Home > セミナー・イベント > セミナーレポート「グローバルサイト構築時のディレクション」
2011年3月9日、パソナテック主催のセミナーシリーズ「プロから学ぶWebディレクターの仕事術」で、ロフトワークは「グローバルサイトのディレクション術」というテーマで講演しました。
グローバルサイトの事例といえば、日本を代表するトップ企業の多言語サイトがまず思い浮かびます。そういった大規模な多言語サイトは、予算も規模もステークホルダーも、単一言語サイトの比にならないほど巨大であり、当然、構築にあたってはリスク、コスト、人的リソースも巨大なプロジェクトとなります。

▲中小規模から大規模まで多分野のグローバルサイト制作実績が豊富なシニアディレクターが登壇
とはいえ、そこまでの巨大プロジェクトだけが、グローバルサイトの構築手段ではありません。ロフトワークもグローバルサイト構築の際には、「ロフトワーク的グローバルサイトのはじめ方」でクライアント満足度も高く、短期間で、かつ、よりリスクの少ないアプローチでの構築を行ってきました。ロフトワークからはその具体的な方法と仕組みを事例を交えながら紹介させていただきました。
ひとくちにグローバルサイトといっても、多言語サイトというだけで、様々な形態、アプローチがあります。それらの方向性を決定するのは、すべて「サイトの目的=Purpose」。今回は、ロフトワークが今まで手がけたグローバルサイトの事例を目的別にご紹介しました。
例えば、「ゲートウェイとしての機能」を第一の目的に掲げたグローバル企業の場合では、現地支社が制作しているサイトデザインがバラバラで、ブランドイメージが統一できていないことが課題でした。
結果、このプロジェクトで重視したのは、現地でのスピード感を止めずに、CI統一をはかること。本国のサイトをリニューアル、CMS導入すると同時に、海外の各国サイトではヘッダフッタの統一だけを義務付け、そのためのドキュメントと素材の提供をロフトワークはしています。
そのほか、「コーポレートガバナンスの強化」、「Web戦略の活性化/プラットフォーム」等、目的ごとに様々なグローバルサイトをご紹介しました。段階的に多言語化していくケースや、海外からみた「日本らしさ」を表現しなくてはいけない場合など、構築コンセプトからテンプレートの設計部分まで、多種多様な方法があります。
なお、グローバルサイト制作の際に気をつけたいのが、他言語での原稿制作。「翻訳」と「ライティング」は別のものであり、原文を重視した翻訳なのか、ネイティブでの自然な表現を書き起こすライティングなのか、クライアントの要望確認をきちんと行うことが必須です。
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・英語のニュアンスを表現
・ネイティブな思考で翻訳
・業界を理解した表現
・大人数での翻訳の場合は同じトーンで品質を確保
・日本語で提供した原稿を文字数制限以内に要約
・プレスリリースのタイトルはキャッチーに
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どのような場合でも、『何を一番実現したいか』『実現を可能にするツールは何か』『どのように導入できるか』を考えることが大事です。
グローバルサイトになると500ページを超える大規模サイトがほとんどです。当日来場者(Webディレクター/デザイナー)のCMS導入経験は二割程度でしたが、サイトのクオリティ、スピード感、ランニングコストの管理のためにも、大規模サイト構築に向いたシステム(CMS)の力は欠かせません。そこで今回は、グローバルサイト構築の際のCMS選定のポイントもお話しました。

▲「手作業が悪いのではなく、重要なところに力を入れるため、CMSを導入することをすすめます。もし仮に手作業でHTMLページを組むとしたら、数百ページに渡ってレギュレーションを守りつづけることは難しいし、少しずつクオリティが下がってしまう。そういう問題はCMSで解決して、もっと大きな視点でサイト構築を手がけましょう」
ロフトワーク的なCMS選定のポイントは、第一に導入実績が豊富であること。導入実績が50以下だとバグが残っていたり、開発者側のノウハウが足りず、高品質なサイトに仕上げづらいというリスクがあります。またパートナー変更が難しく、コストが嵩むソリューション型CMSよりは、パッケージ型CMSをカスタマイズして導入することをお勧めします。
一方で、高機能なものを求めればそれだけコストも高くなりますし、設計も複雑になりがちです。だからこそ、重要なのは装備されている機能と設計思想を把握し、目的に合ったものを選定すること。また、グローバルサイトの場合は、国内外での導入状況も見ていくと良いでしょう。
今回は、海外での導入実績が豊富で大規模サイトのスケーラビリティを支えられる「Autonomy Interwoven TeamSite」や、翻訳フローがシームレスにシステム化できる「SDL Tridion」、国内導入実績が豊富で基本機能を持つCMSでは比較的安価に導入が可能な「WebRelease 2」等のCMSの特徴とメリット/デメリットをご紹介しました。
最後に、グローバルサイトという大規模な制作案件を前に、膨大なステークホルダーとコミュニケーションをとり、最適なゴールに導くための手法として、ロフトワークで採用しているプロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOK」について触れました。

▲プロジェクト憲章をもとに、コミュニケーションの方法を設計し、問題に対峙し、品質を担保する……PMBOKのメソッドはロフトワークでも取り入れ、成果を上げています。
ロフトワークでは、本来大規模なシステム開発等に用いてきたPMBOKを、Webクリエイティブ向けにカスタマイズして取り入れています。詳細は「Webプロジェクトマネジメント標準 公式サポートサイト」をぜひご覧ください。
講演終了後、参加者からは「中国語サイトを作ることになったが特別な仕様は必要か」「Webデザイナーとしてグローバルサイトに関わるがフォントの指定はどうするべきか」などの質問とともに、「実例をもとに聞けてよかった」「CMS選定まで細かく聞けたことで非常にためになった」等、多くのコメントをいただきました。

▲会場は農場オフィスで有名なパソナ本社。セミナールームでも野菜がすくすく育つ、学びの場としても素敵なスペースでした。ご来場いただいた皆さま、パソナテック様、ありがとうございました。
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