2011年2月3日、JAGATが主催するカンファレンスイベント「PAGE2011」にてロフトワーク 君塚美香と寺井翔茉がプレゼンテーションを行いました。「PAGE」イベントとともに、君塚と寺井が参加したセッション、クロスメディアカテゴリ『提案事例から知るクロスメディアの本質』についてレポートします。
「PAGE」は年に2回開催される印刷・メディア業界の一大カンファレンスイベント。今回で24回目を数え、業界では歴史ある催しです。当日も会場のサンシャインシティコンベンションセンターは多くの業界関係者で賑わっていました。

主催者側に伺うと、2010年話題になった電子書籍に代表されるように、印刷業・メディア業界もITソリューションを取り入れたクロスメディアに関心が高く、年々比重が高くなってきているとのこと。2011年のコンセプト「情報デザイン新時代」のもとに、多くのITソリューション/先端技術企業が出展さていました。
ロフトワークもまた、Web構築を通したビジネス/コミュニケーション支援を行う総合制作代理店として、数多くの事例から得たナレッジを共有させていただこうとPEGE2011の「クロスメディアカテゴリ」セミナーに登壇させていただきました。
WebやモバイルなどのIT技術・そこに繋がるデバイスを活用し、従来では実現不可能だったサービスを成立させるべく、果敢な挑戦をしている企業を取り上げ、これからのビジネス展開拡大を模索していくセッションです。( PAGE 2011 より)

モバイルソリューションを提供するビートレンド社の井上氏は、小~中規模のB2B2Cサービスとして、紙媒体とモバイルを連動させたキャンペーンを提案されました。
最近普及しつつある、Web上で事前購入するクーポンサービス群を例に挙げ、対象地域やITリテラシーの問題など、主にターゲティングに(事業規模によっては)デメリットがあることを指摘しました。その上で、折り込みチラシをはじめとした従来型の紙媒体とモバイルソリューションを組み合わせることで、小~中規模事業者にとってもメリットのあるクーポンキャンペーンの展開が可能であるとのこと。新しい事前購入型クーポンの提案として、印刷業に従事する来場者の方に意見を多く求めました。

AR(拡張現実)技術に関する国内外の事例に精通している亀山氏は、ここ数年のAR技術の進化とトレンドを詳細に紹介。ジェスチャーや形状認識によるAR技術が高度化し、同時に対応デバイスのマルチ化が進むことで、AR活用の可能性と実際の事例バリエーションが世界規模で急速に拡大していることを強調しました。コンバージョンの点で、どうAR技術が活かせるのかという課題は提示しつつも、豊富な事例と共に、サイネージを組み合わせる等導入ポイントを紹介し、新たなクロスメディア戦略の提案をされました。

ロフトワークのマーケティングング部門でパートナーアライアンスとBtoC案件のプランニングを手がける君塚からは、「トリプルメディア」時代におけるエンゲージメントの重要性についてお話させていただきました。
自社メディア(オウンドメディア)と広告メディア(ペイドメディア)、ソーシャルメディア(アーンドメディア)を活用するWeb戦略が注目されている昨今ですが、目的はトリプルメディアの活用そのものではありません。あくまで、目的はエンゲージメント、顧客とのキズナや信頼関係の構築を築くことです。対話やコンテンツによって潜在顧客をブランドに巻き込み、長期的な関係構築により、売る理由ではなく「買う理由」を作ることが求められていることだと君塚は提示しました。そのときに、最も効果を発揮するのがオウンドメディアです。

ロフトワークでは、レナウン社、エースホーム社、オムロンヘルスケア社等のオウンドメディア構築&運用を支援してきました。君塚からはそれらの個別戦略とポイントをご紹介しつつ、「いまや自社サイトは、ただの『Webサイト』や『キャンペーンサイト』ではなくメディアなのです。どう戦略的に向き合うかが何よりも重要です」と、締めました。
続いて、クリエイティブ部門でディレクターを務める寺井からは、オウンドメディア活用の具体的な事例とその戦略について解説させていただきました。
取り上げたのは、NHK出版の事例です。同社は、放送と連携した書籍を数多く出版しており、Webと書籍と放送のメディア間を結び、販売に繋げるような戦略を必要としていました。その中でもWebは、多彩なテーマとユーザーを結びつけるオウンドメディアとして非常に重視されており、スピードと更新頻度の向上が求められていたとのこと。ロフトワークではCMS導入という手法で課題解決を提案しました。

寺井は、Webサイトを構築する際の基本的な考え方から詳細な手順までをディレクターならではの視点で紹介。成果として、運用コストの大幅削減、デザインのクオリティ向上、新サイト構築に迅速に対応できる仕組みの導入を実現することができました。
このように、企業が顧客との関係をいかに築いていくかというエンゲージメントの課題と、Webオウンドメディア戦略は分かちがたく結びついています。このトリプルメディア時代には、戦略的なクロスメディア活用が重要ではないでしょうか。
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