体像を把握でき、サイトの軸となるものが見えてくる。そうすることで、KGI、KPIの設定のインプットになり、定義しやすくなります。
そして、最初からコンセプトダイアグラムに完璧を期待してはいけません。それに縛られると、さらに結果的に良いものにならない場合もあります。なので、前回に作ったコンセプトダイアグラムは叩き台ぐらいに思っておき、時にはあえて壊すぐらいの気持ちでブラッシュアップすることが大切です。
コンセプトダイアグラム作成のポイントは、具体的な下流工程から着手してゆくことです。戦略設計のような上流工程から入らず、シナリオやワイヤーフレームなど下流工程から着手し、必要に応じて上流工程に戻る「ウォーターフォールの逆流アプローチ」が大切です。一見逆説的ですが、これによって取りこぼしと無駄のないハンドリングが行えます。
コンセプトダイアグラムを作るときに陥りがちなポイントとしては、サイトの構造にとらわれがちになってしまうことです。つまり、ついついサイトトップやサイトマップだけにとらわれてしまって、何をすればいいのかを見失ってしまうのです。
構造が複雑になりすぎるということもよくありますが、これは整理がしきれていない証拠です。ゴールへの道が明確であればあるほど、サイトの構造はシンプルで分かりやすくなります。また、オンラインに特化しすぎるのも考えものです。TwitterやFacebook、リアルな店舗など、もっと広く考えてみると、Webの位置づけが見えてきます。
大切なのはコンセプトダイアグラムを壊すつもりで改善を継続させること。そして、改善をし続けていく状態をつくることです。言い換えると「知りたいことを知る」状態を継続するということです。
デフォルトで分かるPVやUU(ユニークユーザ)それ自体には大した価値はありません。どんなことを知りたいかを考えてツールを選び、分析することで初めて意味のあるものになります。
効果的なKGIとKPIの設定ができるようになると、終わってから初めて分かる結果ではなく、結果にどのような要因が影響を与えているかが分かるようになります。そして結果が出るまでに、その結果をある程度予測できるようになるのです。そうなると、ゴール達成までの精度が上昇します。と清水氏は説明しました。
続いて、住宅販売を行うエースホームの金森氏がコンセプトダイアグラムでのKPI、KGIの設定例を、設定の基本となるサイトの評価軸の作り方が主に紹介しました。
まずは流入経路を整理することから始まります。テレビ・ラジオ・雑誌やポータルサイト、キーワード検索など、様々なところから人は流入します。これらをまず、「住宅希望者」「住宅検討者」などのカテゴリに分けます。
さらに、ニーズを分析し、それに対する商品とストーリーを図で表すことで、分かりやすく整理します。続いて、共感と具体性という指標を設けて、オウンドメディアの要素を整理してゆきます。こうすることで、どの要素が共感を必要とするのか、具体性をもつ要素は何なのかが一目瞭然です。
そして、それぞれの要素ページがどのようにKGIやKPIに貢献しているのかを、点数をつけて採点してゆきます。たとえば、住宅希望者がトップページから商品ページに移動した場合、共感に「+8」具体性に「+2」の得点を与える、というように、座標上の数値の上下で点数をつけます。
こうすることで、たとえば共感の点数が高かったAさんは資料請求に進み、具体性の高いBさんは「すぐに建てたい」という気持ちがあるので、直接来場するという予測が立ちます。こうして点数化することで、ユーザーの動機によって、異なるKPIを新たに設定することができ、それぞれのユーザーごとにどのようにコンテンツを訴求しKPI達成に導いていくかの戦略に繋げることができます。
今回も清水氏の講義の後、企業のみなさんを交えてワークショップが行われました。当初予定していた時間では足らず、2度も時間を延長するなど、各企業とも熱い議論が展開されていました。
約1時間のワークショップ後に、それぞれの企業の考えるKGI・KPIについての発表会を行いました。その中で、アスキーメディアワークスの中野氏の発表では、こんなことが議論されていました。
「アスキーのメディアサイトは、本を売るのがゴールです。とはいえ、さまざまなニュース記事などが満載のサイトに来る人々は、“知りたい欲”や“本を買いたい欲”など様々な欲を持っています。よって、サイト内の販売リンクでコンバージョンせず、離脱してgoogle検索して、他の記事などを見て、アマゾンで購入、という流れも多いはずです。よって、サイトを離脱するときに、これらの人がどういった欲望を持って離脱しているかをカウントできればKPIになると考えました。方法としては、離脱時にどの文字列をコピーしたかを記録するというものです。
こうしたことも、たとえば記事の下に、買わせたい本に関するリンクを貼っておいて気持ちを観測する方法もありますし、テクニックをうまく組み合わせれば、たいていツールの問題はなんとかなるものです。よって、何を知りたいかを明確にさえできれば、そこでKGI、KPIの勝負は決まっているのです。
サイトを評価するための軸を作る。
コンセプトダイアグラムをもとに、サイトを改善。
知りたいことを知る。
知りたいことを知るために、ツールを導入する。
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