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現場Web担当者からヒントをつかめ!サイトリニューアルの極意

Web戦略全体の効果を高めるために、避けては通れないリニューアル。しかし、これまで以上にWebに求められる役割は大きくなり、情報量もますます増大していく中で、プロジェクトを成功に導くのは決して容易ではありません。そこで2011年も残りわずかとなった12月20日、CMSツールのNORENを販売するアシストとロフトワークは、悩める現場の担当者向けに無料セミナーを開催。2012年を見据えて、サイトリニューアルの極意を紹介しました。

Web戦略のポートフォリオを作成して“やらないこと”を切り分ける

 

最初に登壇したロフトワークの諏訪光洋は、常に現場の悩みに耳を傾けているWeb制作会社の立場から、2012年のWeb戦略を展望。「Webの責任者たちは、それぞれに考えていることも、取るべき戦略やフェーズも違う。それによってKPIやKGIも変わってくる。ひとつ共通して言えるのは、引き続きソーシャルの流れが加速する中で、定量的なROIより定性的な情報の方が重要になってくるということ」と語る諏訪は、2012年のキーワードに「コンテクスト」を掲げました。

特に、「文脈や空気というより、関係性をどう作っていくのかという意味においてコンテクストが重要になる」として、米国スクエア社のサービスを例に、場所を固定しなくても多様なサービスを提供できるようになってきたことを説明。こうした環境に対応していくためにも、企業がやらなくてはいけないことは大量にあります。そこで、「まずはWeb戦略ポートフォリオを作成することです」と諏訪。

具体的には、2~3年先までを見据えてやらなければいけないことを列挙するとともに、ステークホルダーを明らかにします。可能であれば、会社の経営戦略の視点からポイント化します。その際には、ステークホルダーや部署間における調整、透明性を大切にするのがコツ。たとえば、取り組むべきことが明確になったら、これをみんなが見えるところにおいておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

また、Web戦略の判断を行うための手法として、諏訪はバランススコアカード(BSC)の活用を提案。財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点の4つの視点で評価を行うこの手法は、上位マネジメント層と同じ視点で投資効果を考えられること、客観的かつ標準的手法であるという点で有効性が期待できると言います。

ただし、諏訪が「最近では下手に数値をこねくり回さなくても、経営者が提案を待っているケースも多い」と語るように、以前に比べて、これをやってみたい!という現場の声が通りやすくなっている状況もあるようです。とはいえ、一朝一夕に新しいことに対応できるわけではありません。素材となるコンテンツに加え、CMSや成果を判断するための材料など、やりたいことを実現するための環境も重要になってきます。

この部分を長期にわたり支援してきたのがロフトワークであるとして、最後に諏訪は駆け足で自社の概要と実績を紹介。来年1月27日にWeb業界のキーマンを迎えて開催予定のセミナー(loftwork "DAY 2012" CONNECT)にも触れ、来場を促していました。

戦略づくりと自社に合った運用環境づくりが成功への第一歩

続いて、アシストの中田文紀子氏からは、同社が考えるサイトリニューアルのポイントが紹介されました。冒頭で中田氏は、「いざリニューアルするとなると、とりあえず今お願いしているWeb制作会社にまるっと見積りをお願いして、チャチャっとやっちゃえばいいじゃん!ということになりがち」と指摘。リニューアルは自社のWebサイトをもう一度考えてみる貴重なチャンスだと強調します。

そこで1つ目のポイントとして提示されたのが、Webサイトの戦略づくりです。

<POINT1>Webサイトの戦略策定
次のようなステップを踏んで、Webサイトにどんな役割を求めるのか、誰に向けて、どんな情報を提供するのかを明確にする。

ステップ1:現状を分析する
ステップ2:自分たちの会社やビジネスについて整理する
ステップ3:Webサイトのユーザーを定義する
ステップ4:ユーザーへ伝えたい情報・ユーザーがほしい情報を明確にする
ステップ5:Webサイトのコンセプトを定義する(伝えたいこと、役割、ゴール)
ステップ6:Webサイトの情報設計と評価指標を定義する(カテゴリー構造、導線、コンバージョンポイント)

ここで、「Webサイトの戦略は決まった、さて次はどうする?となったとき、ここまでくればいよいよ制作会社にお願いしちゃおうかとなる。でも、もうちょっと待ってください。みなさんもご承知のとおり、Webサイトは作って終わりではありません。ローンチからが本番です」と中田氏。実際の制作に入る前に、もうひとつ、次のポイントが重要になります。

<POINT2>運用環境の整備
PDCAを回していくための運用体制と運用基盤を検討する。具体的には、自社で更新すべきコンテンツ、コンテンツの作成者、コンテンツ承認の必要性、コンテンツのアップ方法、マルチデバイス対応、既存データの有無などについて考えていく。

