Home > セミナー・イベント > グローバルWeb戦略セミナー 日本企業が世界で勝ち組になる為の5つのステップ
国内から海外への市場拡大に伴い、さらなるビジネスチャンスを呼び込むべく、Webサイトのグローバル展開を迫られる企業。しかし、グローバルプロジェクトはステークホルダーが多く、ともすると大きな失敗につながりかねません。そこで2011年12月14日、グローバルプラットフォームを提供するSDL Tridionとロフトワークは、さまざまな課題を抱える企業のWeb担当者向けに無料セミナーを開催。グローバルビジネスを勝ち抜くためのWeb戦略に迫りました。
はじめに、SDL Tridion株式会社の藤松良夫氏は、「商品の検索から比較検討、購入まで、ネットで完結できてしまう時代。一方、企業側にとっては自社だけで管理できないチャネルが増え、さらにグローバルとなると言語もいろいろ。企業と顧客をつなぐ接点をすべてカバーし、日本と同じレベルの顧客体験を海外でも提供できるかといえば非常に困難です」と指摘。
そこで必要になってくるのがGlobal Information Managementです。藤松氏は、「グローバルの情報を管理していく上では機械的に解決する方法もある。そのひとつが当社のコンテンツ管理システムSDL Tridionです」と語り、ここで、グローバルで一貫したユーザー体験、ブランド体験の提供に成功した2社(HP、マンダリンホテル)の事例を紹介。
しかし、「あくまでもCMSはひとつの部分に過ぎません。今の課題を解決していく方法もあるが、本当に大きな課題はそこではないことが多い」と言う藤松氏は、個別最適化からグローバル最適化への変革が必要であり、そのためには次のステップが重要になると説明しました。
また、より実践的なステップとしては、対象を絞り込んで小規模パイロットプロジェクトを実施し、小さな成功を水平展開させるのがコツ。「まずは成功したプロジェクトを作ることが大事。周りが自分もそれに乗っかればいいんだ!と理解してくれるので、社内を説得しやすい。」(藤松氏)
さらに実践する前にやるべき重要なこととして、次の5つのステップが提示されました。
最後に、こうしたステップを通じて中央管理とローカルの柔軟性を実現し、グローバル企業の強化につなげた事例として、藤松氏はEmirates航空のWebサイトを紹介。同社が名だたるグローバル企業のサイト構築を成功に導いてきたことを、強く印象付けたセッションでした。
続いてのセッションでは、ヤマハ株式会社の高橋茂樹氏が、自社の取り組みを例に課題解決のノウハウを紹介。同社のグローバルWeb戦略は、大きく分けてカントリーサイトプロジェクト(メイン)とビジネスユニットサイトプロジェクト(サブ)の2つから構成されており、その概要は次のとおりです。
●カントリーサイトプロジェクト
全グローバル事業、31地域/国、18言語、自社製CMS使用
●ビジネスユニットサイトプロジェクト(パイロットプロジェクト)
特定事業、グローバル+日本+北米、6言語、SDL Tridion使用
高橋氏はまず、カントリーサイトプロジェクトを振り返り、「2007年当初は3つのポータル(日本、アメリカ、欧州)と現地法人が運用する多種多様なサイトがバラバラに運営されており、一貫したコミュニケーションとブランディング展開が急務と判断した」と説明。しかし、商品情報の統合から着手したものの、ダブルワークの発生、機能やデザインの制約など、事業部門や現地法人からは反発もあったといいます。
これら課題に対するアプローチとして「コミュニケーションの円滑化を図り、日々のやり取りでは質以上に頻度とスピードを重視した」と高橋氏。結果として、統一されたWebエクスペリエンスの提供を実現しただけでなく、役割分担がクリアになり、効率と品質が改善。高橋氏は、その成功要因に「アテンションの集約」「コミュニケーションの拡大」「目に見えるもので共有する」の3つを挙げ、「特に制約への不満には、やりたいことの本質を発見・理解した上で、サンプルを作って逆提案することが効果的」とアドバイスしました。
また、一連の経験を踏まえ、グローバルWebの課題に対し、次のような意識の変革が必要であるとしました。
一方、ビジネスユニットサイトはというと、カントリーサイトで見えてきた運用・開発面での課題に対し、トライアルという形で展開。次のような考えのもと、解決策を導き出しました。
こうした背景からビジネスユニットサイトではSDL Tridionを採用。注目していた継承の強さ、多言語展開の容易さが作業効率を上げ、ビジネスユニットサイトも着実に成果を上げつつあるといいます。「この成果をフィードバックすることでカントリーサイトを改善できる。そうなれば意識はさらに集約されて、グローバルWebの課題が解決され、グローバルWeb戦略というひとつの大きなベクトルがますます強化されていきます」と高橋氏。まだまだ問題や課題がある中で、このような良いスパイラルを生み出し続けることが、グローバル企業としてのヤマハブランドの力になっているようです。
少し視点を変え、グローバルなプロジェクトを進める際の心構えや進め方に迫ったのはロフトワークの林千晶です。最初に、「一口にグローバルと言っても、コンテンツなのか、プラットフォームなのか、マネジメントなのか、はたまた英語なのか、非常に幅広い。グローバルサイトの戦略は、今まさに日本で注目を集めつつある段階です」と強調した林は、ロフトワークが手がけた2社の事例を紹介。
成功事例から見えてくる秘訣を、次の4つに整理しました。
「キーワードはMVP。今までの私たちの仕事のやり方は、完璧な企画書を作り、完璧なプランニングをしようというプレゼンテーション(Maximum Visual Presentation)。これを必要最小限だけど動くもの(Minimum Viable Product)にすべき。つまり、体感できる小さなブロックを作るということ。細部まで緻密に作り込んでしまうと、かえって今議論すべきことに目が行かなくなるだけでなく、リスクを溜め込むことにもなりかねません。」
たとえば、オムロン「CMO」によるプロセス分類が参考になる。Common(製造業で共通の、メーカーとして担保したい部分)、Module(自社の競争力である部分)、Option(国や事業部によって異なる部分)を明確にすることで、グローバルでチームアップしやすくなり、ステークホルダー間の共通言語が出来てくる。
「あ→うんの呼吸は、物事の本質を考えずにすむ会話。高度成長時代の効率性には最適だったかもしれないが、複雑で変化の早い時代に不可欠なのは、あ→A?Un?というように、なぜ?なるほど!を見つけられる会話。多くの対立は視点の違いであり、どこから見るとそう見えるのか?という議論が大事。これがイノベーションの源であり、面倒だと思っていてはグローバルでは勝てません!」
「以上、グローバル化を進める上での楽しみ方でした」と締めくくった林。明日からでも実践できそうなヒントが数多く散りばめられたセッションに、多くの参加者が肩の力を抜いて耳を傾けていました。
全セッション終了後は、ロフトワークの林がファシリテーターを務め、SDL Tridionの藤松氏、ヤマハの高橋氏によるパネルディスカッションを実施。グローバルWebをテーマに、会場からの質問に答える形で、さまざまな議論が展開されました。実践的なノウハウは元より、意識変革の必要性に多くの関心が寄せられたのが印象的でした。
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