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集団的知性としての企業とは? HOUSE VISIONレポート

3.11以後のコミュニティの作り方

2011年5月24日、「HOUSE VISION」のシンポジウムにロフトワーク代表 諏訪光洋がゲストスピーカーとして参加しました。建築や都市、コミュニケーションプロジェクトの専門家7名によるセッションの様子をレポートします。

HOUSE VISION

▲HOUSE VISIONは日本人の暮らし方に関する情報発信と研究のプラットフォーム。これからの住環境のイニシアチブを担う、関連省庁や関連企業、専門家が参加しています。

新しい常識とコミュニティ

今回のテーマは「新しい常識とコミュニティ」。都市や建築、サスティナブルな住環境について対話を重ねてきたHOUSE VISONとしては少し異色のテーマとのこと。

発起人 原研哉さん

▲HOUSE VISIONの発起人のひとり、日本を代表するデザイナーの原研哉さん。
「街で快適に暮らしていくためにはコミュニティが大切。現在的なコミュニティはどのようにしてつくっていけるか、またどういうコミュニティが存在したらいいのかなどについて考えていきたいと思います」

集団的知性とキャラクター

今回、諏訪のコミュニティ論におけるキーワードは「集団的知性」でした。

ロフトワーク 諏訪

▲コミュニティを作ることで事業を育ててきた、ロフトワークの創業者・諏訪。

ロフトワークは、15,000人以上のクリエイターをオンラインでネットワークし、月間9,000点のイラストコンテンツ提供や、20,000ページの移行が必要な大規模サイトの構築など、マスコラボレーションの力を活用したクリエイティブを得意としています。

「私たちのビジネスは、オープンでクリエイティブなネットワークをいかに「生産」にしていくか、その仕組みを作っていくことです。今まではインターネットの力を最大限に活かしてきましたが、昨年からはOpenCUという、リアルな学びの場を共有するコミュニティをスタートしました。そこで改めて確認したのはコミュニティの個性、キャラクターです

コミュニティを作る=知性のデザイン

コミュニティの問題を考えるとき、その本質は「集団的知性(Collective Intelligence)」にあると諏訪はいいます。この言葉は100年以上前から存在し、最初に提唱したのは昆虫学者 William Morton Wheeler。たとえば、蟻のコロニー全体をひとつの意思ある生物として捉える際などに使われてきました。

HOUSE VISION

「かつて、コミュニティを規定したのは、所属する国家や、地域、会社、そして家庭でした。しかし今は、インターネットという脱物理的なインフラが生まれたことで、既存のコミュニティに固執しない人々がどんどん顕在化しています。このHOUSE VISIONも同様にひとつのコミュニティですよね。

彼らにとって重要なのは、どんなコミュニティに属しているか? そのコミュニティがどのような意思やキャラクターを持っているか? ということ。属する集団的知性がキャリアになる時代です。

企業も集団的知性=コミュニティ化していくでしょう。だから、これからは、ライフスタイルの専門家はもちろん、企業であっても集団的知性のデザイン、"Collective Intelligence Design"を考えていくことが何よりも大事なのです」

都市とサードコミュニティの需要

——ふるさとは遠きにありて思ふもの (室生犀星)

かつて、夢のために故郷を捨てた詩人がこう詠いました。
今回のシンポジウムのテーマ「コミュニティ」は、2011年3月11日の東日本大震災を受け、より重要性を帯びたキーワードになっています。約90年前の関東大震災のときも、多くの人は「ふるさと」という地域に規定されるコミュニティを捨てざるをえませんでした。その代わりに、大きな発展を遂げたのです。

大きな痛みと喪失を抱えても、国・土地・会社・家庭を超えた、新しいコミュニティが私たちの未来を切り開いてくれます。そういったマクロな視点で、現在的なコミュニティはデザインできる、講話テーマ「新しい常識としてのコミュニティ」に対する返歌として諏訪は結びました。

umari 古田さん

▲同じシンポジウムの中で、丸の内朝大学など、コミュニティプロジェクトを手がける、プロジェクトデザイナーの古田さん(umari)も「住むところでもない、働くところでもない、サードコミュニティの需要」を紹介されていました。

いち聴講者としても、現在的な都市で必要とされているのは、新しいコミュニティの形であり、そのデザイン力がこれからのライフスタイルに大きく関わってくることを、非常に強く感じる学びの機会でした。集団的知性という言葉に馴染みがなくても、「ひとつのコンセプトに共感した人の和」と考えてみれば、身近な例が多く思い浮かびます。

コミュニティをデザインする7人

今回のHOUSE VISIONは「コミュニティ」に関する、非常に興味深い考察と実践の紹介、そして対話が行われた場でした。以下、すべての講話をご紹介することが難しく残念ですが、当日のスピーカーをご紹介します。

みかんぐみ 曽我部さん リビタ 内山さん

▲建築家(みかんぐみ) 曽我部 昌史さん / リビタ 内山 博文さん

春蒔プロジェクト 田中さん DSA住環境研究室 染谷さん

春蒔プロジェクト 田中陽明さん / DSA住環境研究室 染谷正弘さん

umari 古田さん 建築家 猪熊さん

umari 古田 秘馬さん / 建築家(成瀬・猪熊建築設計事務所) 猪熊 純さん

そしてロフトワーク、諏訪の7名です。参加者の皆さん、スピーカーの皆さん、ありがとうございました!

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