Home > セミナー・イベント > アクセス解析研究会 第三回開催レポート
ロフトワークがこれまでに築いてきたお客様とのネットワークを生かし、解析や運用の課題解決や新たなナレッジの取得を目的に開催する、アクセス解析研究会。全4回から構成されるこの研究会も後半戦。第3回目を2/25に開催しました。今回のテーマはいよいよ「戦術」。それぞれの課題と率直に向き合い、個性溢れる戦略が展開されました。クライアント8企業、総勢23名に加え、講師には前回に続きGILT(前・楽天株式会社所属)の清水誠氏をお招きし、開催いたしました。
まずは清水氏から、前回の振り返りと具体的な戦略立案に向けたポイントについての紹介からスタートしました。
何が知りたいかを考え、ツールを導入する
技術的に知ることが不可能なことはほとんどありません。よって、ツールから考えるのではなく、コンセプトダイアグラムから何が知りたいかを考えるのに意識を集中させるほうが大切です。
たとえば前回、自社本のプロモーションサイトを運営するアスキー・メディアワークスの中野氏の「“どんな欲望を持ってサイトを離脱したか”を調べるために、どんな言葉をコピーして離脱したかを可視化できれば、KPIになるのではないか」というお話がありました。本の名前をコピーしてアマゾンへ飛ぶ、という流れはよくあるものです。サイト内でコピーした文字列を知ることによって、サイトが購買欲を引き出せたかの効果測定をしようということです。
これはtynt.comで調べることができます。さらに、どんなキーワードでサイトに入ってきて、何をコピーして出て行ったかまでが分かるため、サイトがどんな情報を提供できて、行動を変えたかが一目瞭然になります。
最適化に向けた戦略は、ゴールだけでなく、どれくらいがんばったのかの可視化(KPI)をどんどんブレイクダウンすることが大切です。そしてツールを導入し、KPIがどう見えたら把握・理解ができるのかを考えることが重要で、さらにそうした数値を盛り込み、レポートフォーマットに落とせてこそ、上司といいやりとりが出来るというものです。そうでなければ、サイト運営は机上の空論になってしまいます。
さらに、そうしたツールや考え方を用いたサイト戦略の作り方を、架空の空港を例に詳細に解説。合わせて、Google AnalyticsとSiteCatalystによる中間指標を取得の実装方法も披露されました。
今回は、参加企業の2社から、サイト戦略について発表がありました。まずはネットワークソリューションを展開するネクスウェイの小田切氏からの発表です。
ネクスウェイは、主に企業の販促担当や法人営業、さらには店舗とのB to Bのビジネスを行い、様々な通信機器によるコミュニケーションを提案しています。KGIはそうした法人との成約、Webサイトのコンバージョンは、資料請求・問い合わせです。第二回でKPIを設定した、課題や調べ物の訪問者が、どこに着地しているのかを洗いだしたところ
・ナレッジセンター
・資料ダウンロード
・導入事例、マーケティングコラム
となっており、「導入事例、マーケティングコラム」の伸長がKGIに直結するのではという仮説を立てています。そして「導入事例、マーケティングコラム」の執筆者はもちろん社内の事業部長です。彼らにこのWebが本当に効果があると伝わらないと、記事を書くモチベーションがあがりません。よって戦略は、社内と社外にともに相乗効果をもたらすように作られる必要があります。
戦略
・コンテンツ貢献度の測定・・・事業部担当にフィードバックされる
・定期アップするなどコンテンツを増産・・・社内・社外へ、サイト運営への信頼を与える
・ソーシャルメディアなどでのコンテンツ露出・・・社内・社外の誰にでも可視化させる
このように、事業部担当者のモチベーションを上げると同時に、社外へのアテンションを強める戦略を打ち出していこうと思います。こうすることで、社内と社外の整合性のとれたWeb戦略が期待できます。
次いで、中高生を中心とした通信教育を基軸とする教育事業を展開するZ会の溝呂木氏による戦略が発表されました。
Z会の事業におけるKGIは、サービス・商品の入会・購入です。WebでのKPIとなるもののひとつが、最終決定者である保護者による資料請求です。KPIをブレイクダウンしてゆくと、資料請求の背景によって、エンゲージメントが大きく変わるのではないか、という仮説に行き着きました。
戦略1
・サイト内の全てのコンテンツを”ロジック”と“パッション”という指標に分け、各ページをポイント化することで、整理を進める。
たとえば、Z会の参考書ついて詳しく詳説するページは“ロジック”に分類されます。
また出版物である受験参考書、速読英単語が大学進学後も「いい文章だったな」と振り返れるような内容構成をしているというような、スペックだけにとらわれないZ会のストーリーは“パッション”に分類されます。
戦略2
・それらどのページを読んで請求に至ったかをツールを使って計測し、”ロジック”と“パッション”の指標で点数化。ロジック共感型か、パッション共感型か、あるいはバランス型かの分類を得る。
こうすることで、その人がZ会の何に共感しているか、何を求めているかが手に取るように分かります。それを顧客管理とリンクさせれば、その人に合ったサービスも提供しやすくなり、オン・デマンドな対応が可能になります。
まさにオフライン、オンライン両方を充実させるサイト戦略と言えます。
これらの発表を受けて清水氏は次のようにコメントしました。
「コンバージョン以外にもたくさんの指標がある。間接的な、最終的に効いてゆくものに気づくことによって、より深い分析ができますね。これは、どのビジネスでも同じです。とにかくたくさん数字を得て、いろんな指標に気づいてゆくのが大切です。たとえば離脱率と滞在時間の関係性です。同じ1PVでも、10分じっくり読んで離脱したのと、2秒で離脱したのとは全然違います。ファンの創出には、こうした指標も入れていくと効果的でしょう」
発表後は、実際に戦略を立案するワークショップを実施。今回は実際に改善するための戦略立案とあって、どの企業も実効果を意識した真剣な議論が行われていました。
株式会社ロフトワーク セミナー・イベント担当 : お問い合わせ時間10:00~18:00(土・日・祝祭日を除く)
TEL 03-5459-5123
Copyright© 2000-2012 Loftwork inc. ALL Rights Reserved.