PDCAを回していくための運用体制と運用基盤を検討する。具体的には、自社で更新すべきコンテンツ、コンテンツの作成者、コンテンツ承認の必要性、コンテンツのアップ方法、マルチデバイス対応、既存データの有無などについて考えていく。

「自社に合った運用は何で、戦略を成し遂げるためには、どういう形でPDCAを回さなくちゃいけないのかを考えることが大事。なぜこういうことをするかというと、これが決まれば、必要な体制や仕組みが明確になるからです。もしかしたら、CMSは要らないかもしれない。あるいは、簡易的なCMSでも十分なのかもしれません。」

以上の2つのポイントをきちんと決めることが重要だとして、中田氏は改めて、「Webサイトの役割、そして運用体制と基盤。この2つが決まれば、あとはPDCAを回して成果を上げ、そこに予算が付いてと、いい循環ができていくはずです」と総括。極めてシンプルなポイントながら、これからリニューアルを検討する企業担当者にとっては重要なヒントと言えそうです。

“そりゃそうだよね!”と言ってもらえるモデルを作ることが先決

最後のセッションには、東映の松本拓也氏が登壇。はじめに東映の60年の歴史を振り返りつつ、サイトリニューアルの背景に触れ、「大ヒット狙いのビジネスモデルから、確実な作品を増やして、グループでマルチーユースする形へとシフト。こうした変化に対応する情報伝達ツールが必要とされていた」と説明。

旧来のビジネスモデルは垂直統合型であり、別々の事業部や会社がさまざまな商材を縦割りで担当。お客様は事業の異なる情報に個別に接しないといけない状態でした。そこで、1箇所で組織横断的に情報を提供することが本来あるべき姿であるとの考え方から、Webサイトのリニューアルに踏み切ったと言います。

同社は、これを実現するためにCMSを導入。「各事業部は、自分たちだけの情報を発信すればいい。ただし、情報にタグ付けだけしてもらうことで、システムが自動的に集約ページを作る仕組みを実現しました。そもそも縦割りの組織に問題があることを認識していた経営者は、こういう提案を待っていたんですね。“これを実現するなら、これでやるしかないよね”と即納得。KPIなどの数値より説得力が物を言いました」と松本氏。

こうして、各事業部が出したいタイミングで情報を出せる仕組みが実現した今、次のステップを見据えて課題も見えつつあります。スマートフォンやソーシャルメディア対応がそのひとつ。「みんなに“そりゃそうだよね!”と言ってもらえるモデルを作ることが先決」と語る松本氏は、PCによるアクセスと、スマートフォンやソーシャルメディアでの情報収集におけるユーザー行動の違いに言及。

後者では、見込み客に対して情報発信してバズを発生させることが重要であり、次のような「共有と評価のサイクル」を作ることが理想だとします。

ECサイトも含めてすべてフィード化し、フィードをマッシュアップしてスマートフォンサイトに一本化する
 ↓
公式FB、公式ファンページを作成し、ファンになってくれた人にバズを生成してもらう
 ↓
一般ユーザーに対しては、パーソナライズやRSSリーダーの提供により、自動的に情報が入ってくる仕組みを作る

一方で、これを実現するとなると、予算の獲得も課題。そこには葛藤もあるとして、「やらないといけないスマホ対応より、やると儲かるスマホ進出のほうが社内世論を説得しやすいのは事実。ただ、儲かるモデルへの投資集中は、企業の多様性を奪うのではないかという疑問もある」と松本氏。

また、今後ますますコンテンツの質が問われるようになってくると、サイト制作の予算とコンテンツ制作の予算は別に考えていく必要もあります。しかし、「広報、ブランディングという釈明には限界がある。新しいビジネススキームを作っていくぐらいのことを言わないと予算化は難しい」とここでも悩ましい問題を吐露。やはり、いかにして“そりゃそうだよね!”と言わせるモデルを生み出すか。ここが腕の見せどころだということでしょう。

全セッション終了後は、ロフトワークの君塚をモデレーターに、登壇者3名によるパネルディスカッションが行われました。テーマは、「Web担当者が抱える10の課題とそのアプローチ」。悩み多きWeb担当者の実態を象徴するかのように、登壇者から会場の参加者に逆に意見を求める場面があるなど、自由な雰囲気の中で進行。最後には、これからリニューアルを検討しようという方々へのメッセージとして、「誰々のためにやるぞ!こいつのために汗かいたぞ!というのがあると、やりがいにつながる」という率直なアドバイスもありました。

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次回セミナーのご案内

株式会社ロフトワーク

  • 開催日時 : 2012年03月01日(木) 14:30 ~ 17:00 (受付開始 14:00)
  • 場所 : loftwork 8F 【 地図・行き方
  • 参加費 : 無料

お問い合わせ

株式会社ロフトワーク セミナー・イベント担当 : お問い合わせ時間10:00~18:00(土・日・祝祭日を除く)

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