Home > セミナー・イベント > 第二回ソーシャルエンゲージメント研究会~顧客アンケート編~
CMS学会、Webアクセス解析研究会、Webライティング研究会に次ぐロフトワークのユーザー会第4弾、ソーシャルエンゲージメント研究会。全3回のプログラムで構成される研究会の第2回が、2012年1月20日に開催されました。講師は前回に引き続き、株式会社良品計画/くらしの良品研究所コーディネーターの土谷氏。第1回で出された宿題を叩き台に、次のステップとなる新たな課題に取り組んだ第2回の様子をレポートします。
[参加企業(五十音順)]
エースホーム、オムロンヘルスケア、Z会、ネクスウェイ、明治大学、ローランド ディー.ジー.、ロフトワーク
本研究会の大きなテーマは、自社のWebサイトの中に顧客とコミュニケーションを取るためのコンテンツを設け、そこでソーシャルエンゲージメントを築いていくこと。ロフトワークの吉澤瑠美は第1回の内容を振り返りつつ、「前回重要なポイントとして学んだのは、モノを売るところから離れる、大きなVision・大義を考える、新しい知の発見の場にする、以上の3つでした。
これらを踏まえて顧客とコミュニケーションを取っていくにあたり、今回はアンケートという手法に取り組んでみたいと思います。ただし、アンケートは1つの手法に過ぎません。たとえばアンケートだったらどんなやりとりができるのか、どういうスタンスで顧客と関わればいいのかを考えてみることが目的です」と説明。
そこで、まずはワークショップのスタートを前に講師の土谷氏による講義が行われ、前回の宿題のフィードバックを織り交ぜながら、今回のヒントとなる情報が提供されました。はじめに「今の時代にモノを売るというのはとても難しい」と切り出した土谷氏は、この大前提があってのソーシャルエンゲージメントであるとして、次のように説明します。
「実は顧客とコミュニケーションを取るプロセスで、いろいろな気づきが生まれ、それが次の展開を決めていくことになる。新しい商品やサービスの開発だったり、企業価値を考え直すきっかけになったり。必ずしも売上を上げるためではなく、迷いの時代、混沌とした時代、今までの価値観が変わろうとしている時代に、その答えを見つけ出すヒントを得るためのコミュニティサイトなのです。」
コミュニケーションがファンづくりにつながり、企業の価値を生み、最終的にモノを売るということに貢献する。このことを実感として体験してきた土谷氏は、自らが手がけたWebサイト「無印良品の家」を引き合いに出し、そこで実施してきた数々のアンケートについて具体的な手法を含めて紹介。「人間は、潜在的、本能的に人に聞いてほしいという思いがある。だから聞かれるとうれしい」と語る土谷氏は、アンケートの一番の成果は「共感の仕組みづくり」だったと強調します。
たとえばテレビなら、どんな場所で、どんな格好で観るのか、そのとき家族は何をしているかといったことを具体的に調べ上げ、さらに床に座って観る人だけを拾い出して、座り方、姿勢、テレビの大きさや配置などを詳細に分析していきます。必要に応じて訪問調査も行い、さらに新しいヒントを得て、次のアンケートに活かしたり、間取りを作ったり。こうしてプロセスを通じて見えてきたことをフィードバックすると、「なるほど、こういうことなんだ」「なんとなくそう思ってたけど、やっぱりそうなんだ」「私はちょっと違うな」などと、顧客自身の中にある問題意識を掘り下げるきっかけになるというのです。
つまり、自分でも気づいていなかった隠れたニーズを引きだすこと。これこそがアンケートの勘所であり、アンケート作成時には次の点が重要なポイントになります。
約30分間、土谷氏より提示された課題に取り組んだ各社は、その成果を順に発表。各社とも、アンケートづくりを通じて、改めて自社の目指すべき方向や企業価値を再確認したようでした。中でも特徴的だった2社について、その概要と土谷氏によるコメントを紹介します。
「非常によくまとまっています。今の話を聞いただけで、いい大学だなぁと思いますよね。まさに、こういうことが狙いなんです。」(土谷氏)
「3回のアンケートを通じて、人間がなぜそうなっているのかを浮き彫りにできれば、人間は朝型になったほうがいいという我々の仮説が具体的に描けるのではないかと考えました。アクションとして、朝型人間になって充実した生活を送るためのサービス提供につなげていきたい。」(オムロンヘルスケア 加藤宏行氏)
「いいですね、キレイにまとまりました。夜が悪い!と決めつけるわけではなく、朝型、夜型を比較することで見えてくる答えが楽しそうです。アクションとしても、眠るためのサービスではなく、朝起きられるためのサービスを作っていく。つまり、新しいサービスを発見するんだということですね。ぜひやってみてほしいと思います。」(土谷氏)
各社が発表を終えたところで、土谷氏は改めて仮説の重要性を強調し、今回のワークショップのポイントを次のように総括しました。
「仮説は裏切られるものだと考えること。あるいは裏切ってもらえるようにアンケートを作ること。たとえば10個の仮説があって、10個すべてがそのとおりになるようなら何も面白くない。そもそも仮説の立て方が間違っていると考えるべきです。新しい発見を生むために仮説を作るわけで、ギリギリまで攻めていけば必ず裏切ってもらえるはず。コースアウトしたところにこそ新しい発見があるので、これは裏切られるかもしれないというところを敢えて入れ込むのがポイントです。」
いよいよ最終回となる本研究会の第3回(2012年3月16日)では、半年あるいは一年単位で、アンケートとひもづくコンテンツ計画を立てることになります。次回に向けて参加者に出された宿題は、今回考えた全3回のアンケートについて、それぞれ具体的な質問を考えてみること。第1回で考えたWebコミュニケーション戦略を軸に、第2回ではアンケートの作成から実施に至るまでの準備が整い、最終的にはコンテンツ展開へと活かしていくという本研究会の充実のプログラム構成は、来期に向けて各社のソーシャル施策を一気に加速させることになりそうです。
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